2009年11月3日火曜日

ラ・ギタリスタ



基本的にスペイン語ではaで終わる単語は女性形。
バイラオールbailaorが男で、バイラオーラbailaoraが女。
カンタオールcantaorが男で、カンタオーラcantaoraが女。
で、ギタリストは、というとギタリスタguitarristaと
aで終わる形なのだけど、男女、どちらもギタリスタなのである。
にも関わらず、フラメンコにおいては女性ギタリスタは希少価値。
めったにいない。
フラメンコワールドやデフラメンコなどのフラメンコ専門webのアーティスト名鑑でも
ギタリスト部門では女性は皆無。
今年のヘレスのフェスティバルではラウラ・ゴンサレスら、
幾人かの女性ギタリストが登場したし、全くいないというわけではない。
しかし、今、第一線で活躍している女性フラメンコ・ギタリストというと、
アントニア・ ヒメネスくらいだろう。
クラシックではそれほど珍しい存在というわけではないのだけど。

でも実は昔はそんなことなかった、というのを説明してくれるのがこの本。
19世紀末から20世紀初めには、舞台に上がるギタリストもたくさんいたのだ。
女性たちも踊り、歌うのと同じようにギターを弾いていたのだ。
昔の写真でそんな姿を見たことがある人もいるのではないだろうか。

たとえば、カルメン・アマジャよりずっと昔に、男装で踊ったバイラオーラ、ラ・クエンカはギタリストでもあったという。
1933年、日本にやってきたスペイン舞踊家アスンシオン・グラナドスは踊るだけではなく、ギターソロも3曲、披露したという。

日本でも、長らく小松原庸子さんの伴奏をつとめた戸田博子さんや、大家説子さんなど、数少ないながらいらっしゃるし、スペインでもエルマナス・アルバランとかもいましたね。

なぜ、フラメンコには女性ギタリストが少ないのだろう、
力がないから
などという人もいるけど、実はその理由はフラメンコのマチスモ、男性優位にあるのかもしれない。

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