2009年12月27日日曜日

2009フラメンコ 私的なベスト5

今年も押し迫ってきたので今年観たフラメンコの舞台の中での
とっても“ワタクシ”的なベスト5を考えてみることにした。
けっこう記憶があやふやで、今年観たと思ったら去年のものだったり。
うーむ、年だな。

そんな中でも忘れてなかった公演/アーティストをいくつか。


フェスティバル・デ・ヘレス「フラメンコ・エスクリベ・コン・ホタ」の
ミゲル・アンヘル・ベルナとラファエル・カンパージョ
ミゲル・アンヘル・ベルナはサラゴサ生まれのダンサー。
ホタの伝統と革新を押し進める、アントニオ・ガデスとホアキン・コルテスをあわせたような存在。その彼がフラメンコと共演したこの公演でみせたその跳躍! その姿の美しさ!
フラメンコではないけど、記憶にいつまでも残る。あ、この公演ではラファエル・カンパージョも良かった!この人ほど実力があるのに作品に恵まれない、というか、もっと評価されていいバイラオールもいないのでは?と思ってたら今年はマヌエラ・カラスコと共演したり、自分の作品をつくったり。まことにめでたい。姿のよい、男らしいバイレをみせてくれる得難い存在だ。


ヘレスのフェスティバルでは、ほかにもスペイン舞踊作品「ペルミタメ・ア・バイラルテ」のアイーダ・ゴメスも深い印象を残した。って、私、フラメンコも好きだけど、スペイン舞踊も大好き。コロカシオン/姿勢が崩れ気味な若手が多い最近、やっぱスペイン舞踊の基礎ってフラメンコにも大事よん、と思う。

パストーラ・ガルバン「パストーラ」
今、最も“旬”なバイラオーラ、最もフラメンカなバイラオーラといえばパストーラをおいてほかにない。このヘレスのフェスティバルで初演した作品は、ダビ・ラゴスとホセ・バレンシア(初演ではトバラ)歌い手二人にギターのラモン・アマドール、コンパスのボボーテという5人だけの舞台。家着のバタ(ガウン)で、バタ・デ・コーラで、と踊りまくるパストーラのすごさ! サウラの「フラメンコ・オイ」でも踊った、幕開きのタンゴは最高!の一言。兄イスラエルの影響はもちろんあるが、彼女は彼女の個性をもっている。おきゃん、という言葉がこれほどまで似合う人もいないだろう。(ついでに黄八丈に珊瑚のかんざしとかも似合いそうだ)
「フラメンコ・オイ」にはロシオ・モリーナも出演してたが彼女も素晴らしい。超テクに加え“伝える”力も倍増。どんどん変化していく成長期!次の公演も楽しみだ。





スペイン国立バレエ団30周年記念公演から「ファンタシア・ガライカ」
国立バレエ団ファンとして20年間見続けている私としてはなつかしい演目が次々に登場するこの公演はうれしいものだったが、一番すごい!と思わせたのはグラン・アントニオ振り付けの「ファンタシア・ガライカ」。日本でもガリシア・ファンタジーというタイトルで一度上演されているはずだ。ほぼ50年前の振り付けなのに全く古くないどころか新しい。“みせる”ための工夫がこらされ、ダイナミックな演出といい、素晴らしいとしかいいようがない。これもフラメンコではないが、観ていて思わず涙ぐむくらいに素敵な作品。かつてはフラメンコ、スペイン舞踊、地方舞踊、ボレーラと全部踊れてこそのダンサーだったが(かのファルーコだってホタ踊ってたのだぞ)、今やフラメンコ一辺倒が多過ぎ。ほかのものもやることでその人のフラメンコがどんだけよくなるか!と思うんだけどね。


テレモート復活公演



病に倒れたフェルナンド・テレモートの復活は今年度のうれしいニュースのナンバーワン!
父の名を冠したペーニャで行われたその復活コンサートも素晴らしいものだった。
なんといってもあのマラゲーニャ!!!忘れない。
んでもって、またコンサートにかけつけた彼の友達たち、モライートやイスラエル・ガルバンらアルティスタ、ジャーナリスト、地元の仲良したち。。。最後は親戚一同や彼の愛娘も舞台に立ち、愛娘の歌うブレリアでウナ・パタイータをみせてくれたフェルナンド。
あんなに雰囲気のいい公演って滅多にない!










石井智子公演のディエゴ・カラスコ
今年は春と秋、2回日本に行くことができて、いくつか公演を観ることができたけど、その中でも感動させられたのは石井智子公演のディエゴ・カラスコ。ディエゴの歌で踊った智子ちゃんのすばらしさ! 歌をきいて、コンパスを感じて踊る、フラメンコの原点!!!
でもってコンパスの海を泳ぐように歌い踊るディエゴのすごさ。日本のフラメンコの歴史に残る一瞬でありました。

ほかにもエバ・ジェルバブエナの「ジュビア」の最後のソレア(すでに定番、十八番のソレアを持っているにもかかわらず、全く新しいソレアを作り上げた彼女に脱帽)も記憶に残る。。。また先日、フィエスタではじめて観た、トリアーナのベテラン・バイラオール(かつてローラ・フローレスと共演していたそうだ)、パコ・ベガのブレリアの粋さにも酔った酔った。

2010年はどんなフラメンコが待っていてくれるのだろうか。

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