2017年6月13日火曜日

エンマ・マレーラス逝く

スペイン舞踊家エンマ・マレーラスがバルセロナで亡くなった。97歳だった。

廉価版のフラメンコのアンソロジーCDによく彼女の舞踊団の演奏が収録されていたから、その名をなんとなく覚えていた人も多いのではなかろうか。



1919年バルセロナ圏リポレット生まれ。
音楽院でピアノを学び、10歳からクラシックバレエとスペイン舞踊をリセオ劇場の学校で学び、後、マドリードに出て、スペイン舞踊とフラメンコを、エル・エスタンピオやキカ、レグラ・オルテガ、ペリセ兄弟らに、さらに学んだ。

1950年代にはホセ・デ・ラ・ベガ舞踊団のゲストアーティストとして活躍。
1960年代にはリセオ劇場音楽院でカスタネット教授を務め、73年にバルセロナの演劇学院のスペイン舞踊とカスタネット教授に就任。

1970年代には独自のカスタネット譜を編み出し、「カスタネットの練習メソッド」を刊行。スペイン内外のスクールで使われるようになった。
現在も購入可能
カスタネット奏者として、ヨーロッパ各地で演奏し、またレコードも録音。
ヘレスのフェスティバルで評論家賞を受賞したこともある、カスタネットで有名だったホセ・デ・ウダエタは彼女の門下になる。

1991年には芸術メダルを、92年には文化省の芸術功労賞を、98年には演劇学院名誉賞を受賞している、

2017年6月9日金曜日

マエストランサ劇場のフラメンコ

6月8日、セビージャのマエストランサ劇場でフラメンコ公演。
セビージャのオペラハウスであるこの劇場では、ビエナル以外にも毎シーズン3つのフラメンコ公演がプログラムされており、これもその一つ。

ヘスス・メンデス、アントニオ・レジェス、ドゥケンデ、ダニ・デ・モロン、パトリシア・ゲレロと出演者の名前だけで告知。公演名は「ロコ・デ・ロス・トレス・メタレス」
三つの声に夢中、とでもいう感じ。

が、このメンバーを見てもしや、と思った通り、内容的にはビエナルでのダニ・デ・モロンの公演「23」のバリエーション。
すなわち、メインはダニ。

ダニのソロに始まり、ヘスス・メンデスがブレリア・ポル・ソレアとシギリージャ。
パトリシアの無伴奏ではじまるファルーカ、アントニオ・レジェスのソレアとファンダンゴ、ダニのソロ、ドゥケンデのレバンテとタンゴ、全員でのブレリアという構成。

ダニのソロもビエナルと同じ、シギリージャからブレリアになる曲とグラナイーナ。
ビエナルの時のロシオ・マルケス、アルカンヘル(見に来ていた)に代わってアントニオ・レジェス、イスラエル・ガルバンに代わってパトリシア、というわけだ。

ヘススの、いつもの、声量たっぷりに朗々とし歌い上げるあの歌いっぷりに加え、テレモートばりの、ちょっとかすれた感じの声使いなども加わっていたのが、嬉しく、ヘレスの魅力を実感。
パトリのファルーカはパンタロンに白いブラウスとフリンジのベストで。伝統的なファルーカとは全く違う、スーパーモダンな振り。ルベン・オルモ的な感じで、そこにちょこちょこ伝統的な形も顔を出す。テクニックも凄いんだけど、うーん、どうなんだろう。彼女の魅力が最大限に出ている、という感じではないかも。
アントニオが、この夜の観客に最も人気があったようだ。昔ながら、を感じさせるうたいっぷり。ファンダンゴは立って、マイクを手にする、地元の先輩、ランカピーノ風。(元々はマノロ・カラコール?そういえばベニ・デ・カディスも立って歌っていた)
個人的には一つ一つを長くの場して歌う、ペーニャ風な感じは好きじゃない。
ドゥケンデはやはりあの声、カマロン風の歌い回し、声のスピード、やっぱ素晴らしい。タンゴではパコとのツアー歌っていたレトラを最初に三つ。懐かしさでいっぱいになる。
でもダニはパコと演奏したことはあってもパコじゃない。

伴奏も、歌を立てる、というよりもバンバン自己主張もしていく感じ。考えすぎ?
グラナイーナは素敵なフレーズがいっぱいあるんだけれど、全体としてもまとまりがもう一息のような。

最後の全員でのブレリアもフィエスタ感は全くなく、アントニオ、ドゥケンデが、それぞれ一曲、という感じで歌い、最後はマイクを外して歌うヘススにパトリが踊る。マイク外してもしっかり聞こえるヘスス!やっぱすごいなあ。

なんとなく消化不良な夜でございましたが、ヘススとドゥケンデだけで私は満足でございます。

2017年6月8日木曜日

アルカサルの夜

セビージャの夏の風物詩、アルカサルの夜のコンサートが今年も開催される。
通常は入ることができない、夜のアルカサル庭園の散策を楽しみ、クラシックからジャズ、フラメンコ、ワールドミュージックなど、様々な音楽を日替わりで楽しめるこのイベント、入場料がわずか6ユーロ(インターネット購入だと手数料1ユーロがかかるので7計ユーロ)と手軽なこともあって、地元の人たちにも観光客にも人気のイベント。
入場券は6月15日から22日までのものが6月12日から、という風に、1週間ごとの前売りとなるので注意。



今年のフラメンコは、マリア・テレモート、ヘマ・カバジェーロ、二人のカンタオーラのほか、フラメンコジャズなホルヘ・パルドやディエゴ・ビジェーガス、チキ・シエンフエゴスらが出演。



◇アルカサルの夜 ※開演22時30分
6/15(木)「ウエジャス」
[出]〈fl,sax〉ホルヘ・パルド、〈g〉パケーテ、〈perc〉アネ・カラスコ
6/22(木)、7/3(月)、8/8(火).31(木)「ライセス」
[出]〈c〉マリア・テレモート、〈g〉ノノ・ヘロ
6/24(土)、7/29(土)、8/14(月)、9/4(月)「バホ・デ・ギア」
[出]〈fl,sax〉ディエゴ・ビジェーガス、〈g〉ダビ・カロ、〈perc〉ロベルト・ハエン
7/1(土)、22(土)、8/5(土)、19(土)「ロ・トライゴ・アンダンド」
[出]〈c〉ヘマ・カバジェーロ、〈g〉ハビエル・パティーノ
8/9(水)「クリシス」
[出]〈piano〉チキ・シエンフエゴス、〈ウッドベース、ベース〉マヌエル・シエラ、〈perc〉マヌエル・ピンソン
9/9(土)「ロス・カミノス・デ・ラ・ギターラ」
[出]〈g〉アルフレド・ラゴス、ルイス・ガジョ、〈perc〉ホルヘ・パロモ
[場]セビージャ アルカサル庭園
[料]6ユーロ
[問]http://www.actidea.es/nochesalcazar2017/

2017年6月7日水曜日

クリスティーナ・ヘーレン財団夏の短期クラス

トリアーナに移転してきたクリスティーナ・ヘーレン財団フラメンコ芸術学校の夏季コース。
週替わりで第一線のアルティスタたちがクラスを行うほか、学校の年間コースで教授を務めているミラグロス・メンヒバルやルイサ・パリシオらの一ヶ月のコースもある。
時間などの詳細がわからなかったので下記には記していないが、これらのクラスのほかにも、フアン・ホセ・アマドール、マリア・ホセ・ペレス、マヌエル・ロメロが交代で教授を務めるカンテクラス、ペドロ・シエラ、エドゥアルド・レボジャール、ペドロ・サンチェスが交代で歌や舞踊の伴奏やテクニックを教えるクラス、また、舞踊初級者のための、振り付けとコンパスを学べるルイサ・パリシオ、ベアトリス・リベロ、マヌエル・ロメロが教えるクラスもある。




◇クリスティーナ・ヘーレン財団夏の短期クラス
7/3(月)~28(金)
[教]〈b〉ミラグロス・メンヒバル
[内容]12時~13時30分上級「小物を使った舞踊」、13時30分~15時中級「振り付け」
[教]〈b〉ルイサ・パリシオ
[内容]12時~13時30分中級「小物の技術入門」
7/3(月)~7(金)
[教]〈b〉パストーラ・ガルバン
[内容]13時30分~15時上級「ブレリアス」
[教]〈g〉パコ・コルテス
[内容]13時30分~15時上級
7/10(月)~14(金)
[教]〈b〉ラファエル・カンパージョ
[内容]13時30分~15時上級「タンゴス」
[教]〈g〉サルバドール・グティエレス
[内容]13時30分~15時上級「伴奏ギター作曲の技術」
7/17(月)~21(金)
[教]〈b〉バレリアーノ・パーニョス
[内容]10時30分~12時上級「フラメンコへの技術」
[教]〈g〉アルフレド・ラゴス
[内容]13時30分~15時上級「ブレリア・ポル・ソレア」
7/24(月)~28(金)
[教]〈b〉カルメリージャ・モントージャ
[内容]13時30分~15時上級「ブレリア・ポル・ソレア」
[教]〈g〉ディエゴ・デル・モラオ
[内容]13時30分~15時上級「ブレリアス」
[場]セビージャ クリスティーナ・ヘーレン財団フラメンコ芸術学校

[問]http://flamencoheeren.com/es/noticias/534-el-curso-flamenco-intensivo-de-verano-2017-de-la-fundacion-cristina-heeren-se-renueva-con-profesores-invitados-y-cursillos-semanales.html

2017年6月6日火曜日

ロシオ・モリーナ、マヌエル・リニャンにマックス賞

スペインの舞台芸術、演劇及び舞踊を対象にしたマックス賞の授賞式が6月5日バレンシアで行われた。

パリで初演し、マドリードでも上演された「カイダ・デル・シエロ」で作品、女性舞踊家、振り付けの3部門でノミネートされたロシオ・モリーナが、作品賞こそコンテンポラリーダンスのクーカイに持って行かれたものの、女性舞踊家、振り付けと二部門で受賞。
また男性舞踊家賞もマヌエル・リニャンが受賞した。


なお、彼らの他にも、女性舞踊家にはパトリシア・ゲレーロが「カテドラル」で、ダニエル・ドーニャが「アビタット」で、また群舞にアンダルシア舞踊団が「ティエラ・ロルカ」でノミネートされていた。

フラメンコ・ディベルソ 

6月23日から7月2日までマドリードで開催されるワールド・プライド・マドリード
ヨーロッパ最大とも言われるLGBTの祭典だ。
この時期に、今年はじめて、LGBTに焦点をあてたフラメンコ祭が開催される。
フラメンコ・ディベルソ、多種多様なフラメンコ、とうたうこのフェスティバル、最初の二日間はルチャナ劇場で、後はコリセウム劇場で公演。
フラメンコとジェンダーについての著書のあるフェルナンドの公演にはじまり、二人の女性ギタリストの公演、ロシオ・モリーナとトレメンディータ、ロハス&ロドリゲス、ミゲル・ポベーダと、なかなか豪華な面々だ。

スペイン、フラメンコ界、LGBTの人たちも多い。
日本のテレビを見ていて、同性カップルに戸惑う日本人を見て、あ、日本はそうなんだ、って不思議に思った。
同性婚も可能なスペイン、今はもう、同性カップル等をほとんどの人が自然に受け入れているように思うのだが、まだまだ差別もあるという。

いろんな人がいるから面白いのがこの世界。
それぞれを尊重しつつ楽しむのが正解では?



◇フラメンコ・ディベルソ
6/25(日)21時「バイラール・縁。オンブレ」
[出]〈b〉フェルナンド・ロペス
6/26(月)21時「ドス・トカオラス」
[出]〈g〉マルタ・ロブレス、アントニア・ヒメネス
[場]マドリード ルチャナ劇場
[問]http://teatrosluchana.es/festival-world-pride-experience/
6/27(火)20時30分「アフェクトス」
[出]〈b〉ロシオ・モリーナ、〈c〉ロサリオ・ラ・トレメンディータ
6/28(水)20時30分「ティタニウム」
[出]〈b〉アンヘル・ロハス、カルロス・ロドリゲス
6/29(木)、30(金)、7/1(土)20時30分
[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ
[場]マドリード コリセウム劇場

[問]http://www.stage.es/llega-flamenco-diverso-al-teatro-coliseum/

2017年5月13日土曜日

カンテ・デ・ラス・ミーナス祭プログラム発表。

今年のカンテ・デ・ラス・ミーナス祭のプログラムが発表された。
今年は通常よりちょっと地味めかな?
コンクール出場も5月15日まで受付中。


◇カンテ・デ・ラス・ミーナス祭
8/2(水)~12(土)
8/3(木)22時「前年度優勝者ガラ」
[出]〈c〉アントニア・コントレーラス、〈b〉ベレン・ロペス、〈piano〉アルフォンソ・アロカ
8/4(金)23時
[出]〈c〉ローレ・モントージャ、伴奏〈g〉フアン・カルモナ、〈c〉ロシオ・マルケス
8/5(土)23時
[出]〈c〉フアン・ピニージャ、〈violin〉パコ・モンタルボ
8/6(日)23時
[出]〈b〉マヌエラ・カラスコ、〈c〉ヘスース・メンデス
8/7(月)23時
〈c〉アルヘンティーナ、マイテ・マルティン
8/8(火)23時
[出]〈b〉アンダルシア舞踊団
8/9(水)~11(金)
コンクール準決勝
8/12(土)
決勝
[場]ムルシア州ラ・ウニオン

[問]http://festivalcantedelasminas.org