2010年10月30日土曜日

セビージャのライブハウス カハ・ネグラのフラメンコ・ライブ

セビージャはアラメーダ地区、
アラメーダ劇場のすぐそば、フレサ通りにあるライブハウス、カハ・ネグラ。
スペイン語でブラックボックスというその名前同様、
何が飛び出すのかわからない、不思議な空間。
テレビ関係者なども数多く出入りしてるし、
え、あの人が?っていうような有名ミュージシャンが飛び入りジャムセッションすることも。

そんな店で先月から定例のフラメンコ公演がはじまった。
題してフラメンコの夜。

毎週月曜日22時からで、11月の公演は
11/8
[出]〈b〉ロシオ・ロペス、〈c〉クリスティーナ・ソレール、〈g〉フラン・ゴメス
11/15
[出]ロレンソ・モントージャのクアドロ
11/22
[出]〈b〉マリア・タボラ、マヌエル・ゴンサレス、〈c〉アナ・レアル、クリスティーナ・ロドリゲス、〈g〉フアン・マリア・レアル、〈perc〉ハビエル・プリエト。

入場料は3〜5ユーロとお手軽です。


2010年10月29日金曜日

トレロドネスのフラメンコ祭

第7回トレロドネス・フラメンコ祭が
11月20日から、マドリード郊外トレロドネスのブルバル劇場を舞台に開催される。

プログラムは以下の通り。
11/20(土)「パブロ・デ・マラガ」
[出]〈c〉エンリケ・モレンテ
11/23(火)、24(水)
[出]〈b〉マリエンマ王立舞踊学校
11/25(木)
[出]〈b〉アモール・デ・ディオスフラメンコ学校
11/26(金)
[出]〈b〉ラ・モネータ、〈c〉エンリケ・エストレメーニョ、〈g〉ミゲル・イグレシアス
11/27(土)
[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ

デモフィロ フラメンコ賞

マチャード財団による、第9回フラメンコ芸術“デモフィロ”賞の受賞者が発表された。

今年の受賞はヘレスのバイラオーラでフラメンコ教師のアンヘリータ・ゴメス。
ほかにフラメンコ遺産賞は、セビージャでのフラメンコ・コンサート・シリーズ、
フエベス・フラメンコスや、写真展“フラメンコ・プロジェクト”を主催している
カハソル銀行の社会事業部に

催し賞はヒラルダ・テレビシオンの番組「ビエナル・ポル・メディオ」と
ウエルバで開催された「ニーニョ・ミゲルへのオマージュ」に
そして特別賞はフラメンコのコミック「ヘルンディーノ」におくられた。

2010年10月27日水曜日

アバネラ・フラメンカ

マドリードのジャズ・フェスティバル“ジャズ・マドリ”
その一環として
エンリケ・エレディア“エル・ネグリ”のコンサート
“アバネラ・フラメンカ”が開催。

11月13日21時から
コロン広場のフェルナンド・フェルナン・ゴメス劇場。

共演は
トランペットのジェリー・ゴンサレス、
パコ・デ・ルシアのグループのベーシスト、アライン・ペレス、
ギターにアグスティン・カルボネル“エル・ボラ”
パーカッションにバンドレーロ

それに加えて
ゲストも
エストレージャ・モレンテ、
アントニオ・カルモナ
アルカンヘル
マリア・トレド
と豪華なメンバー。

入場料は18ユーロ


ちなみに同じタイトルでDVDも発売とか
コンサートに行けない人はこっちで楽しみましょう

2010年10月26日火曜日

ダビ・モラーレス マドリ公演

カディス県ラ・リネア出身のバイラオール、ダビ・モラーレスが
その作品「エル・インディアーノ」で
マドリード公演。

会場はマドリードの目抜き通り、グラン・ビアを北に少しあがったところにある

公演日は
10月26日
11月9日
11月30日
12月7日
12月28日
のいずれも21時からで
入場料は15ユーロ。




2010年10月23日土曜日

ビエナル ヒラルディージョ賞発表

第15回ビエナル・デ・フラメンコで行われた公演の中から
とくによかったアルティスタ、公演におくられるヒラルディージョ賞の
受賞者が10月22日発表された。

受賞者は以下の通り。

カンテ;パンセキート
バイレ;イサベル・バジョン
トーケ;フアン・カルロス・ロメーロ
マエストリア;モライート
新人賞;ダビ・カルモナ
革新賞;パストーラ・ガルバン
作品賞;「ドゥーナス」
演出賞;フアン・ルエスガ(エバ・ジェルバブエナ「クアンド・ジョ・エラ」)
振付賞;ルベン・オルモ
音楽賞;「ラ・パシオン・セグン・セ・ミレ」
魔法の瞬間;「ラ・パシオン・セグン・セ・ミレ」でのアンドレス・マリンとコンチャ・バルガス
音楽賞;ルノー・ガルシア(ドランテス「シン・ムーロス」での演奏/コントラバス)
舞踊伴唱;ホセ・バレンシア
伴奏;アントニオ・カリオン
審査員特別賞;ミゲル・ポベーダ
名誉賞;パコ・デ・ルシア

2010年10月22日金曜日

バジャドリードのフラメンコ

その昔、城選手が所属したサッカーチームがある、バジャドリード。
フラメンコとは一見、縁のなさそうなカスティージャの町だが、
フラメンコ舞踊の歴史にその名を残す、ビセンテ・エスクデーロはこの町の出身。
観光案内所を出て右手に少し行くと、
彼の銅像が立っているし、
この町の公立部要学校にもその名を残している。

その町で、11月4日、フラメンコ公演が行われる。
マジョール広場のソリージャ劇場のサラ・エクスペリメンタルで
21時から行われる「フラメンコ・アル・オイド」と題されたリサイタルの主役は
カネラ・デ・サン・ロケ。
芸名通り、カディス県サン・ロケ生まれの歌い手だ。
ペリーコのアンソロジーにも参加している名歌手、ハリートの親戚で
アントニオ・マイレーナの影響を多大に受けた歌い手だ。
ギター伴奏は、自らも歌う(日本でCDを録音している)ギタリスト、
アントニオ・カリオン。
また今年、ラ・ウニオンのコンクールに出場した息子のカネラ・イーホも共演する。

フラメンコを愛するのはアンダルシア人だけではもちろんないのである。

2010年10月21日木曜日

カディスのフラメンコ学会の賞

ヘレスのフラメンコ学会がおくる
プレミオ・フラメンコ・ホーベン、
フラメンコ青少年賞。
2007年はダビ・パロマール、
2008年はエンカルニータ・アニージョと、
地元出身の歌い手が受賞してきたが、
2009年度の今年の賞からは舞踊、カンテ、ギターの三部門となり、
舞踊はフアン・ホセ・ハエン・アロージョ“エル・フンコ”
カンテがマリア・デル・マル・フェルナンデス・リベロ“マイ・フェルナンデス”
ギターがビクトル・マヌエル・ロサ・ガジャルド“ビクトル・ロサ”の受賞が決定。

授賞式は12月1日、カディスのラ・メルセ・フラメンコ・センターにて
同センターでの、学会におるフラメンコ学校の卒業式のときに
行われる予定という。

2010年10月20日水曜日

ティオ・ボリーコ生誕百周年


1910年へレス生まれ。
本名グレゴリオ・マヌエル・フェルナンデス・バルガス。
1983年にこの世をさるまでヘレスの町からあまりでることもなかった彼。
フラメンコらしいしわがれ声でうたう見事なフラメンコの録音は
決して多くはないが、
そのどの録音もすばらしく、今もおりにふれては聴きたくなる、
私のお気に入りの1枚のひとつ。


そのティオ・グレゴリオの生誕百周年記念コンサートが
10月22日にヘレスのビジャマルタ劇場で行われることは以前に書いたが、


その翌日、10月23日11時30分より
ヘレスのアンダルシア・フラメンコ・センターで
ヘレスの老舗、ラジオ・フラメンコ番組「ロス・カミノス・デル・カンテ」
インターネットを通じて24時間フラメンコを流すラジオ局フラメンコラジオ.コムとが
共同で、ティオ・グレゴリオ“エル・ボリーコ”生誕百周年特別番組を放送する。
ティオ・ボリーコを直接知る、ホセ・マリア・ベラスケス(伝説のフラメンコ番組「リト・イ・へオグラフィア・デル・カンテの司会者)やマヌエル・リオス・ルイス(ヘレス出身のフラメンコ学者)、ディエゴ・カラスコらが出演し、彼の人生とアルテについて語る予定。なお、

その後、14時からは センターからすぐのところにある、
ペーニャ・ドン・アントニオ・チャコンにおいて
「ティオ・ボリーコの百年」とだいしたCDブックの出版記念会が開催されるとのこと。


今年生誕百周年を迎える歌い手にはラファエル・ロメーロもいて
つまり二人は同い年というわけだ。
そのラファエル・ロメーロの記念の催しはその翌週に行われる予定。

2010年10月19日火曜日

11月26日から12月5日まで
マドリード市北部の新市街にあるマドリード劇場で
スペイン国立バレエ団による
「エル・コラソン・デ・ピエドラ・ベルデ」公演が行われます。

同バレエ団芸術監督ホセ・アントニオの振付けによるこの作品は
2年前に初演されたもので
南米を舞台に、大掛かりなセットでみせるものです。

えっ!
という場面もあり、これまでのスペイン舞踊とはおもむきを異にしたこの作品、
前回見逃した人はぜひ足を運んでくださいまし

2010年10月17日日曜日

バエサのフラメンコ ペーニャの季節

世界遺産の町、ハエン県バエサ
この町のペーニャが主催する第11回オトーニョ・クルトゥラル・フラメンコが
10月22日からの毎週末、ペーニャを舞台に開催される。開演は22時。

出演は
10/22(金)〈c〉モレニート・デ・イジョラ、〈g〉パコ・ハビエル・ヒメノ
10/29(金)〈c〉ニーニョ・デ・オリバレス、〈g〉マヌエル・フローレス
11/5(金)〈c〉アントニオ・パトロシニオ、〈c〉パトロシニオ・イーホ
11/12(金)〈c〉ビルヒニア・ガメス、〈g〉アンドレス・カンシーノ
11/19(金)〈c〉ロシオ・セグーラ、〈g〉パトロシニオ・イーホ
11/26(金)〈c〉ホセレーテ・デ・リナーレス、〈g〉フェルナンド・コントレーラス

ペーニャはフラメンコ愛好会。
会員の会費によって運営されているので基本的に会員優先だが
一般も入ることができる公演も多い。

これからの季節、秋から冬にかけてはペーニャのシーズン。
10月1日から12月まではフラメンコ振興公社が後援するコンサートも
アンダルシア各地で開催中。
今回は生誕百周年を迎えたラファエル・ロメーロ“ガジーナ”に捧げられ、
アルメリアとグラナダで9回ずつ、ウエルバで11、ハエンで14、マラガで16、
カディスとコルドバで19回ずつ、セビージャで23回、計120回の公演が行われるとか。

2010年10月16日土曜日

フラメンコ・ドキュメンタリー・コンクール

昨日書いたカルダモモの財団の主催で
フラメンコのドキュメンタリーのコンクールが開催中です。
名付けて「トマ・フラメンカ」応募要項はウエブにありますが、
ビデオ/映画のDVD2枚を
11月15日までに送付のこととあります。
優勝賞金は3000ユーロ
子供向け作品は2000ユーロ
7分までのみにドキュメンタリーは1500ユーロだそうな。

先のフラメンコ短編映画コンクールには
日本からの申し込みはなかったそうですが。。。

ちなみにこのコンクールと並行して
毎週土曜日17時からははこどもむけのフラメンコ公演が行われており
そこからニカラグアのこどもたちの支援金がおくられているそうです

2010年10月15日金曜日

ディエゴ・アマドール・トリオ マドリード公演

先のビエナルで、ラ・モネータ公演にゲスト出演していたディエゴ・アマドール。
本業?はフラメンコ・ピアニストだけど
歌も歌えばベースやギター、パーカッションもこなすというマルチなタレントの彼の
今度のコンサートはトリオで。

11月1日と2日の2日間、いずれも23時からの開演です。

また11月10日の23時からは
フラメンコ・ベースの生みの親、カルロス・ベナベンと
元ケタマのギタリスト、ホセミ・カルモナのデュオ公演も

会場はいずれもマドリードのタブラオ、カルダモモ

ここ、昔はフラメンコのかかっている飲み屋だったのですが
ライブをはじめるようになったかと思うと、
いつのまにかタブラオに。
ふだんはマドリード在住の踊り手たちが出演しています。

しかしこのポスターだけみるとまるで3人が共演するかのよう。
だったらもっとうれしいのですけどね。



ちなみにカルダモモのあるエチェガライ通り近辺には
かつてカフェ・カンタンテなどもあった昔からの
マドリードのフラメンコのメッカ。
アルティスタとすれ違うことも珍しくありません


2010年10月14日木曜日

カニサーレス新譜発表記念コンサート

10月15日21時から
マドリードのコレヒオ・マジョール・サン・フアン・エバンリスタ
(サン・フアン・エバンへリスタ大学寮講堂)において
フアン・マヌエル・カニサーレスの新譜
「クエルダス・デル・アルマ」(魂の弦)
発表コンサートが開催されます。

前売りはこちら

入場料は15ユーロです。

2010年10月13日水曜日

ビエナル総括 その2

昨日、ビエナル総括を書いたあとアンダルシアの放送局、
カナルスールのラジオ番組でビエナルの特集をするということで
よばれてでかけていきました。

テーブルにはパーソナリティーであるヘスース・ビゴーラと
ディアリオ・デ・セビージャ紙のフアン・ベルヒージョ、
ABC紙のアルベルト・ガルシア・レジェス、
フラメンコラジオ・コムのフェルナンド・ゴンサレス・カバジョ、
ディアリオ・デ・セビージャ紙の舞踊評論家ロサリア・ゴメスと私、
そして電話でエル・ムンド紙のマヌエル・マルティン・マルティン、
エル・パイス紙のフェルミン・ロバトン、
と7人のフラメンコの専門家がそろいました。

で、結果。
やっぱり圧倒的な人気はパストーラ・ガルバンの「パストーラ」
ヘレスで観たフェルミンと私はみてなかったけどその素晴らしさは知っているわけで。
歌のダビ・ラゴス、ホセ・バレンシア、ギターのラモン・アマドール、パルマのボボーテ、
と、出演者全員を絶賛。

パコ・デ・ルシアについてはコンサートの評価はわかれたものの
その存在、その価値についての評価はもちろん全員一致。
ギターではやはりフアン・カルロス・ロメーロと、
エバ・ジェルバブエナの作品の作曲者であるパコ・ハラーナの評価が高く、

カンテでは、マリナ・エレディアが高い評価を得ていました。
この公演も私はみることのできなかったのですが、ここで踊ったファルキートは
自分の作品とは全くちがって、いつもの実力を思う存分発揮したとのことです。
またパンセキート(これも私は観てない)やトレメンディータの名もあがりましたし、
モライート作品でのトルタやオテル・トリアーナでのランカピーノ、カイータなども。

バイレはパストーラ以外に、イサベル・バジョン、そしてエル・ペレグリーノ。
いいものはやっぱりいい!
エバの作品については意見がわかれたものの、それはいつものことでもあり、
彼女自身がそれを望んでいるともいうし、彼女の踊り手としての存在にはゆるぎなく…。
いろんな意見が自由にとびかった、楽しい1時間でした。


期間の長さ、作品及び公演の数からいっても
世界最大のフラメンコ・フェスティバルではありますが、
オーガナイズはヘレスの方が上、という意見も全員一致。。。
ヘレスはその気になれば全公演みることができるけどビエナルはそれができない。
っていうのが大きいのかな?

ヘレスのプログラムもそろそろ発表されることでしょう。

2010年10月12日火曜日

ビエナル総括

2010年第16回ビエナル・デ・フラメンコ。
さまざまなコンサートをみてきた25日間。

今年も前回と同様、同じ時間に違う場所で違う公演が行われ、
全ての公演をみることはかなわなかった。
基本的に、ヘレスなどですでに観た作品ははずし、
舞踊公演を中心にみてきた私の印象に残った作品をあげてみよう。


まずはマリア・パヘスと現代舞踊のシディ・ラルビ・シャルカウイ「ドゥーナス」
作品としての完成度が最も高く、音楽も、照明も、振付けもすべてがこよなく美しい。
フラメンコ・フラメンコなものを求める人にはむかないが、
舞台芸術を愛する人すべてに観てもらいたい作品。


フラメンコ舞踊で印象に残ったのはみっつのファルーカ
ルベン・オルモが踊ったイスラエル・ガルバン振付けによる、
バグパイプ伴奏でのユーモアあふれるファルーカ。
ハビエル・バロンの、バイオリンとキューバの楽器トレス伴奏の
美しい音楽が印象的なファルーカ。
ラファエラ・カラスコのチェロ伴奏による、
古典的な振付けを取り入れながらも男性風にではなく女性的に踊ったファルーカ。
そしてラファエル・カンパージョの伝統的な男性ならではのファルーカ。
それぞれのファルーカはそれぞれに美しく心に残る。


ラファエル・カンパージョのマノロ・ソレールへのオマージュは、
ラファエルのマノロへの思慕にあふれ、また、
あくまでも男性的で、ムイ・フラメンコなバイレでわたしたちを魅了してくれた。
またイサベル・バジョンのタンゴやガロティンも伝統的かつ現代的で素晴らしかった。

各紙の評論家がそろって今年のビエナルのベスト作品のひとつに名をあげる
パストーラ・ガルバンの「パストーラ」は、仕事の関係で観ることができなかったが
初演をみているので、批評家諸氏の言う通り、すばらしい舞台だったに違いない。
こちらは最初から最後まで骨の髄までフラメンコ。
おきゃん、という言葉が似合いそうな、下町ちゃきちゃきフラメンカなパストーラが
フラメンコのエッセンスそのもののようなラモン・アマドールのギターと
ダビ・ラゴス、ホセ・バレンシア、実力派カンタオールのカンテと
ボボーテのコンパスで踊りまくる1時間半。観ることができなかったのが残念でならない。

そのほかにもオテル・トリアーナでの、
エストレマドゥーラの夜のエル・ペレグリーノという老バイラオールの粋さ、


レブリーハの「ネグロ・コモ・エンドリーナ」でのコンチャ・バルガス、
「エンサジョ・イ・タブラオ」でのマノロ・マリンやアンヘリータ・バルガスも素晴らしかった。

カンテやギターの舞台はあまり観ることができなかったが
ギターでは歌や踊りに頼ることなく真っ正面から勝負したフアン・カルロス・ロメーロ、

カンテではやはりエストレマドゥーラの夜での
ラ・カイタやアレハンドロ・ベガのベテラン陣によるクアドロ、
オテル・トリアーナでの「カディス・エテルナ」でのランカピーノ、
エストレージャ・モレンテのソレアといったところだろうか。
舞踊伴唱ではダビ・ラゴス、ミゲル・ラビらが印象に残る。
また「ヘレス、ラ・ウーバ・イ・カンテ」でのあのコンパス!
あんなに気持ちのいいコンパスがあれば誰でも踊りだしたくなるというものだ。


メタモルフォシス、ではないが、
踊り手が歌い弾き、歌い手が踊るといったシーンが多くみられたことも今年の特徴だろう。
ファルキートは歌をギター伴奏し、アンコールで歌い、
イサベル・バジョンやラファエラ・カラスコも歌ったし、
アルカンヘルはギターを弾き、
ミゲル・ポベーダやエストレージャ・モレンテ、アントニオ・カンポスは
フィン・デ・フィエスタではない場面で、少しとはいえ踊ってみせた。
これまでにもハビエル・バロンの「ディーメ」で
フアン・ホセ・アマドールらが踊ったりしたこともあるし、
なにも新しいことではないのだが、
こんなにもたくさんあったのははじめてでは?

また、現代舞踊や演劇とのコラボレーションもさらにすすみ、
先にあげた「ドゥーナス」のほか、
演出家による演出のあるロシオ・モリーナやハビエル・バロンの作品、
「アレハンドリア」「ラ・グロリア・デ・ミ・マドレ」のような
演劇的な作品もあった一方で、伝統への回帰とでもいうような、
エストレージャ・モレンテのマンドリン伴奏でのサンブラや
マヌエラ・バルガスへのオマージュのルベン・オルモ、
ピラール・ロペス風に踊ったラ・チョニ、
パストーラ・ガルバンのトリアーナ風タンゴなどもあった。

その反面、カオスとでもいうべき混乱に陥ってしまったものもある。
盛りだくさんすぎる内容で、
せっかくの素晴らしいカンテが二の次になってしまいがちだったミゲル・ポベーダの開幕公演。
作品、というものを意識しすぎたのか、彼自身の踊りが少なく不満が残ったファルキート…
いずれもアルティスタ自身にありあまる才能があるだけに残念だ。

それにしても長い公演がおおかった。
開幕ガラは3時間。
閉幕ガラのパコ・デ・ルシアは休憩をはさんでいるとはいえ、
8時半開演で終演は11時過ぎ。
ほかにもドランテス、ラ・モネータなど、2時間にわたる長い公演が多すぎだ。
あれも、これも、という気持ちはわからないではないが
観客の集中力も考えて1時間半くらいまでがよいのでは?

さて2年後は誰がどんな作品をみせてくれるのだろうか。

2010年10月11日月曜日

ビエナル閉幕 パコ・デ・ルシア

ビエナル閉幕公演 パコ・デ・ルシア アップしました

ビエナル・デ・フラメンコも終了

毎夜の公演のフラメンコ三昧
楽しいけれど疲れました。

今年のビエナルはユーロ高だった一昨年に比べると日本人も増えていたような。

なんかいろいろありすぎてひとつにしぼるのはたいへんだけど
いいものもたくさんみることができました。

いいフラメンコをみることが何よりの心の栄養。
肉体的にはハードだけど
(などといったら朝お稽古して夜公演観に来ている練習生に申し訳ないけど)
たくさんみることで、目もこえて、自分の好みもはっきりしてくるかな。

明日はビエナル総括なども書いてみようと思っておりまする。


しかし、パコ、すごかった。
なお、セビージャ公演の直前にもマドリード、ムルシア、サラゴサと公演が追加されたように
このあとも10月23日にはサラマンカ、
11月13日にはパンプローナ、
11月24日にはビルバオ
11月27日にはジローナ
12月6日にはバジャドリード、
その合間にスエーデンをはじめウィーン、パリ、ロンドン、イタリアなど
欧州各地で講演予定です。
詳しくはこちらで。


写真は昨日のリハーサルです。

2010年10月10日日曜日

コルドバのコンクール/ビエナル モネータ

ビエナル ラ・モネータ アップしました


第19回コルドバのコンクールの申し込みがしめきり。
カンテ部門に107人、舞踊に41人、ギターに18人、
計166人が申し込んだとのことです。

なおコンクールは
11月8日から13日までの予選を経て
20日から23日が決勝
27日が優勝者のガラ好演となる予定。

2010年10月9日土曜日

ビエナル ラファエル・カンパージョ「アル・コンパス・デル・ソレール」

10月14日から21日までマドリードのプエルタ・デ・トレド市場で
第一回ダンス見本市、エキスポ・ダンサ2010が開催されます。

展覧会、講演、映画の上映などのほか、
14日20時からはペパ・モリーナの公演など
フラメンコ公演もたくさん
詳細はこちら

2010年10月8日金曜日

サウラの「フラメンコ・フラメンコ」/ビエナル ラファエラ・カラスコ

ビエナル ラファエラ・カラスコ「150グラモス・デ・ペンサミエント」アップしました


上海万博で世界初公開され
日本でも先ほどフェスティバルで上映された
カルロス・サウラ監督の新作「フラメンコ・フラメンコ」

そのスペイン初公開は
この映画が、昨年末に撮影された場所であるセビージャに決定しました。
セビージャで毎年開催されているヨーロッパ映画祭がその舞台。


11月5日から13日まで開催されるこのフェスティバルで
11月11日公開されます!

前作同様、撮影監督にビットリオ・ストラーロ、
アドバイザーにイシドロ・ムニョスを迎え、
パコ・デ・ルシア、ファルキート、ホセ・メルセ、マノロ・サンルーカル、
イスラエル・ガルバンら前作にも出演していたアルティスタとともに
エバ・ジェルバブエナ、サラ・バラス、ミゲル・ポベーダ、エストレージャ・モレンテ
らも出演しています。

2010年10月7日木曜日

ティオ・ボリーコ生誕100周年/ビエナル ジェルバブエナ

ビエナル エバ・ジェルバブエナ「クアンド・ジョ・エラ」アップしました

10月22日、ヘレスのビジャマルタ劇場で
ティオ・グレゴリオ・エル・ボリーコ・デ・ヘレス生誕百周年記念のコンサート
「ティオ・グレゴリオ・エル・ボリーコ百周年」が開催されます。

出演はカプージョ・デ・ヘレス、フアン・モネオ“エル・トルタ”、
フアナ・ラ・デル・ピパ、ルイス・エル・サンボ、
マヌエル・カルピオ“フアニジョロ”がカンテ、
伴奏はマヌエル・パリージャとニーニョ・ヘロ

入場券は13〜24ユーロで発売中です。

2010年10月6日水曜日

ビエナル パコ・デ・ルシア入場券追加発売/ビエナル ハビエル・バロン

ハビエル・バロン「バイベネス」アップしました

前売り開始とともに売り切れになったビエナル閉幕公演の入場券が
114枚追加発売!
スペイン時間6日朝11時からの発売だそうです。
ネットはこちら
窓口とどっちがいいのかな。。。

2010年10月5日火曜日

セビージャ県のフラメンコ

ビエナル、イサベル・バジョン公演アップしました!


セビージャ県の観光局もフラメンコに力をいれています。

9月30日ビエナルで公演するフェルナンド・ロメーロの
「パセオ・ポル・アモール・イ・ムエルテ」を後援し、
カサージャやマイレーナ・デル・アルコール、
カベサ・デ・サン・フアン、ウトレーラなどのフェスティバルの
入場券と宿泊がセットになったパックを売り出すそうな。。。

詳しくはホームページで

2010年10月4日月曜日

パコ・デ・ルシア マドリード公演

マリア・パヘス、シディ・ラルビ・シェルカウイ「ドゥーナス」アップしました。

今日、10月4日21時から、マドリードの王立劇場、テアトロ・レアル
パコ・デ・ルシアの公演が行われます。

これはフラメンコをユネスコの世界無形文化遺産に、というキャンペーンを展開中の
アンダルシア自治政府のあとおしで急遽実現したもの。
すでに入場券は完売とか。

なおビエナルの閉幕公演は9日。こちらの方も売り出しと同時に完売。
パコ・デ・ルシア人気は不滅です。

2010年10月3日日曜日

セビージャ ダンス月間/フアン・カルロス・ロメーロ

フアン・カルロス・ロメーロ「エル・アグア・エンセンディーダ」アップしました!


ビエナルにわくセビージャですが
10月29日からはセビージャ、ダンス月間、メス・デ・ダンサがはじまります。

初日、10月29日は21時から、イスラエル・ガルバン「ソロ」で幕開け。

会場はサン・ベルナルド地区にある、レアル・ファブリカ・デ・アルティジェリア。

詳細はちかいうちのこのイベントのウエブに発表される予定ですが
現代舞踊をセビージャ市内各所で観ることのできる、いい機会です。

2010年10月2日土曜日

ビエナルの展覧会

ビエナル公演
小松原舞踊団「HIBIKI」

アップしました。

ビエナルでは劇場で写真展も行っています。
マエストランサ劇場、ロペ・デ・ベガ劇場、セントラル劇場のホールでは
パコ・サンチェスの舞踊の写真が、
ロペ・デ・ベガ劇場の入り口のテレビ画面では
イスラエル・ガルバンのここ数年の公演を
彼の音響係でもあるフェリクス・バスケスが
撮影した4万枚からよりすぐった写真を
みることがでいます。

ビエナルの楽しみは公演ばかりではありません