2017年3月23日木曜日

ヘレスのフェスティバル 伴唱賞

ヘレスのフェスティバルで、、地元のペーニャ協会が選出する、伴唱賞は、マリア・パヘス「オジェメ・コン・ロス・オホス」で伴唱したアナ・ラモンとフアン・デ・マイレーナに決定した。伴唱賞はヘレスのフェスティバルで、ソロではなく、舞踊伴唱で出演した歌い手の中から選ばれる。2名同時受賞は今回初めて。

Javier Fergo para Festival de Jerez
右から二人目がアナ・ラモン


また、同協会は今年新たに創設した若者賞の受賞者に、日本でもおなじみのミゲル・アンヘル・エレディアに決定した。この賞はペーニャでの公演に出演した地元ヘレスの若手アルティスタの中から選ばれ、2月26日にペーニャ、ロス・セルニカロスに出演したミゲル・アンヘルが選出された。


あと残すは評論家、記者が選ぶ批評家賞と新人賞だけでございます。

2017年3月22日水曜日

アナ・モラーレス「ウナ・ミラーダ・レンタ」

美しいフラメンコ、なのだ。
プリミティブで、野性的で激しいだけがフラメンコじゃない。
知性的で優美で繊細、そして品格がある、このうえもなく美しいフラメンコもあるのだ。
昨夜、アンダルシア州のフラメンコ公演シリーズ,フラメンコ・ビエネ・デル・スールの一環としてセントラル劇場で初演された「ウナ・ミラーダ・レンタ」。
昨年まで、アンダルシア舞踊団のソリストとして活躍したアナ・モラーレスの新作である。

セントラル劇場の客席は可動式なのだが、今回は通常、舞台の前に下がったところにある3列が取り去られ、舞台と客席が同じ高さにされていた。
舞台奥のホリゾントも袖幕もない、裸の舞台。18枚のコンパネを囲むように床置きの照明がセットされ、下手と舞台奥に椅子、上手にはコンパネ1枚分の大きさの机のような小さな台(舞台?)。
上手奥から黒い衣装のアナが登場。ゆっくりゆっくり、静かに静かに舞台を歩く。
やがて下手奥から出てきたミュージシャンたちが舞台奥に座る。
パーカッションが刻むリズム。やがてギターがマラゲーニャを奏で始め、ソファに座っていた歌い手が立ち上がる。マラゲーニャ、カルタヘネーラ、そしてタランタと歌い継ぐ。いわゆる自由リズム、リブレの曲だが、もちろん自由勝手にリズムをとるわけではなく、コンパスがしっかり刻まれないからわかりにくいかもだが、もちろんコンパスはある。そのゆったりしたコンパスを、踊りは歌のように、また伴奏をするギターのように綴る。
そしてタラントに。その昔、ラ・ウニオンのコンクールで優勝したアナだが、その時のタラントとは全く違う。きっちりした曲の感じを表現し、ドラマチック。
見ているだけで涙が出てくるほど美しい。

ギターのシギリージャからダビのマルティネーテ。靴音の美しさ。形の美しさ。

ギターがソロでソレアを奏でる。ラファエル・ロドリゲスのいにしえの響きを持ったソレア。
ダビ・コリアがアナに茶色の巻きスカートになったバタ・デ・コーラを着せ、踊り始める。バタの扱いも超一流。バタの先までしっかりコントロールし、コンパス通りに空を舞う。

ファンダンゴ・デ・ルセーナ。
ハンチング帽をかぶったダビが上手の小さな舞台の上に乗って踊るタンギージョ。
歌い手アントニオ・カンポストとの掛け合い。彼もちょっと踊ったり。
ダビのソロのサパテアードもすごかった。
この人も形がとにかく美しい。そしてリズム! 

ミロンガはデュオで踊るのだが、その呼吸の良さ。完璧なパートナーだ。
そしてアナのファルーカ。アバニコを使ってというのも珍しい。
最後はアナのタンゴ・デ・マラガ。アンダルシア舞踊団「イマヘネス」でも踊っていたが、それとも、先日のダビの公演で踊ったタンゴとも違う。細い彼女が肉感的に腰を動かし、色っぽい。踊りは動きだ。もうただひたすら見とれるばかり。

細部に至るまでよく考えられており、とにかく趣味がいい。
また是非見たい、一人でも多くの人に見てもらいたい、そんな舞台だ。

先日のダビ・コリアの公演の時にも思ったのだが、彼らは、フラメンコなのだ。超テクニックも、彼らのフラメンコを表現するためのもの。テクニックの羅列には決してならない。すごいなあ。

なお、会場にはロシオ・モリーナやパトリシア・ゲレーロらも。この世代、すごすぎる。
他にも、アンドレス・マリンやイニエスタ・コルテスらの姿もあった。


2017年3月21日火曜日

タブラオ ロス・ガジョス

18日土曜日、久しぶりにタブラオ、ロス・ガジョスへ。
20時30分からの回を見る。

セビージャ一の老舗タブラオ。
その昔はクリスティーナ・オヨスやメルチェ・エスメラルダ、マヌエラ・カラスコらも出演していたという名門。私の最初のスペイン旅行の時はフアナ・アマジャやピラール“ラ・ファラオナ”らが出演していた。その後も何度となく訪れ、ローリ・フローレス、ラモン・バルール、ベレン・マジャやイニエスタ・コルテス、エル・フンコなどたくさんのアルティスタたちを見てきたところ。舞踊団で活躍する人や劇場でソロ公演を行う人の踊りを間近で、生音で観ることができるのはうれしい。

最初はなんとマラゲーニャ。ギターのイントロに誘われて歌い始める。あら、珍しい、と思ったらそこに踊り手が登場し、カスタネットで合わせ、アバンドラオに。三人の踊り手が踊る、というオープニングなのでありました。
ギターとカンテ、そして踊り、と紹介していくわけですね。面白い。

フアン・カルロス・ベルランガのギターソロ、グラナイーナ。
続いてサライのバタ・デ・コーラでのアレグリアス。
何より驚いたのは後ろに垂らした三つ編み。
セビージャのタブラオ、それもロス・ガジョスとエル・アレナルといえば、伝統的に、きちんとした格好でないと踊れない、というところであったのであります。
いわゆるセビージャ風。髪はきちんとモーニョを結って、花もアクセサリーも落としたら罰金、くらいの気持ちで。衣装も伝統的な、きちんとしたもの、というのが原則。
マドリードのタブラオだとざんばら髪で踊る人もいるけれど、セビージャでは絶対そんなことない、はずでありました。いや、ざんばらではないけれど、でもやっぱり気になる三つ編み。うーむ。

続いてセルヒオ・アランダのタラント。これでもかこれでもかというサパテアード。最初、ジャケットのボタン止めてたのですが、そのせいで衣装に変なシワできるし、美しくなくちょっと残念。

三人目はアンヘレス・ガバルドンで、ガロティン。いやあ、ガロティンなんて久しぶりだ〜と思ったのですが、いやあ、これが良かった。コルドベスをかぶって出てくるのですが、その帽子の角度、花の位置、ともに完璧。顔の角度も美しい。いいなあ。そして帽子を前に後ろに、今まで誰もやったことのないような動きを見せる。帽子とデュオで踊っているような、といえばわかってもらえるだろうか。いやあ面白い。ガロティンといえば、古風な感じだけど、こんな風にもできるんだ、と目からウロコ、でありました。

トリはラファエル・カンパージョ。ソレア。歌の時はほとんど動かない。耐えて耐えて、どん、と爆発する。
この人は昔から姿勢が美しいけれど、その腕が動くと、“気”が動く。という感じ。空気を大きく動かすような。すごいです。
回転にしても足にしても別格。ブレリアの粋さ。ちょっとした仕草が色っぽい。歌舞伎でいう色仇って感じでございますな。本人真面目な人ですが、面白い。
最後は全員でブレリア。

楽しめます。
スペイン人はあまりタブラオ、行かないけれど、気軽に一流のアルテが楽しめる場所。やっぱオススメでございます。


写真撮影禁止なので始まる前の何もない舞台のみ撮影。



帰り道のヒラルダも美しく春の気分。いいもの見ると元気が出るね。

2017年3月20日月曜日

パラーダスのフラメンコ週間

セビージャ県パラーダはセビージャ市から東へ45km。
人口7千人という小さな町パラーダス。
この町でフラメンコ週間が開催中だ。
今年はアンダルシアの放送局のフラメンコ専門家、マヌエル・クラオへのオマージュとされ、初日、19日は若手の公演が行われ、今日月曜からは豪華な顔ぶれが日替わりので登場。



20日はアルカンヘルで伴奏がダニ・デ・モロン、21日はビセンテ・ソト伴奏ノノ・ヘロ、
22日はエスペランサ・フェルナンデス伴奏ミゲル・アンヘル・コルテス、23日はルビート・デ・パラーとラ・ジージャ、24日金曜日はパトリシア・ゲレーロ、25日はアントニオ・レジェスとヘスス・メンデス、伴奏アントニオ・カリオンという具合。
25日以外入場無料でございます。



2017年3月16日木曜日

フラメンコ・ビエネ・デル・スール アントニオ・モレーノ、ディエゴ・ビジェガス

聞いたことがない名前、と思う人が大部分だろう。
彼らは踊り手でも歌い手でもギタリストでもない。でもフラメンコなのだ。
アントニオはパーカッション、ディエゴは金管楽器の専門家。
その二人が一部二部で公演。いずれもビエナルでは単独でリサイタルを開催している。

残念ながら劇場は満員とはいかなかったけれど、楽しめました。

一部はアントニオ。
木の枝を振り回してなるひゅっひゅっという音や、腰に下げた袋からとりだした石をぶつけて出す音で作っていくコンパス。鼻歌のように口ずさむトナ。ティンパニの音階で歌が続く。
フアン・ホセ・アマドールのサエタには銅鑼で伴奏。鐘のように叩いたかと思うと、細かく叩いて小太鼓のように。
シロフォンでタランタやロンデーニャを歌うアントニオ。
机にフアン・ホセと向かい合って机を拳で、また手のひらで、タブラのように叩いて調子を取るソレア。
現代音楽風からドラムスでディエゴ・デル・ガストールのファルセータを歌う。
パルマから、体を叩いてのリズム。指鳴らし。
イスラエルと共演するパーカッション奏者は、バダホスの音楽学校教授でもある。カホンとジェンベと、という、フラメンコのパーカッション奏者とは一線を画す。
ウトレーラで生まれ育ち、フラメンコを愛し、フラメンコ学で博士号も取得。
オレ!の瞬間が何度もあった。
最後はレオノール・レアルとのデュオ。

二部はディエゴ。
カンティーニャ(プログラムにはミラブラスとあるけど)はフルートで、こちらもレオノールと絡む。
タンギージョはアルトサックスで。ファンダンゴはハーモニカで。再びフルートでタンゴ。テナーサックスでソレア。
バックのグループと微妙な間合いがずれているような気がするのは私だけ?
ヘレスのフェスティバルでアンヘル・ムニョスの舞台で演奏していた感じがすごく良かったのだけど、今夜はなんだかちょっと欲求不満。
ディエゴはホルヘ・パルドに憧れているそうだけど、ホルヘよりもずっとフラメンコ。なんだけどリブレな感じも多く、それがホルヘならジャズになるのが、彼の場合、なんなんだろう。

レオオール・レアル。今日の席が舞台に近かったので思ったのだけど、彼女、上半身が前に傾いて踊るのですね。これがいつも彼女い感じる違和感だったのかも。


2017年3月15日水曜日

ヘレスのフェスティバル 観客賞はエドゥアルド・ゲレーロ

ヘレスのフェスティバル各賞、そのうち、ビジャマルタ劇場で観客に採点表をを配り、その採点から受賞者が決まる、地元紙ディアリオ・デ・ヘレスの観客賞にはエドゥアルド・ゲレーロが決定しました。おめでとう!

Javier Fergo para Festival de Jerez

2017年3月12日日曜日

ヘレスのフェスティバル アントニオ・エル・ピパ「アシ・ケ・パサン・20アニョス」

アントニオ・エル・ピパは舞踊弾結成二十周年記念で、過去の作品の名場面集に豪華ゲストで閉幕を飾る。
パストーラ・ガルバンといい、最近流行りですかね。

最初にこれまでの公演の写真が次々と映し出される。地元紙ディアリオ・デ・ヘレスの写真家ミゲル・アンヘル・ゴンサレスの写真は美しく、ローラ・グレコやマティルデ・コラルら共演者たちのことなど、いろいろ思い出させてもくれるのだが、10分近くはさすがに長い。それも説明なしなので、何が何だかわからない人もいたことだろう。

「ビベンシアス」の写真のようなポーズから始まり、最初は最新作「ガジャルディア」のアレグリアス。フラメンコ衣装見本市のショーのような、女の子たちがバタ・デ・コーラでポーズを決めるのと絡むアントニオ。華やかな場面なのだが、なんせ、サパテアードを始めるとコンパスを外す。昨日のエドゥアルド同様、三人の女性歌手というのは、これも流行りなのか?

Javier Fergo para Festival de Jerez

次の「プエルタス・アデントロ」のグアヒーラはマカレーナ・ラミレスなのだが、彼女も足でコンパス外す。残念。形綺麗なんだけど。と思ったけど写真で見るとダメですね。

Javier Fergo para Festival de Jerez



とここで前日同様、鼻水止まらずギブアップ。薬効いていると思ったのですが。
で、メルセデス・ルイスやコンチャ・バルガスが見れず残念至極でございました。

こんなだったらしい。

Javier Fergo para Festival de Jerez


Javier Fergo para Festival de Jerez

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