2009年12月29日火曜日

パコ・デ・ルシアのヨーロッパツアー

2007年以来ライブ活動を休止していたパコ・デ・ルシア。
フラメンコの神様ともいわれる彼だが、新譜録音、兄ラモンの逝去などもあり
舞台からしばらく遠ざかっていた。
が、ついに舞台に帰ってくる。


新年2月からヨーロッパツアーが開始。
東欧、ドイツ、イタリア、ロシア、スイス、フランスを経て
6月にはスペインの舞台にも登場だ!

なおグループは
第2ギターのニーニョ・ホセーレ
ベースのアライン・ペレス
パーカッションのピラーニャ
ハーモニカ/キーボードのアントニオ・セラーノ

は今まで通りだが
新しく
カンテにクリスト・エレディアとダビ・デ・ハコバ、
バイレでファルー
が加わるとのこと。
わお!
ちなみにカンテの二人はまだフラメンコ界でもそれほど知られていない若手。
クリストはホセーレの従兄弟でアルメリア出身、ダビはグラナダ生まれだそう。
日本やアメリカへのツアーも調整中と言う。ぜひ実現してほしい!

なお、公演予定は以下の通り。
2/6(土)ボスニア サラエボ
2/8(月)モンテネグロ ヘルツェグ・ノビ
2/10(水)セルビア ニス
2/12(金)ベオグラード
2/14(日)クロアチア ザグレブ
2/15(月)スロベニア リュブヤナ
2/18(木)ドイツ ベルリン
2/28(日)イタリア ローマ
3/12(金)ロシア サン・ペテルスブルグ
3/14(日)ロシア モスクワ
3/17(水)ドイツ ミュンヘン
3/19(金)スイス チューリッヒ
3/20(土)イタリア トゥリン アオスタ
3/22(月)ポーランド ワルシャワ
3/27(土)ハンガリー デブレツェン
3/28(日)ハンガリー ブダペスト
4/14(水)スロバキア ブラチスラヴァ
5/2(日)スイス バーゼル
5/6(木)フランス ボルドー
6/12(土)ベルギー ブリュッセル
6/16(水)ポーランド シュチェチン
6/20(日)スペイン バルセロナ リセウ劇場(前売中)
7/13(火)スペイン ビトリア ジャズ・フェスティバル(予定)
7/23(金)、24(土)スペイン コルドバ ギター・フェスティバル(予定)
8/10(火)スペイン ラ・ウニオン カンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル(予定)
8/13(金)スペイン ペララダ 国際音楽祭(予定)
[問]http://www.pacodelucia.org/

“フラメンコを知る”コンサートシリーズ


セビージャの銀行、カハソルの“フラメンコを知る”コンサートシリーズが今シーズンも1月から各地を回る。
いくつかのグループが、アンダルシア内外の各地のペーニャや大学、小劇場等をまわるという形のこのコンサートシリーズ、今回で21年目という歴史を誇る。

「ヒラルディージョス」〈c〉カリスト・サンチェス、〈b〉マノロ・フランコ
1/15(金)セビージャ県マルチェーナ ペーニャ・フラメンカ
1/22(金)セビージャ県ロス・パラシオス ペーニャ“エル・ポソ・デ・ラ・ペーナ”
1/28(木)セビージャ県ルセーナ パラシオ・デ・エリサナ劇場
1/30(土)グラナダ県グラナダ ペーニャ・ラ・プラテリア

「カンテ・コン・ノンブレ・デ・ムヘール」〈c〉ラウラ・ビタル、ヘマ・ヒメネス、〈g〉エドゥアルド・レボジャール
1/22(金)セビージャ県ドス・エルマナス ペーニャ・フアン・タレガ
1/24(日)セビージャ県モロン・デ・ラ・フロンテーラ ペーニャ・モンテヒル
1/29(金)ウエルバ県ウエルバ ペーニャ・フラメンカ
1/30(土)カディス県サンルーカル・デ・バラメーダ ペーニャ“プエルト・ルセーロ”

「エン・コンシエルト」〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス
1/15(金)ウエルバ県プンタ・ウンブリア ペーニャ・フラメンカ
1/16(土)セビージャ県カサリチェ ペーニャ“カンテホンド”
1/21(木)ウエルバ県ウエルバ ウエルバ大学
1/22(金)セビージャ県カルモナ ペーニャ“アミーゴ・デ・ギターラ”
1/23(土)セビージャ県アルカラ・デ・グアダイラ ペーニャ“ラ・ソレア”
1/28(木)カディス県カディス “ラ・メルセ”市立センター
1/29(金)アルメリア県アルメリア ペーニャ“エル・タラント”

「エストレマドゥーラ・カンタ・イ・バイラ」〈c〉ラケル・カンテーロ、エウヘニオ・カンテーロ、〈b〉カルメン・オサド、〈g〉フランシスコ・ピント
1/22(金)シウダ・レアル県ボラーニョス・デ・カラトラバ 文化の家音楽堂
1/29(金)シウダ・レアル県ラ・ソラーナ 市立劇場
1/30(土)シウダ・レアル県バルデペーニャ 市立音楽堂

「ジョランダ・ロレンソとそのクアドロ」〈b〉ジョランダ・ロレンソ、〈c〉エミリオ・カベージョ、〈g〉エドゥアルド・レボジャール、〈perc〉ペリーコ・デ・ラ・チャナ
1/23(土)セビージャ県オスーナ ペーニャ“ラ・シギリージャ”
1/27(水)セビージャ県セビージャ セビージャ大学ポリテクニカ
[問]https://www.cajasol.es/obrasocialfundacion/

開演時間は場所によって異なるので会場に問い合わせてほしい。

2009年12月27日日曜日

2009フラメンコ 私的なベスト5

今年も押し迫ってきたので今年観たフラメンコの舞台の中での
とっても“ワタクシ”的なベスト5を考えてみることにした。
けっこう記憶があやふやで、今年観たと思ったら去年のものだったり。
うーむ、年だな。

そんな中でも忘れてなかった公演/アーティストをいくつか。


フェスティバル・デ・ヘレス「フラメンコ・エスクリベ・コン・ホタ」の
ミゲル・アンヘル・ベルナとラファエル・カンパージョ
ミゲル・アンヘル・ベルナはサラゴサ生まれのダンサー。
ホタの伝統と革新を押し進める、アントニオ・ガデスとホアキン・コルテスをあわせたような存在。その彼がフラメンコと共演したこの公演でみせたその跳躍! その姿の美しさ!
フラメンコではないけど、記憶にいつまでも残る。あ、この公演ではラファエル・カンパージョも良かった!この人ほど実力があるのに作品に恵まれない、というか、もっと評価されていいバイラオールもいないのでは?と思ってたら今年はマヌエラ・カラスコと共演したり、自分の作品をつくったり。まことにめでたい。姿のよい、男らしいバイレをみせてくれる得難い存在だ。


ヘレスのフェスティバルでは、ほかにもスペイン舞踊作品「ペルミタメ・ア・バイラルテ」のアイーダ・ゴメスも深い印象を残した。って、私、フラメンコも好きだけど、スペイン舞踊も大好き。コロカシオン/姿勢が崩れ気味な若手が多い最近、やっぱスペイン舞踊の基礎ってフラメンコにも大事よん、と思う。

パストーラ・ガルバン「パストーラ」
今、最も“旬”なバイラオーラ、最もフラメンカなバイラオーラといえばパストーラをおいてほかにない。このヘレスのフェスティバルで初演した作品は、ダビ・ラゴスとホセ・バレンシア(初演ではトバラ)歌い手二人にギターのラモン・アマドール、コンパスのボボーテという5人だけの舞台。家着のバタ(ガウン)で、バタ・デ・コーラで、と踊りまくるパストーラのすごさ! サウラの「フラメンコ・オイ」でも踊った、幕開きのタンゴは最高!の一言。兄イスラエルの影響はもちろんあるが、彼女は彼女の個性をもっている。おきゃん、という言葉がこれほどまで似合う人もいないだろう。(ついでに黄八丈に珊瑚のかんざしとかも似合いそうだ)
「フラメンコ・オイ」にはロシオ・モリーナも出演してたが彼女も素晴らしい。超テクに加え“伝える”力も倍増。どんどん変化していく成長期!次の公演も楽しみだ。





スペイン国立バレエ団30周年記念公演から「ファンタシア・ガライカ」
国立バレエ団ファンとして20年間見続けている私としてはなつかしい演目が次々に登場するこの公演はうれしいものだったが、一番すごい!と思わせたのはグラン・アントニオ振り付けの「ファンタシア・ガライカ」。日本でもガリシア・ファンタジーというタイトルで一度上演されているはずだ。ほぼ50年前の振り付けなのに全く古くないどころか新しい。“みせる”ための工夫がこらされ、ダイナミックな演出といい、素晴らしいとしかいいようがない。これもフラメンコではないが、観ていて思わず涙ぐむくらいに素敵な作品。かつてはフラメンコ、スペイン舞踊、地方舞踊、ボレーラと全部踊れてこそのダンサーだったが(かのファルーコだってホタ踊ってたのだぞ)、今やフラメンコ一辺倒が多過ぎ。ほかのものもやることでその人のフラメンコがどんだけよくなるか!と思うんだけどね。


テレモート復活公演



病に倒れたフェルナンド・テレモートの復活は今年度のうれしいニュースのナンバーワン!
父の名を冠したペーニャで行われたその復活コンサートも素晴らしいものだった。
なんといってもあのマラゲーニャ!!!忘れない。
んでもって、またコンサートにかけつけた彼の友達たち、モライートやイスラエル・ガルバンらアルティスタ、ジャーナリスト、地元の仲良したち。。。最後は親戚一同や彼の愛娘も舞台に立ち、愛娘の歌うブレリアでウナ・パタイータをみせてくれたフェルナンド。
あんなに雰囲気のいい公演って滅多にない!










石井智子公演のディエゴ・カラスコ
今年は春と秋、2回日本に行くことができて、いくつか公演を観ることができたけど、その中でも感動させられたのは石井智子公演のディエゴ・カラスコ。ディエゴの歌で踊った智子ちゃんのすばらしさ! 歌をきいて、コンパスを感じて踊る、フラメンコの原点!!!
でもってコンパスの海を泳ぐように歌い踊るディエゴのすごさ。日本のフラメンコの歴史に残る一瞬でありました。

ほかにもエバ・ジェルバブエナの「ジュビア」の最後のソレア(すでに定番、十八番のソレアを持っているにもかかわらず、全く新しいソレアを作り上げた彼女に脱帽)も記憶に残る。。。また先日、フィエスタではじめて観た、トリアーナのベテラン・バイラオール(かつてローラ・フローレスと共演していたそうだ)、パコ・ベガのブレリアの粋さにも酔った酔った。

2010年はどんなフラメンコが待っていてくれるのだろうか。

2009年12月26日土曜日

新作上演中のサラ・バラスにパリ市メダル


12月19日に新作「エッセンシア(ア・プロポシト・デ・サラ)」を初演、
パリ、シャンゼリゼ劇場で1月11日まで好評上演中のサラ・バラス。

その彼女にパリ市がおくる最高名誉賞であるGrande Médaille de Vermeil de la Ville de París がおくられた。

なおサラの新作は舞踊団での11年間を振り返っての、いわばベスト集的もので、
ファルーカ、ソレア、ブレリア、マルティネーテ、
シギリージャ、ファンダンゴ、アレグリアスなどが踊られる。
出演は公私にわたるパートナーであるホセ・セラーノと9人のダンサーたち。
伴奏はホセ・マリア・バンデーラ、ダビ・セレドゥエラ、マリオ・モントージャ、
カンテにサウル・キロス、ミゲル・デ・ラ・トレア、ブレンダ・ガルシアら。

2009年12月23日水曜日

北スペインのフラメンコ公演


フラメンコは南スペイン、アンダルシア生まれだけど
北スペインでもフラメンコ公演は行われています。
というわけで、北部スペインのフラメンコ公演のご案内。

1/14(木)22時 
[出]〈c〉マイテ・マルティン、〈g〉フアン・ラモン・カロ
1/28(木)22時
[出]〈c〉ヘスース・メンデス、〈g〉マヌエル・バレンシア
2/11(木)22時
[出]〈c〉ラ・マカニータ、〈g〉マヌエル・パリージャ
2/25(木)22時
[出]〈c〉カネラ・デ・サン・ロケ、〈g〉アントニオ・カリオン
3/11(木)22時
[出]〈c〉カルメン・コルパス、〈g〉ペドロ・バラガン
3/26(木)22時
[出]〈c〉フアン・ホセ・アマドール、〈g〉ラモン・アマドール
[場]ログローニョ ブレトン劇場


1/29(金)23時
[出]〈c〉ヘスース・メンデス、〈g〉マヌエル・バレンシア
2/12(金)23時
[出]〈c〉ラ・マカニータ、〈g〉マヌエル・パリージャ
2/26(金)23時
[出]〈c〉カネラ・デ・サン・ロケ、〈g〉アントニオ・カリオン
3/12(金)23時
[出]〈c〉カルメン・コルパス、〈g〉ペドロ・バラガン
3/27(金)23時
[出]〈c〉フアン・ホセ・アマドール、〈g〉ラモン・アマドール
[場]バラカルド バラカルド劇場


1/29(土)20時30分
[出]〈c〉ヘスース・メンデス、〈g〉マヌエル・バレンシア
2/13(土)20時30分
[出]〈c〉ラ・マカニータ、〈g〉マヌエル・パリージャ
2/27(土)20時30分
[出]〈c〉カネラ・デ・サン・ロケ、〈g〉アントニオ・カリオン
3/13(土)20時30分
[出]〈c〉カルメン・コルパス、〈g〉ペドロ・バラガン
3/28(土)20時30分
[出]〈c〉フアン・ホセ・アマドール、〈g〉ラモン・アマドール
[場]ビトリア エゴアルデ市民センター


1/16(土)22時30分
[出]〈c〉マイテ・マルティン、〈g〉フアン・ラモン・カロ
1/23(土)22時30分
[出]〈c〉ヘスース・メンデス、〈g〉マヌエル・バレンシア
2/6(土)22時30分
[出]〈c〉ラ・マカニータ、〈g〉マヌエル・パリージャ
2/20(土)22時30分
[出]〈c〉カネラ・デ・サン・ロケ、〈g〉アントニオ・カリオン
3/6(木)22時30分
[出]〈c〉カルメン・コルパス、〈g〉ペドロ・バラガン
3/20(土)22時30分
[出]〈c〉フアン・ホセ・アマドール、〈g〉ラモン・アマドール
[場]ブルゴス プリンシパル劇場

2009年12月22日火曜日

ヘレスのフェスティバルの新ウエブ

ヘレスのフェスティバルのプログラムについては先日お話ししたばかりですが
オフィシャルウエブのデザインが一新されました。
プログラムがぐっと見やすく、つかいやすくなりました。
これでみるとクルシージョは前半の午前中のベレン・マジャとマノレーテ以外全部満員。
今年も世界中から沢山のフラメンコ・ファンが訪れるようですね。

なお、手頃なホテルがみつからないで困っている人には
ヘレスのフラメンコのサイト、ヘレスホンド
アパートを紹介するサービスを行っているとのこと。
フラメンコの町ヘレスでアパート暮らしで地元気分も悪くありません。


また同じヘレスにあるアンダルシア・フラメンコ・センターも
そのオフィシャルウエブを一新しました。
これもすっきりして見やすくなったかな。
ヘレスのフェスティバル期間中には映画上映などを行っていますし
ほかではみることのできないビデオなども多数収蔵しており
手軽にみることができます。
ぜひこちらも一度訪れてみてください

2009年12月19日土曜日

エンリケ・モレンテにオホ・クリティコ賞


スペイン国営放送ラジオの“オホ・クリティコ”特別賞の2009年度の受賞者に
先日新譜「モレンテ・フラメンコ」を発表したばかりのエンリケ・モレンテが選ばれた。

エル・オホ・クリティコは国営放送ラジオの番組で、
音楽や演劇、映画、美術、文学といった文化の情報番組。
月曜から金曜まで毎日19時からの放送。
若手の詩人やミュージシャンに贈られる各部門の賞とは別の、この特別賞は
昨年が映画監督のペドロ・アルモドバル、
一昨年がシンガーソングライターのホアキン・サビナ、
06年が詩人のパブロ・ガルシア・バエナ、
05年が建築家のサンティアゴ・カラトラバと、
スペインのカルチャーシーンを代表する人たちが受賞している。

12月17日に行われた授賞式で文化相からトロフィーを授与されたエンリケは
「この賞をもらえる日がくるとは思わなかった」

“フラメンコの伝統の知識とそのプロフェッショナル性、前衛性”がその受賞理由。
そう、伝統を知り得てこその前衛。前衛あってこそのアートなのである。

2009年12月18日金曜日

ラ・アルヘンティーナ新譜発表会


12月17日、セビージャのアルバレス・キンテーロ劇場でラ・アルヘンティーナの新譜「ラス・ミーナス・デ・エヒプト」発表が行われた。
ラ・アルヘンティーナとそのマネージャーでこのCD発売元のレコード会社をたちあげたルイスミ、CDのグラフィックデザイナーが、カナルフラメンコラジオのパコ・サンチェスの司会でおしゃべり、とラジオ番組風にはじまり、続いてミニ・リサイタル。

新譜からシングルカットされたルンバ、タイトルの素となったレトラを歌っているソレア、ブレリアと3曲を歌った。ギターにボリータとエウヘニオ・イグレシアス、パーカッションにホセ・カラスコ、パルマにはメジ兄弟、ボボーテ、テテ・ペーニャというなかなか豪華な布陣。
ロサリア・デ・トリアーナのレトラを歌ったソレア、フェルナンダやパケーラのレトラを歌ったブレリアの2曲がいい。
ロサリアは録音もほとんど残っていないセビージャ生まれのヒターナだが、トリアーナの古いスタイルだとされる、そのわずかな録音は熱心なアフィシオナードたちに珍重されている、玄人好みのカンタオーラ。彼女が歌ったソレアの歌詞
「私はエジプトの鉱山に行きたい
そこにいるといったから
かわいそうなヒターノたちが
ロバの毛を刈っているという
だからエジプトの鉱山に行きたいの」
からこのアルバムのタイトルがついたわけだが、若くて、ある程度名もなして、でも古い物を聴いて勉強して、歌っていこうというこの姿勢は素晴らしい。
ブレリアでも,フェルナンダやパケーラのレトラをそっくりさんのように真似して歌うのではなく、彼女らしく歌ったところに好感がもてた。

ここ十数年だろうか、カンテの新譜というと新曲ばかり。
さまざまな楽器をいれたコンボスタイルにコーラスも加わったにぎやかな構成も
それはそれで楽しいし、素晴らしい作品だってある。
でもそれもいつの間にか新鮮味を失ってしまいかつての輝きは今はない。
で、今何が新しいかというと古典、伝統なのである。

そう、前に行くためには後ろを見ることも必要。
過去に学び、新たな道を模索する。それがアートのあるべき姿。
フラメンコもそうなのだ。


なおこのCD評はこちらのブログにアップしました。

2009年12月17日木曜日

MIELCOLE! 水曜のフラメンコでのギターリサイタル

MIELCOLE!は水曜日mielcoresとoleをかけたタイトルの、
セビージャ大学主催のフラメンコ公演シリーズ。
2年前にはじまったこの公演は若手中心の公演で月1回の公演。
会場はセビージャの中心、ラ・カンパナのそばの
デパート、エル・コルテ・イングレスのあるドゥーケ広場にある
ドゥーケ劇場。
セビージャで最も古い劇場のひとつだそうだが、長年放置されていたのを最近直したもの。
収容人数140人の小劇場はアットホームな雰囲気でフラメンコにぴったり。

この日はフアン・カンパージョとペドロ・サンチェス、若手ギタリスト二人の公演。
フアン・カンパージョはラファエルやアデラのカンパージョ兄弟の末っ子。
ラファエルらの伴奏や野村眞里子さんの招きで何度も日本に行っている。
2006年にはラ・ウニオンのコンクールで優勝している実力派。
まずはグラナイーナ、そしてロンデーニャとリブレの曲をふたつ。
彼は83年生まれと若いにも関わらず古いものをよく聴いていて
昔ながらのファルセータが超テクとともにでてくるのが面白い。
伝統的なものは曲に重みを与えますね。
また若いギタリストによくあるような、音の詰め込み過ぎがないのも好印象。
オレ!
と声をかける間合いがあるギターであります。
続くアレグリアスでは踊り手チョロと歌い手ハビエル・リベラ、パーカッションのアントニオ・モンティエルも舞台に上がりコンパスでサポート。
舞踊伴奏で鍛えられているだけに、切れのいい、きちんとした演奏。
最後は華やかで粋なブレリアで盛り上げる。

続くペドロ・サンチェスは歌い手ナランヒート・デ・トリアーナの息子。
彼もリブレからはじめ、ソレア、ブレリア。
曲の構成がちょっと冗長でありますが、古いアイレでたっぷり聴かせてくれました。
彼は若手、といってももう30代でありますが。

次回のミエルコレは1月20日、
今年のラ・ウニオンのコンクールで優勝した舞踊家アナ・モラーレスが登場
これもまた楽しみです。



2009年12月15日火曜日

フラメンコ・フェスティバル・ロンドン

先日ご紹介したニューヨークのフラメンコ・フェスティバル
そのロンドン版も同じ時期、2月12日から27日まで開催されます。
こちらの公演予定は以下の通りです。

2月13日(土)〜15(月)14時30分、19時30分(月曜は19時30分のみ)「カンビオ・デ・テルシオ」
[出]〈b〉ヌエボ・バレエ・エスパニョール
2月17日(水)〜19(金)19時30分「ジュビア」
[出]〈b〉エバ・ジェルバブエナ舞踊団
2月20日(土)14時30分、19時30分、21日(日)19時30分
[出]〈b〉ラファエラ・カラスコ舞踊団
2月22日(月)〜25日(木)19時30分「セルフポートレート」
[出]〈b〉マリア・パヘス舞踊団
2月26日(金)、27日(土)19時30分「トド・カンビア」
[出]〈b〉パストーラ・ガルバン、マヌエル・リニャン、ベレン・ロペス、ロシオ・モリーナ
[場]ロンドン サッドラーウエルズ劇場
[問]http://www.flamencofestival.org

2009年12月13日日曜日

第10回ニューヨーク・フラメンコ・フェスティバル

今年も2月11日から21日までニューヨーク・フラメンコ・フェスティバルが開催されます。

2月11日(木)「トド・カンビア」
[出]〈b〉パストーラ・ガルバン、ベレン・ロペス、ロシオ・モリーナ、マヌエル・リニャン
2月12日(金)「オロ・ビエホ」
[出]〈b〉ロシオ・モリーナ舞踊団
2月13日(土)、14日(日)「セルフポートレート」
[出]〈b〉マリア・パヘス舞踊団
[場]シティセンター
2月19日(金)「コルドバ。エン・エル・ティエンポ」
[出]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス
[場]スキルボール劇場
2月20日(土)
[出]〈c〉マリナ・エレディア+オルケスタ・チェカラ・アンダルシ・デ・テトゥアン
[場]タウンホール
2月21日(日)「ラ・エダ・デ・オロ」
[出]〈b〉イスラエル・ガルバン
[場]スキルボール劇場

2009年12月12日土曜日

第14回バレンシア・フラメンコ祭

フラメンコはスペインを代表するアート。
先日は北スペイン、ビルバオでのフラメンコ祭をご紹介しましたが
今度はスペイン第3の都市、バレンシアでのフラメンコ祭。
バレンシアのオペラハウス、パラウ・デ・ラ・ムシカで1月末から2月にかけて
4つのリサイタルが行われます。
プログラムは

1月30日(土)21時 〈c〉ディエゴ・エル・シガーラ [料]24〜32ユーロ
1月31日(日)19時30分 “バレンシア・フラメンコの夜”「エレンシア・フラメンカ」〈b〉エステル・ガルセス、「ジェケ」〈ピアノ〉イスラエル・アマドール[料]15〜20ユーロ
2月14日(日)21時 〈c〉ブイカ[料]23〜32ユーロ
2月19日(金)21時 「コプラ・デル・ケレール」〈c〉ミゲル・ポベーダ[料]27〜36ユーロ

と、人気スターを集めています。
入場券購入はこちらから。

2009年12月11日金曜日

アントニオ・マイレーナへのオマージュ/マエストランサ劇場

アントニオ・マイレーナへのオマージュ
「アル・ソン・デ・スース・レクエルドス」(その思い出のリズムで)
いやーいい公演でした!

フラメンコの歴史に偉大な足跡を残したアントニオ・マイレーナ。
あちこちの村に埋もれていた古いカンテを追いかけ
自らの才能と個性をも加え復興させ、
カンテにひとつの流れをつくったマイレーナ。
1983年9月5日、誕生日の二日前に亡くなった彼は1909年生まれで今年は生誕百周年。
ということでCDブックが発売されるなど、それを記念する催しが数多く開催されたが
そのフィナーレを飾る、とでもいうべき公演。

アントニオの録音に続き
「フィエスタをしようとマヌエル・トーレの家に行ったら彼は病の床にいた。『俺は死ぬ。マイレーナのタベルナにる、ニーニョ・デ・ラファエルを探しなさい。(歌は)彼がいい』というトーレの言葉に従って探しにいった」
という、ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボの言葉ではじまった作品は
セグンド・ファルコンとアルカンヘルの歌、
マイレーナの伴奏もしたエンリケ・メルチョールと、ミゲル・オチャンド、ミゲル・アンヘル・コルテスのギター、
ハビエル・バロン、ラ・モネータ、ラウラ・ロサレンの踊り、
ディエゴ・アマドールのピアノと歌で、
アントニオが生きた時代を、その生涯を振り返っていくというもの。

ラウラがマカローナら市民戦争前に活躍した踊り手たちやマイレーナと親交のあったマティルデ・コラルを思わせる、女性らしい優美なブラソをみせれば
モネータはマイレーナがかつて歌った「マリア・デ・ラ・オ」でカルメン・アマジャを踊り
ハビエルはやはりマイレーナがかつてそのために歌ったグラン・アントニオを彷彿とさせる。
ディエゴのシギリージャの弾き語りの深さとティエントのはじめに弾いたサンブラの美しさ。
オチャンドがラモン・モントージャのロンデーニャで、劇場をマイレーナの時代の雰囲気に
染めれば
エンリケも長年、マイレーナの伴奏をつとめた父メルチョール・デ・マルチェーナ譲りのトーケで華を添える。
セグンドとアルカンヘルの朗唱は、マイレーナを歌いつつもマイレーナの真似ではないところが、彼への敬愛そのものだ。

「フィエスタの最中に、マヌエル・トーレの死の知らせが届いた。それからはただ飲んで亡くだけだった」
との言葉で終わった作品。
全てのアルティスタの、アントニオ・マイレーナへの愛と敬意が感じられる。
だからだろう、劇場を後にする観客が皆、微笑んでいたのは。

ヘレスのサンボンバ

サンボンバは素焼きの底の抜けたつぼの片一方に太鼓の皮をはり
その真ん中に棒を通し、その棒を上下して摩擦音を出す楽器。
クリスマスにつきもので、スペインのクリスマス市でよく売られてます。

でもヘレスでサンボンバ、というと、この楽器のことだけでなく
この楽器で伴奏してクリスマス・ソング、ビジャンシーコを歌う集い/宴のこともさします。
カルロス・サウラ監督の映画「フラメンコ」でマカニータが歌っていたあのシーン、
あれがサンボンバです。
で,今はサンボンバシーズンまっただなか。
というわけでヘレス市のウエブにはいつ、どこで、誰によるサンボンバが開催される
というガイドがアップされています。(下のdescargarをクリックするとダウンロードできます)
フラメンコのペーニャから教会の信者組合、ご近所同士でするもの、レストランやスポーツ倶楽部主催のものなど多種多彩。
この時期にヘレスを訪れることがあったらぜひ訪れてみてください。

なお、ヘレスには独特の、ビジャンシーコがたくさん。
フラメンコなものもいっぱいありますよん

2009年12月10日木曜日

ビルバオ・フラメンコ祭

スペインは地方ごとに多様な文化を持つ国。
フラメンコは南スペイン、アンダルシア生まれだから
セビージャやカディスといったアンダルシアでは“おらが文化”と誇っている。
マドリードやバルセロナなどの大都会でも昔から親しまれ、タブラオのような
フラメンコの店がいくつもある。
カナリア諸島やバレアレスといった、観光地も同様だ。

が、北スペインとなると。。。。。
ビルバオは独自の文化を誇るバスク地方一の大都市。
でもここにもタブラオこそないけれど、フラメンコを愛する人たちがいるのだ。

で、この金曜日、12月11日にはビルバオ・フラメンコ祭が開催。
出演はカネラ・デ・サン・ロケにアントニオ・カリオンの伴奏。
そしてメキシコのグアダラハラ出身のバイラオーラ、カレン・ルビオという面々。
カレンは今年のヘレスのフェスティバルに出演予定。
会場は ソシエダ・フィルアルモニカ・デ・ビルバオ。

このほかにもビルバオでは銀行主催のコンサート/講演があったり、ペーニャもあったり。
そう、ヘレスの若手を集めたCD「ヌエバ・フロンテーラ・デ・カンテ」も、「ムヘレス」もビルバオの銀行の後押しでできたもの。
スペインを代表する、スペインが誇る文化、フラメンコを愛しサポートしていく彼らの姿勢にシャポー、です。

2009年12月8日火曜日

マドリード クラモーレスでのフラメンコ・リサイタル

フラメンコはアンダルシア生まれ。
でも早い時期からマドリードでも親しまれてきたのでマドリード育ちの部分もあるわけで。
マドリードをフラメンコの首都、と断言はできないけど、
マドリードで育ったフラメンコは沢山。
今も、一時に比べると少なくなったとはいうものの、公演数はセビージャに負けずに多い。

1981年にオープンしたライブハウス、クラモーレス
地下鉄ビルバオ駅そばのこの店でもかなり前から不定期ながら
フラメンコの公演が行われている。
ジャズ、ブルース、ボサノバ、ラップ、シンガーソングライター…
ありとあらゆる音楽が舞台にあがるこの店ならでは、か。

12月18日金曜日にはヘレスの若手カンタオール、パケーラのファミリーである
ヘスース・メンデス(伴奏マヌエル・バレンシア)が、
12月19日土曜日にはやはりヘレスの、人気カンタオール、カプージョ(伴奏ホセ・イグナシオ・フランコ)が登場。
入場料は18日が15ユーロ、19日が20ユーロ。


12月27日には,チャノ・ドミンゲスのグループ等で活躍したウッドベース弾き、ハビエル・コリーナのトリオがギタリスト、エル・ボラと共演する公演も。

クリスマスで浮かれた気分の町に繰り出してフラメンコに酔うのも悪くない。

2009年12月7日月曜日

ダビ・ラゴス 新譜発表ミニ・コンサート


FNACという、 フランス発のCD、書籍を扱う大型店のチェーンがありまして、
そのセビージャ店で、土曜日20時から
ダビ・ラゴスの新譜「エル・エスペホ・エン・ケ・メ・ミロ」(僕を観る鏡)
発売記念のミニ・コンサートが開催されました。

ダビ・ラゴスは毎年来日してそのすばらしいのどをきかせている、
フラメンコのふるさと、ヘレス出身の歌い手。
今年も、つい先だって、森田志保さんと石井智子さんの公演に出演していましたね。

会場はお店の3階、クラシックのCD売り場の隣にあるちょっとしたサロン。
予定時刻の少し前には待つ人の列も。
待つうちにイスラエル・ガルバン一家も顔をみせ、
そしてダビと兄のアルフレド、ダビの奥さんでやはり歌い手のメルチョーラ・オルテガらが
やってきました。

ショップの中ということで劇場やペーニャでのリサイタルとはちょっとちがい、
電気も消えなければ、後ろの方がさわがしくどこか落ち着きません。

最初はトナ。CDの最後の曲です。
深い響きと、甘い含みをもった声でのトナは古い曲とされますが、
彼のはどこか新しさを感じさせるのが個性的。
最後はギターが入り、シギリージャのスタイルで終わるのも珍しいですが、
これもなかなか。
兄アルフレドの、勘所を押さえたギターも最高です。

続いてアレグリアス。
これは亡くなったチャノ・ロバートに捧げた曲です。
長年、グラン・アントニオやマティルデ・コラルなどへの舞踊伴唱を続け、
晩年、その実力が評価されソロで活躍した彼に思う所があるのでしょう。
カマロン、ペルラ、ペリコン、アウレリオらカディスの歌い手たちの名を
おりこんだオリジナルのレトラもいいし、 パワフルな歌いっぷりもさすが。

最後はブレリア。これはパケーラに捧げられたものでタイトルも「ブレリアの女王」。
パワフルだし、スピード感、ドライブ感たっぷりで、いやあさすがヘレスです。

CDもダビのフラメンコへの真摯な気持ちと愛がたっぷりつまったすてきな1枚です。
ぜひ1枚!
ちなみにCDレビューはこちらのブログに書いてます


2009年12月5日土曜日

第16回ホルナダス・フラメンカスEN LEGANES

マドリード郊外のレガネスで毎年開催されている「ホルナダス・フラメンカス」が今年も
12月14日から20日まで開催されます。

今年のプログラムは
12月14日(月)〈c〉ヘスス・コルバチョ、〈g〉オスカル・ラゴス
12月15日(火)〈c〉マリア・ホセ・ペレス、〈g〉ミゲル・オチャンド
12月16日(水)〜18日(金)コンクール“シージャ・デ・オロ”
12月19日(金)コンクール決勝+〈b〉アントニオ・レジェス、プラド・ヒメネス
12月20日(土)〈c〉ヘスス・メンデス、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈b〉ラウラ・ゴンサレス、マルコ・フローレス、〈c〉エンカルナ・アニージョ、ホセ・アニージョ、〈g〉パコ・クルス

と若手中心。詳しくはオフィシャルウエブで。

2009年12月4日金曜日

ローラ・グレコにプレミオ・ナショナル!

今年度のプレミオ・ナショナル・デ・ダンサ、舞踊国家賞にローラ・グレコが決定!。

個人的にも大好きな踊り手なので本当にうれしいです。
フラメンコもスペイン舞踊も見事に踊りこなす、踊るために生まれて来たようなローラ。
とにかく姿が、動きが美しい。
すっと伸ばしたその腕のかたちは完璧。
高く上げた足の先まで神経がいきとどいていて、
ひとつひとつの動きに、こちらの気持ちも一緒に動いてしまうような
センティミエント、心の、感情の入った、素晴らしくも美しい舞い。
「メデア」の激情から深窓の令嬢のような可憐さまで
すべてを演じきる得難い舞踊家。

ローラは、スペイン舞踊家ホセ・グレコを父に、ローラ・デ・ロンダを母に1964年、マドリードに生まれた。姉カルメラ、兄ホセ、ともにフラメンコ舞踊家という舞踊一家。
14歳のときからスペイン国立バレエ団学校に学び、17歳で同バレエ団ソリストに。
ラファエル・アギラール振付けの「ランゴ」(ベルナルダ・アルバの家)の末妹役や、グランアントニオ振付けの「恋は魔術師」のカンデーラ役を踊った。その2年後にはプリマとなり、「ロス・タラントス」の主役をも踊ったが、退団。ラファエル・アギラール舞踊団や、父ホセ・グレコの舞踊団などで活躍後、スペイン国立バレエ団にゲストプリマとして復帰。
「メデア」「ラ・ヒタニージャ」「グアダルキビール物語」などの主役をつとめた。
退団後は、ラファエル・アマルゴ、アントニオ・エル・ピパらの公演にゲスト出演したり
アントニオ・カナーレスとの「カルメン・カルメラ」などに出演していましたが、
今年はハビエル・ラトーレ演出の「フェードラ」でタイトルロールを踊っています。

日本との縁も深く、国立バレエ団でのたびかさなる来日の後も、
2000年、2001年と小松原庸子の招きで来日。
また2002年11月には兄ホセ、姉カルメラとともに自らの舞踊団を率いて全国公演。
2005年には愛知万博に関連した、スペインバレエガラ東京公演で、アンヘル・コレーラ、ジョセ・マルティネス、イゴール・イェブラらと競演。
2008年にはピアニストのロサ・トーレス・パルドとアルベニスを踊っている。

おめでとう、ローラ!!!

2009年12月2日水曜日

エンリケ・モレンテ新譜「モレンテ・フラメンコ」

エンリケ・モレンテの最新盤「モレンテ・フラメンコ」
絶対おすすめ! モレンテの最高傑作です!
初めてのライブ盤。
といってもひとつのコンサートをそのままCDにしたわけではなく
十数年に渡るコンサートの録音から選びに選んだ9曲だけに
その素晴らしさは特筆もの。
それにくわえてスタジオ録音のナナが最初と最後を飾る。


伴奏はフアン・アビチュエラとペペ・アビチュエラ、ラファエル・リケーニ、ダビ・セレドゥエラら。
アビチュエラの落ち着いた伴奏もいいし、セレドゥエラのパコ・デ・ルシアより早い超速ファルセータもすごいが、天才リケーニの鳥肌たつような演奏も必聴。


オープニングのナナだけはスタジオ録音の新曲。
愛娘ソレアのやさしいボーカルではじまる。
ソレアの声は姉エストレージャをもっとやわらかくやさしくした感じだ。
ブレリアのリズムにのって聖週間の行進曲アマルグーラのメロディで
「おかあさんはみんな 悲しく、苦しい」
とはじまるこの曲は、戦争でこどもを失った母親たちと母を失ったこどもたちへの
やさしく強いフラメンコな反戦歌。心にしみてくる。

詳しくは私のCDブログの方に書きましたが

エンリケ・モレンテ大好き〜という人はもちろん
ギタリストにも,ギターファンにも
モレンテってモデルノ過ぎて嫌い〜と言う人にも
フラメンコをまっこうから歌い上げているこのアルバムは絶対おすすめ。

エンリケはフラメンコの根っこをきちんとおさえているからこそ
冒険もできるってこと。
これって本当に大事なこと。
ピカソのような絵でもフラメンコでも一緒。
まずは基本。愛して自分の表現をみつける。
これって何にでもいえることかもしれないね。

2009年12月1日火曜日

ヘレスのフェスティバルのプログラム発表!


ヘレスのフェスティバルのプログラムが発表になりました!
今年も盛りだくさんのプログラムです。
紫字は志風が個人的に特に期待の公演。
あー楽しみ!
前売は12月5日から。こちらで購入可能です。



◆第13回ヘレス・フェスティバル
2/26(金)21時「ポエマ・デ・カンテ・ホンド・エン・エル・カフェ・デ・チニータス」
[出]〈b〉アンダルシア・フラメンコ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
2/27(金)19時「パ・ミス・アデントロス」
[出]〈b〉ラ・トゥルコ
[場]サラ・コンパニア
2/27(土)21時「アル・コンパス・デル・ビエント」
[出]〈b〉マリア・ホセ・フランコ・フラメンコ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
2/27(土)24時
[出]〈c〉フェルナンド・テレモート、〈g〉モライート
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
2/28(日)19時「ミランド・アトラス」
[出]〈b〉マリア・カネア、カルメン・エレーラ
[場]サラ・コンパニア
2/28(日)21時「フェードラ」
[出]〈b〉ローラ・グレコ、アマドール・ロハス、アレハンドロ・グラナドス、カルメリージャ・モントージャ
[場]ビジャマルタ劇場
2/28(日)24時「ガディタニア」
[出]〈c〉マリアナ・コルネホ、ダビ・パロマール
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
3/1(月)19時
[出]〈c〉ヘスース・メンデス
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/1(月)21時「ファルキート・エッセンシアル」
[出]〈b〉ファルキート
[場]ビジャマルタ劇場
3/1(月)24時
[出]〈c、g〉ディエゴ・カラスコ、〈c〉レメディオス・アマジャ(ゲスト)
[場]サラ・パウル
3/2(火)19時
[出]〈g〉ラモン・トルヒージョ、〈c〉ニーニョ・デ・ラ・フラグア
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/2(火)21時「チクラナ・ジプシー・プロジェクト」
[出]〈b〉マリア・ベルムデス、〈c〉カプージョ・デ・ヘレス(ゲスト)
[場]サラ・パウル
3/3(水)19時
[出]〈c〉ダビ・ラゴス
[場]パラシオ・ビジャビセンシオ
3/3(水)21時「ラ・パシオン・セグン・セ・ミレ」
[出]〈b〉アンドレス・マリン、コンチャ・バルガス(ゲスト),〈c〉ローレ・モントージャ、ホセ・デ・ラ・トマサ(ゲスト)
[場]ビジャマルタ劇場
3/3(水)24時「デ・サンダリータ・ア・タコン」
[出]〈b〉アナ・モラーレス、ルベン・オルモ(ゲスト)、〈c〉エンカルナ・アニージョ、アントニオ・カンポス(ゲスト)
[場]サラ・コンパニア
3/4(木)19時
[出]〈b〉カレン・ルゴ、サライ・ガルシア
[場]サラ・コンパニア
3/4(木)21時「セレナータ・アンダルーサ」
[出]〈b〉アントニオ・カナーレス、レオノール・レアル、〈ピアノ〉ミエ・マツムラ、〈c〉ホセ・バレンシア
3/4(木)24時「ミストロボ」
[出]〈g〉フアン・ディエゴ、ホルヘ・ゴメスほか
[場]サラ・パウル
3/5(金)19時「ハビエル・ラトーレ振り付けアトリエのフィナーレ」
[出]〈b〉生徒たち
[場]サラ・パウル
3/5(金)21時「バモス・アル・ティロテオ、ベルシオネス・デ・ウン・ティエンポ・パサード」
[出]〈b〉ラファエラ・カラスコ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
3/5(金)24時「プリモス・イ・エルマノス」
[出]〈c〉イネス・バカン、ペドロ・ペーニャ〈g〉ペドロ・マリア・ペーニャ、〈b〉ディエゴ・デ・ラ・マルガラほか(ゲスト)
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
3/6(土)21時「キエロ・トゥ・カンテ」
[出]〈b〉マリア・デル・マル・モレーノ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
3/6(土)24時「ムヘレス」
[出]〈c〉フアナ・ラ・デル・ピパ、ドローレス・アグヘータ、ラ・マカニータ
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
3/7(日)19時「メモリア・アンティグア」
[出]〈b〉パトリシア・イバニェス、アベル・アラナ
[場]サラ・コンパニア
3/7(日)21時「レジェンダ・ペルソナル」
[出]〈b〉ホアキン・グリロ、〈ピアノ〉ドランテス(ゲスト)
[場]ビジャマルタ劇場
3/7(日)24時「アシグナトゥラ・ペンディエンテ」
[出]ソニケテ
[場]サラ・パウル
3/8(月)19時
[出]〈c〉エル・ロンドロ
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/8(月)21時「バイレス・アレグレす・パラ・ペルソナス・トゥリステス」
[出]〈b〉ベレン・マジャ舞踊団、オルガ・ペリセ(ゲスト)
[場]ビジャマルタ劇場
3/9(火)19時
[出]〈g〉マヌエル・バレンシア、〈c〉キナ・メンデス
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/9(火)21時
[出]〈b〉ラ・ファルーカ
[場]サラ・パウル
3/9(火)24時
[出]〈b〉ベレン・ロペス
[場]サラ・コンパニア
3/10(水)19時
[出]〈c〉ルイス・エル・サンボ
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/10(水)21時「イストリア・デ・ウン・ソルダード」
[出]〈b〉フェルナンド・ロメーロ舞踊団、マノロ・マリン、イサベル・バジョン(ゲスト)
[場]ビジャマルタ劇場
3/10(水)24時「ポル・ロス・クアトロ・コスタオス」
[出]〈b〉アドリアン・サンチェス
[場]サラ・コンパニア
3/11(木)21時「ソナタ」
[出]〈b〉ラファエル・エステベス、ナニ・パーニョス、ドスポルメディオ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
3/11(木)24時
[出]〈c〉アントニオ・レジェス、ランカピーノ
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
3/12(金)19時
[出]〈b〉ペペ・トーレス、アルムデナ・セラーノ
[場]サラ・コンパニア
3/12(金)21時「プエンテ・デ・トリアーナ」
[出]〈b〉ラファエル。カンパージョ舞踊団,アデラ・カンパージョ(ゲスト)
[場]ビジャマルタ劇場
3/12(金)24時
[出]ロス・デリンクエンテス、トマシート
[場]サラ・パウル
3/13(土)19時「ハビエル・ラトーレ振り付けアトリエのフィナーレ」
[出]〈b〉生徒たち
[場]サラ・パウル
3/13(土)21時「レエンクエントロ」
[出]〈b〉フェルナンド・ベルモンテ、ホアキン・グリロほか
[場]ビジャマルタ劇場
3/13(土)24時
[出]〈c〉フェルナンド・デ・ラ・モレーナ、エル・トルタ
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
[問]http://wwwwww.villamarta.com・http://wwwwww.festivaldejerez.es

2009年11月30日月曜日

ホセ・ルイス・ロドリゲスのクルシージョen セビージャ

ウエルバ出身のギタリスト、ホセ・ルイス・ロドリゲスの集中クラスが
12月12日11時から14時と16時から19時、
12月13日11時から14時まで
セビージャで開催されます。
受講料は150ユーロ。聴講だけなら40ユーロ。
プロのフラメンコギタリストはもちろん、練習生だけでなく
ほかの音楽をやっている人も歓迎とのこと。

申し込み,問い合わせは 
 jlclaribel@yahoo.es
まで

2009年11月29日日曜日

クリスティーナ・オヨス「フラメンコ舞踊博物館売ります」

クリスティーナ・オヨスがセビージャに開いたフラメンコ舞踊博物館。
この建物が売りに出された
ビデオ付きのこの広告によると
セビージャの中心地区、カテドラルまで5分という地の利のいいところにある
18世紀に建てられたお屋敷だが、博物館(2006年開館)をつくるにあたって
完全に改築されている。
地下1階、地上3階。真ん中のパティオには必要に応じてせりあがってくる舞台もある。
現在は1階には舞踊スタジオ、2階が博物館、3階はオフィスと展覧会会場となっており、
総面積1713平米で気になるお値段は約599万7千ユーロ、およそ7億7680万円。
経営がうまくいかずでの決断らしいが、
セビージャ市やアンダルシア州の助成金を受けており、批判が集中している。

2009年11月28日土曜日

カハソル175周年記念フラメンコ・コンサート

先日お知らせしたカハソル175周年記念フラメンココンサートに行ってきました。
豪華な顔ぶれですが、招待客がほとんどだったこともあってダフ屋がでる盛況。


幕開けのアルカンヘル、マルティネーテがすばらしかった。
彼の声はフラメンコ歌いにはめずらしい、いわゆる美声であって、
フラメンコ独特のしゃがれ声とは正反対。
若いに似合わず研究家肌で古いカンテに学び新しい感覚を加えていく。
彼の、こう歌おうという姿勢がぴんぴんに感じられる。
そしてその方向にこっちの魂ももっていかれていく感じだ。
続くカーニャもソレア・アポラーにつなげて終わる。
うんうん、カンテと真っ正面から勝負している感じだ。
タンゴへ。すごい集中力を感じると同時に、伸びやかでゆったりとしている。
アレグリアスはオーソドックスなものから新しい歌詞のもの、
ミラブラやカンティーニャ、アレグリアス・デ・コルドバまで幅広く網羅し、
最後のファンダンゴではいつもながらに大向こうをうならせた。
ひとつの音にたくさんのものが集約されているというのだろうか
強く激しく、心に響く。目が離せない、


続いて登場はベテラン、パンセキート。
全く衰えを感じさせない、ふくらみのある響きのある声で歌い上げるアレグリアス。
深みのあるソレア。タランタ。が、ブレリアで昔のアルバムで歌っているレトラを歌ったときには鳥肌がたった。ブレリアの名手、モライートの伴奏で聴くのはひさしぶりだがいい感じ。


最後をしめたのはイスラエル・ガルバン。
フアン・ホセ・アマドールとダビ・ラゴスのカンテとペドロ・シエラの超絶ギターを踊る。
ギターのように歌を伴奏するかと思えば、ギターを聴く心の響きをそのまま表すようにリズムをとる。
いや、やっぱりイスラはすごい。一段と磨きがかかった感じ。動きがさえわたっている。
ついついオレ!がもれてしまう。あの間合い。なにか武術にも通じるような感じだ。


いいものばかりみっつもみた夜は、いいフラメンコをみた夜がいつもそうであるようになぜかお腹いっぱいで
杯ばかりを重ねるのでした。

2009年11月26日木曜日

フランス、ニームのフラメンコ祭


来年で20周年を迎えるニームのフラメンコ・フェスティバル。
そのプログラムの発表が今日、25日、セビージャのアンダルシア・フラメンコ振興公社において行われました。

ニームはフランスの南西部にある街。ローマ時代の遺跡が豊富な歴史の街です。
闘牛もさかんで、スペインでもなだたる闘牛士たちがやってきます。
闘牛とくればフラメンコ、というわけでもないでしょうが、この街のフラメンコ祭はフランス各地で行われるフェスティバルの中でもモン・デ・マルサンに並んで大きな規模。
通常は1月後半ですが、20周年記念の今年は7日から23日といつもより長い期間行われます。

プログラムは以下の通りです。
1/9(土)18時30分「コン・パサポルテ・フラメンコ」
[出]〈b〉シルビア・マリン エル・フラメンコ・ビーべ舞踊団
[場]ニーム 劇場
1/12(火)20時
[出]〈c〉マイテ・マルティン、伴奏〈g〉フアン・ラモン・カロ
[場]ニーム 劇場
1/13(水)20時
[出]〈c〉エル・カブレーロ、伴奏〈g〉ラファエル・ロドリゲス
[場]ニーム 劇場
1/14(木)20時
[出]〈c〉ラファエル・デ・ウトレーラ、伴奏〈g〉ダニ・メンデス、〈b〉マリア・ホセ・フランコ
[場]ニーム 劇場
1/15(金)20時「ドス・ボセス.パラ・ウン・バイレ」
[出]〈b〉ハビエル・バロン、伴奏〈c〉ホセ・バレンシア、ミゲル・オルテガ、〈g〉ハビエル・パティノ、リカルド・リベラ
[場]ニーム 劇場
1/15(金)22時30分「ティエラ・フラメンカ1」
[出]
[場]ニーム オデオン
1/16(土)17時30分
[出]〈g〉ハビエル・コンデ
[場]ニーム Cour d·Appel

1/15(土)20時「ティエラ・フラメンカ1」
[出]
[場]ニーム オデオン
1/17(日)15時「ロマンセーロ・ヒターノ・レデュー』
[出]〈c〉ペペ・リナーレス、〈朗読〉アンリ・ル・ニ、〈g〉アントニオ・コルテス
[場]ニーム Cour d·Appel
1/17(日)18時「エル・フィナル・デ・エステ・エスタード・デ・コーサス、レデュー」
[出]〈b〉イスラエル・ガルバン
[場]ニーム 劇場
1/19(火)20時「エル・シエロ・デ・トゥ・ボカ』
[出]〈b〉アンドレス・マリン
[場]ニーム 劇場
1/20(水)20時「シン・フロンテーラ」
[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ、伴奏〈g〉チクエロ、ゲスト〈c〉ルイス・サンボ、〈g〉モライート、〈b〉ホアキン・グリロ
[場]ニーム 劇場
1/21(木)20時「パストーラ」
[出]〈b〉パストーラ・ガルバン、伴奏〈c〉ダビ・ラゴス、ホセ・バレンシア、〈g〉ラモン・アマドール、〈コンパス〉ボボーテ
[場]ニーム 劇場
1/22(金)20時「ティエンポ・デ・ディアボロ」
[出]〈c、g〉 ディエゴ・カラスコ

[場]ニーム 劇場
1/22(金)22時30分
[出]〈c〉イネス・バカン、伴奏〈g〉アントニオ・モジャ、〈c〉エル・ルビオ・プルナ、トマス・デ・ペラーテ、マヌエル・タニェ、伴奏〈g〉エウへニオ・イグレシアス、アントニオ・モジャ[場]ニーム オデオン
1/23(土)17時30分
[出]〈c〉アントニオ・カンポス、伴奏〈g〉ダニ・メンデス
[場]ニーム Cour d·Appel
1/23(土)20時「オロ・ビエホ」
[出]〈b〉ロシオ・モリーナ
[場]ニーム 劇場
1/23(土)22時30分「ア・シンコ・ボセス」
[出]〈c〉マリ・ビサラガ、ファビオラ・レデスマ、エルミニア・ボルハ、ラ・タナ.マリ・ペーニャ、〈b〉カルメン・レデスマ、〈g〉アントニオ・モジャ、ダニ・メンデス
[場]ニーム オデオン
[問]www.theatredenimes.com

 このほかにも講演、座談会、バイレのクラス(ハビエル・バロン、ホセ・ガルバン)、ビデオ上映などいろいろな催しが予定されているそうです。

あ、初日のシルビア・マリン舞踊団にはマドリード在住の日本人バイラオーラ、おおはしゆみさんが参加しています。

2009年11月25日水曜日

マリキージャのクルシージクルシージョ

2月、カーニバルの時期に、グラナダのマリキージャのスタジオでクルシージョが開かれます。
2月19日から26日までで
中級は10時30分から12時まで「アレグリアス、カスタネットのテクニック」
上級は12時15分から13時45分まで「ソレア・ポル・ブレリアとバタ・デ・コーラのテクニック」
プロクラスは17時から19時まで「カラコーレス、タラント、アルボレア」
カホンのクラスも19時から20時まであるそうです

指導はマリキージャとその愛娘タティアナ・ガリード。
マリキージャといえばかつてジェルバブエナやモネータ、ロシオ・モリーナも習ったというグラナダを代表する舞踊家。

2009年11月24日火曜日

フラメンコを世界遺産に


フラメンコを世界遺産に!
という動きについてはパセオ本誌の方で、
何度かお知らせしたかと思うのですが、
昨日、セビージャの旧万博会場内にある
カルトゥハ修道院の元礼拝堂において、
アンヘレス・ゴンサレス・シンデ文化相、
ロサ・トーレス(アンダルシア州文化相)、レオノール・フローレス(エストレマドゥーラ州文化相)、ペドロ・クルス(ムルシア州文化相)と3つの共同体の文化担当大臣が顔を揃え、フラメンコをユネスコ認定の世界遺産へ、という動きを推進していくことを確認しました。

 会場にはアンダルシア・フラメンコ振興公社の評議員たちやプレス関係者、マネージャー、ビエナル監督やラ・ウニオン市長、フォスフォリート、マノロ・サンルーカル、エバ・ジェルバブエナ、イスラエル・ガルバン、ハビエル・バロン、マリアーナ・コルネホ、カルメン・ハラ、エスペランサ・フェルナンデス、ニーニョ・デ・プーラ、アントニオ・エル・ピパ、エル・フンコ、アルヘンティーナらアルティスタたちも顔をみせ、はなやかな雰囲気。(下の写真には写っていない人もいますが)





なんとか、フラメンコを世界遺産に!という気持ちは皆同じかな。

しかし、あんなにたくさんの公用車みたのはフラメンコ関係の催しではじめてかもしれません。。。

2009年11月22日日曜日

コンパス・デル・カンテ賞授賞式

エバ・ジェルバブエナにコンンパス・デル・カンテ賞が授賞されるというニュース
すでにお伝えしましたが、
授賞式、来年ではなく今年でありました。すんません。

招ばれてでかけていったのは五つ星ホテル アルフォンソXIII。
映画「アラビアのロレンス」煮も登場したムデハル調の美しい建物。
そのパティオでアペリティフがふるまわれます。
ビール会社主催なだけに大量のビールそしてワインやシェリー酒など。
今年審査員をつとめたミラグロス・メンヒバルや
ディアリオ・デ・セビージャ紙のフアン・ベルヒージョ。
前回の審査員だったドミンゴ・ゴンサレス ビエナル監督
エバのカンパニーで長らく活躍したセグンド・ファルコンとファリ夫妻
カルメン・アマジャの舞踊団で初舞台をふんだルイサ・トリアーナ、
ABC紙の舞踊評論家マルタ・カラスコ、カナルスール局のマヌエル・クラオとパコ・サンチェス。。。
エバを長年支え得て来た旦那様、パコ・ハラーナや愛娘ら家族、マネージャーの姿も。
うずらのサラダとたらのキノコソースという食事のあと授賞式。


フラメンコの功労者におくられるこの賞、これまでの受賞者はすべて50歳以上のベテラン・アーティストたち。エバのような第一線で活躍する中堅アーティストの授賞ははじめてです。
エバは思いあまって涙ぐみ。。。

これまでにアンダルシア州メダルや、舞踊国家賞、マックス賞など多数の賞を受賞している彼女ですが、この賞にはまた特別な思いがあったのでしょう。

でも、続いてはじまったフィエスタではヘレスのコンパスにのって見事なブレリアを披露してくれました。

ENHORABUENA, EVA!


2009年11月20日金曜日

マラガ、ピカソ美術館でフラメンコ

フラメンコはアートである。
フラメンコが誕生し、形作られていった時代はまた前衛芸術のそれと重なりあい、
ピカソやダリがフラメンコを愛し、またそれに関わっていた。

ピカソはディアギレフがプロデュースしたバレエ・リュスの「三角帽子」や「クアドロ・フラメンコ」の舞台美術や衣装をてがけ、ダリも「三角帽子」や「カフェ・デ・チニータス」の美術をてがけているのだ。

昨年、マドリードのソフィア王妃美術館,パリで開催された「ノーチェ・エスパニョーラ」は、現代美術家であり、イスラエル・ガルバンのブレーンでもあるペドロ・G・ロメーロが
企画した、フラメンコに関する美術展であり、そこではフラメンコと前衛芸術の関わりがあきらかだった。

この流れを受けて、マラガのピカソ美術館でもフラメンコの11月27日から来年4月23日までフラメンコの公演が行われる。

11月27日は,セビージャのクリスティーナ・ヘーレン財団フラメンコ芸術学校校長のフェルナンド岩崎の講演とカリスト・サンチェスのカンテ(伴奏マノロ・フランコ)。
12月18日は、詩人でセビージャ大学教授エンリケ・バルタナースの講演とリディア・モンテーロのカンテ。
2月12日はABC紙の舞踊批評家、マルタ・カラスコの講演とルイサ・パリシオのバイレ。
3月12日は前ソフィア王妃美術館館長のフアン・マヌエル・ボネの講演にエドゥアルド・レボジャルのギター。
4月23日はイスラエル・ガルバンのバイレで幕を閉じる。

2009年11月19日木曜日

ロサリオ・ロペス

今度の月曜日、23日に日本で、ハエン出身の歌い手ロサリオ・ロペスへのオマージュが開催されるとのことですが、スペインでも彼女のオマージュとしてCDが発表されます。
ハエンのペーニャ協会が出版するもので、「ア・ラ・ベルデ・オリーバ」と題されたこのアルバム、彼女の、1982年から2002年までの録音からピックアップされたもので、マラゲーニャス、アレグリアス、ロンデーニャス、ソレア、ファンダンゴス、シギリージャス、ブレリアス、タンゴス、ビジャンシーコ,サエタなどを収めているとのこと。

1500枚リリースされるとのことなので入手できるかな。
その昔、彼女のビジャンシーコ集でのナナにいたく感動したので、ぜひ早く聴いてみたいという気持ちでいっぱいです。

カハソル175周年記念フラメンココンサート

カハソルはセビージャに本拠をおく銀行。
貯蓄銀行と訳されますが、日本の信用金庫のような存在。
もともとセビージャにあったカハ・サン・フェルナンドと、ヘレスのカハ・ヘレスが合併、その後ウエルバとセビージャのエル・モンテが合併し、カハソルという名前になりました。
この10年間、セビージャでフエベス・フラメンコス(木曜日のフラメンコ)という公演シリーズを続けていますが、そのほかにも各地のペーニャ、大学などを舞台に「コノセール・フラメンコ(フラメンコを知る)」という公演シリーズも続け、また毎年冬にはクリスマス・ソング、ビジャンシーコなどのアルバムをリリースしています。
フラメンコに理解があり、フラメンコをサポートしている銀行!というわけです。

その銀行が、その歩み始めから175周年ということを記念するフラメンコ公演が来週の木曜日、11月26日、セビージャのカハソル文化センターで開催されます。
題して「アシ・カンタ・ヌエストラ・ティエラ・エル・フラメンコ」(私たちの故郷ではフラメンコをこう歌う)
出演はバイレのイスラエル・ガルバン、カンテにアルカンヘルとパンセキート。
セビージャ、ウエルバとカディスのフラメンコを代表しての出演です。
どんな舞台になるのか、今から楽しみです。

写真は右からアントニオ・カセレス(銀行の財団理事)、パンセキート、イスラエル、マヌエル・エレーラ(元ビエナル監督。カハソルのフラメンコのプログラム責任者)