2011年3月30日水曜日

4月2日12時から
セビージャはアベニーダ・ボルボージャ の
(スペイン広場の裏です)
医師会講堂で日本支援イベントが開催されます。
トリアーナの新しいペーニャが主催するもので
フラメンコでは先日のアラメーダ劇場公演にも出演した、
萩原淳子さんも出演します。
ほかにもセビジャーナスやら魔術やら盛りだくさんの内容。

たくさんのおきゃくさん、そしてお金が集まりますように。

連投の淳子さんもがんばって!

2011年3月28日月曜日

セビージャのフラメンコたちによる日本支援イベント



セビージャ市、ビエナル・フラメンコの協力で
3月30日
フラメンコたちによる日本支援公演が実現します。
題して
フラメンコス・デ・セビージャ・ポル・ハポン

セビージャのフラメンコたちが
日本支援にかけつけてくれます。
公演は
セビージャ在住日本人アルティスタたちによるクアドロにはじまり
アデラ・カンパージョのソレア
エスペランサ・フェルナンデスによるカンテソロ
そしてセビージャのフラメンコたちによる
グラン・フィン・デ・フィエスタ

フラメンコたちのエールが日本まで届きますように

「Flamencos de Sevilla por Japón」
3月30日 水曜日 21時
セビージャ アラメーダ劇場
入場無料 5ユーロ以上のご寄付をお願いします。
ご寄付は全額在スペイン日本大使館の口座を通し
日本赤十字におくられます。
招待券は19時より劇場で配布します。

プログラム
日本人フラメンコ・アーティストによるクアドロ
舞踊;福原恵理、萩原淳子、谷口香織、石川慶子、
荒巻奈々子、西内佐知子、俵由紀
歌:山川マサヒロ、山下ゆみ
ギター:俵英三、徳永健太郎、徳永康次郎、木村なおあき 

アデラ・カンパージョ(舞踊)
歌ヘロモ・セグーラ、伴奏ダビ・バルガス、フアン・カンパージョ

エスペランサ・フェルナンデス(歌) 
伴奏ミゲル・アンヘル・コルテス

応援フィエスタ 
舞踊;アナ・モラーレス、カルメン・レデスマ、ハビエル・バロン、
ホセ・ガルバン、マルコ・バルガス、パストーラ・ガルバン、ラファエル・カンパージョ
歌;クリスティアン・ゲレーロ、エンリケ・エル・エストレメーニョ、
ハビエル・リベラ、 ラ・トバラ、ナタリア・マリン、
ギター;ヘスース・ゲレーロ、ニョニョ、
ペドロ・シエラ、ミゲル・ペレス 

2011年3月27日日曜日

セビージャ・ソリダリア・コン・ハポン

3月26日に無事開催されました。

メインイベントともいえるフラメンコ公演は
セビージャ在住バイラオーラの福原恵理さんと
ご主人のパコ・パディージャさんのコーディネート。

まずは福原さんのソレア・ポル・ブレリア。
しっかり踊って
さかんな拍手をうけていました。

続いて
かって新宿エル・フラメンコにベレン・マジャと出演していた
アレハンドロ・グラナドスの粋なアレグリアス!
ジーパンでさりげなく踊る
そのアレグリアスは
グラシアもあって楽しませてくれました。


やはりエル・フラメンコにフアン・パレデスと出演していた
元クリスティーナ・オヨス舞踊団のイニェスタ・コルテスは
十八番のタラント、

エンカルナ・アニージョ
ホセ・アニージョによるカンテソロにつづき

そして最後は
ミラグロス・メンヒバルのアレグリアス!
バタ・デ・コーラの技の見事さももちろん健在
ちょっとした仕草でみせる
そのアルテ!
手の動きの美しさ
細やかな心がそこにみえる。
日本が大好き!だというミラグロスならではか。

伴奏で支える
ラファエル・ロドリゲスとミゲル・ロペスのギターデュオも最高!
ベテランならではの絶品技でうならされる


ファルキートは来なかったけど
フラメンコたちの日本への祈りと
かけつけた観客たち
(超満員で入れなかった人もたくさん)

思いはきっと日本へ届いた
と思いたい 

2011年3月25日金曜日

フエベス・フラメンコス ヘスース・メンデス


 いやあ、ほんとにひさびさの
気持ちのよいカンテリサイタルだった。

ヘスース・メンデスは1984年へレス生まれ。
パケーラが父の従姉妹という
フラメンコな家庭に育ち
こどものときから歌っていた。
写真;Remedios Malvarez


ヘラルド・ヌニェスのグループで活躍し
ヘラルドのプロデュースで2008年にCDデビューも果たしている。

私は2007年のマラガ・エン・フラメンコでソロでも聴いているが
いやいや
この4年間でより大きく成長した。

しょっぱなはロマンセ/プレゴン。
無伴奏の曲をみごとにうたいきり
続くはカンティーニャ
マヌエル・バレンシアの伝統的でありながら
今の空気も感じさせる伴奏にのってのびのびとうたう。

マラゲーニャス
ソレア
シギリージャ

どれをとっても
アントニオ・マイレーナをはじめとする
フラメンコの巨匠たちによく学んでいるのがわかる。
ファンダンゴでは
ペペ・ピントやチョコラーテのレトラ。
いやいや脱帽。
 パケーラゆずりの声量
フラメンコ的な声
自由自在なコンパス
落ち着き
重み
なにをとっても文句のつけようがない

そしてそれを支えるギターの素晴らしさ。
まだあまり知られていないかもだけど
マヌエル・バレンシア
ただものではない。
きけば故フェルナンド・テレモートにギターの手ほどきを受けたとか
道理で歌を支える伴奏が抜群なわけだ。


 写真;Remedios Malvarez

最後
お約束のブレリアではハビエル・バロンが飛び入り。
そのブエルタのすごかったこと。
顔を残して身体から先にまわる。
またほとんど動かないような歌振りもかっこいい。

  写真;Remedios Malvarez


こんな若手がでてくるから
フラメンコの将来は安心安泰

2011年3月24日木曜日

セビージャで日本支援イベント

3月26日土曜日
フラメンコ公演や日本食タパなどいろいろと企画されてます。
セビージャにいる方はぜひ!

また3月25日金曜日
17時から20時
26日
10時から13時
市役所付近で募金活動も行っているそうです。

ふたつの活動は
まったく別の人が中心にうごきだしたものだとか。

そして
3月30日には
ビエナルの肝いりで
アラメーダ劇場でこれもフラメンコ公演が行われます。
日本人クアドロとスペイン人アルティスタたちによるもので
エスペランサ・フェルナンデスと
アデラ・カンパージョの出演が決定しています。
この詳細はまた月曜に!

2011年3月22日火曜日

ダニエル・カサレス

4月1日21時
セビージャのアラメーダ劇場で
マラガ県出身のフラメンコ・ギタリスト、
ダニエル・カサレスのリサイタルが開催されます。
入場料は15ユーロ
購入はこちらから

ゲストで故フアニート・バルデラマの息子バルデラマと
新進歌手マリア・トレドが出演するそうです。

フラメンコたちからのエール!

フラメンコ・オイ賞授賞式でマドリに
会場に集まったフラメンコたちに
日本へのメッセージを頼んだら
皆気持ちよく協力してくれた。
その写真とメッセージ
ネットにアップしていきます。

すでにバイラオーラ、萩原淳子さんも
彼女のウエブでセビージャのアルティスタたちのメッセを公開中

土曜日には
セビージャ初の日本支援イベントも行われるそう。
3月26日12時半から
アベニダ・チレにあるパベジョン・ウルグアイで行われ
フラメンコ公演もあるらしい。。。


マドリやバルセロナ
そしてセビージャでも
いろいろな企画が進行中です。
6月にはコルドバで大掛かりな支援イベントも行われます。

日本のフラメンコたちを
スペインのフラメンコたちが
遠くからだけど
しっかり応援しています

アニモ ハポン
がんばれ 日本

2011年3月21日月曜日

ニカラグアでフラメンコ!

3月14日から18日まで
ゴマエスプーマ財団が
ニカラグアのマナグアにある
ルベン・ダリオ劇場にて
シルビア・マリンの公演を主催した。

いろいろとたいへんなところだって
フラメンコが行って
みんなを元気にする。

大変な日本も
フラメンコで
元気に!

2011年3月19日土曜日

フエベス・フラメンコス カニサーレス

2011年のフエベス・フラメンコス第1回はカニサーレス。
最新作「クエルダ・デル・アルマ」発表コンサートは
奥様の故郷である日本に捧げられた。

クエルダス・デル・アルマ
心の弦。
心に張られた弦をかき鳴らすのは?


コンサートに先立ちセビージャの名誉日本領事
ホセ・マリア・カベサが挨拶。

コンサートはギターソロではじまった
2曲目からは
パーカッション、エレクトリックベース、
セカンドギター
そして二人のダンサーによるパルマも加わりにぎやかに。
ブレリア
タンゴス
ときて
デビューCD収録のルンバ「ジュビア・デ・コメタス」
は不朽の名作。
音が追いかけあうような
複雑なメロディ
エネルギーにあふれた
楽しい曲だ
録音してた頃のことなどが脳裏によみがえる

赤い衣装のチャロ・エスピーノの踊りによるグアヒーラ
頭を残すブエルタとか伝統的な動きが美しい

これも名曲、
故ロシオ・フラード主演映画「ローラは港へ行く」できかれた
美しくロマンチックな「レハニア」
パコ・デ・ルシアの「愛のうた」に肩をならべる
フラメンコによるフラメンコのかたちをとらない名曲

そしてチャロとその夫アンヘル・ムニョスのパレハでのアレグリアス
パレハでのアレグリアスというのはちょっと珍しい
そしてあとは得意のルンバ
タンゴ…

カニサーレスならではの超絶技が
パコ譲りの文法でみごとに展開されていく

個人的には
もっとソロが聴きたい!
アンサンブルでもギターの音をもっと前にだしてほしい、
メタリックな音ではなくもっとアコースティックな音にしてほしい
(これは音響さんへの注文だな)
という気もするが
彼の心は
セビージャの観客にじゅうぶん伝わったことと思う。

ありがとうカニサーレス!

2011年3月18日金曜日

フラメンコ・オイ賞発表

スペイン各地のフラメンコ関係者
(ジャーナリスト、批評家など)
によって選出される
フラメンコ・オイ賞
その今年の受賞者が発表された。

各賞の受賞者は以下の通り

プロモーション
エル・フラメンコ・ビーベ
(マドリードのにあるフラメンコ専門店)

メディア
ホンドウエブ.コム

書籍
アルフレド・グリマルドス「イストリア・ソシアル・デル・フラメンコ」


DVD
ミゲル・ポベーダ「コプラス・デ・ケレル」


最優秀男性舞踊手
イスラエル・ガルバン


最優秀女性舞踊手
パストーラ・ガルバン

最優秀プロデューサー
ヘラルド・ヌニェス「マリア・メスクレ」


インストゥルメンタル
アブドン・アルカラス「レイキャビク」

最優秀伴奏
フアン・アビチュエラ「エントレ・ビホス・サルサレス」カンカニージャ

最優秀新人カンテ
ロサリオ・ラ・トレメンディータ


最優秀ギターソロ
フアン・カルロス・ロメロ「アグア・エンセンディーダ」

最優秀カンテ
マリナ・エレディア「マリナ」


授賞式は3月21日月曜日マドリードで行われる

2011年3月16日水曜日

ヘレス・フェスティバル 観客賞はジェルバブエナ

ヘレス・フェスティバル
劇場に来た人たちに配られるアンケート用紙での
観客の投票によって選ばれる観客賞

今年はエバ・ジェルバブエナ
「クアンド・ジョ・エラ」に決定しました。


昨日の賞同様
賞金とかはないけれど
それでも観客の高い評価は
エバもきっとうれしいはず。
おめでとう。

2011年3月15日火曜日

ヘレス・フェスティバル 批評家賞はメルセデス・ルイス

ヘレスのフェスティバル
新人賞と批評家賞の各賞が発表された。

新しい才能におくられる新人賞は
レオノール・レアル
写真; Javier Fergo

そして最も優れた作品におくられる批評家賞は
メルセデス・ルイス「ペルセクスティーバス」

写真; Javier Fergo

どちらも地元ヘレスのアルティスタ。
これははじめてのこと。

2011年3月14日月曜日

ヘレス・フェスティバル15.5 ハビエル・ラトーレ振り付け工房

ハビエル・ラトーレの振り付け工房の後期

助手らによるソロにつづき
ハビエル・ラトーレはエンリケ・モレンテの
「アウロラ・デ・ヌエバ・ジョルク」を踊る。
オメガ公演の頃を思い出す
あれから10年 
エンリケへのオマージュか


いよいよ生徒たちによるソレア

ふだん群舞で踊られる事の少ない曲だ
前回のグアヒーラの華やかさとはまったく別の
シリアスな曲で生徒たちの衣装もほとんどが黒だ
レベルの違う踊り手たちをどう活用して
それぞれに見せ場をつくりつつ全体として
質の高いパフォーマンスとして仕上げるか。
それがハビエルの腕のみせどころなら
短期間で振りを学ぶだけでなく
相手のある踊りや全体のバランス、並びなどを考えながら踊る
ということを学びその結果を実際に舞台の上でみせるというのが
生徒たちの実力のみせどころ。

今回も多国籍軍。
レベルもさまざまな踊り手たちがみごとにいったいとなって
ソレアの群舞を完成させた。

この振り付け工房の公演は観ているこちらにもいろんなことを勉強させてくれる。
プロも参加しているとはいえ
ふだんから練習公演を共にしアンサンブルができているわけではない
また群舞になれている人も少ないだろう
メンバーとの空間のとりかた
一人で踊るのではなく相手がいて踊ることの違い。

また振り付けの順番を覚えるだけでなく
ハビエルらしいデテールをちゃんと表現できているか
振り付けのセンティードまでちゃんと表現できているか
顔の位置やちょっとした動きに
それぞれがハビエルのクラスで何を学んだかがでてくる。

自分のスタイルに引き寄せてしまう上級者もいれば
テクニックには上達の余地があるものの
ハビエルの振りの特徴を上級者よりもかえってきちんとこなしている人もいる
なんてきっと本人たちは必死でそんなこと考えてもいないかもしれないが。
観ているだけだからこそ見えてくるものもある。

終演後マイクをとったハビエルは
この公演を日本に捧げ
「ここには8人の日本人がいます
昨日は皆電話にかじりつきたいへんでした。
皆たいへんな中よくやりました」
と。

再び拍手。
ハビエルに
そして生徒たちに。
日本に。

2011年3月13日日曜日

ヘレス・フェスティバル16 エバ・ジェルバブエナ「クアンド・ジョ・エラ」

ヘレス・フェスティバル最終日は
エバ・ジェルバブエナ「クアンド・ジョ・エラ」

「ビエナルからこの公演で7公演め。
内容は初演のときとほぼ同じ。
でもあちこち少し手直しもしています」
 と記者会見で話していたエバ。
たしかにビエナルのときよりは
スムースに舞台がすすんでいくような気がする。

最初の暗殺の場面でも
後ろに女性がたたずみ
暗殺の場面のあと
ほんの少しソレアを踊るのは
初演時にはなかったような気がする。
写真; Javier Fergo

暗く悲しい雰囲気はビエナルのときと同じ。
でもそれこそが
戦争で家族とひきさかれた者の重い思いこそが
彼女がこの作品を通して伝えたかったものなのだろう

フラメンコな瞬間はあまり多くない。
写真; Javier Fergo
写真の闘鶏の踊りは戦争の象徴なのだろう。
フラメンコではないが強い印象を残す。

写真; Javier Fergo

エバが踊る
マラゲーニャ、タンゴ、セラーナ
ほかのダンサーたちによる
ルンバやブレリアもある
エバの技術、表現力は素晴らしい。
だがオレ!と声がでる一歩手前でとまるのはなぜ。


しっかり作り上げられた作品
だけど
後味があまりよくないのは
彼女の心にある悲しみが本物だからかもしれない


2011年3月12日土曜日

ヘレス・フェスティバル15 日本に捧げる!

公演にさきだち
日本のたいへんな自然災害に対し
日本国民と毎年ヘレスに参加する日本人に
心からのお見舞い
そして公演が日本に捧げられました。


公演そのものよりも
感動的な言葉でした。


日本に行ったことのアルティスタたちが
電話でメールでフェイスブックで
心配して連絡してくれます。

フラメンコたちは皆日本のことを
生徒を共演者を観客を
そして知らない人をも
心配しています。


写真; Javier Fergo

公演はロハス&ロドリゲス舞踊団
「カンビオ・デ・テルシオ」
舞台の上で着替えたり
必要以上に足をあげパンツをみせたり
最後は黒のブラジャーにベスト+袖という衣装
記者会見でグラン・アントニオの時代うんぬんとかいってなかったか?
ま、バタ・デ・コーラもありましたが
サオネスとよばれる、馬にのるときの足あても
短く小さくまるでエプロン。
うーん看板に偽りあり?
カルロス・ロドリゲスはテクニックのあるバイラリンだけど
フラメンコの趣味はいまいちのような。。。
というか、
土産物屋の店先のような安っぽいはりぼてのフラメンコ
的感じ。
昔はもっときれいな気がしたんだけどなあ



2011年3月11日金曜日

ヘレス・フェスティバル14 メルセデス・ルイス

たいへんな地震の被害にあわれた方々に
お見舞い申し上げます。
スペインでも地震の報道は続いています。


気持ちを改めて昨日のヘレス・フェス公演。

メルセデス・ルイスは新作「ペルセクスティーバス」で
全く新しい顔をみせてくれた。

写真; Javier Fergo

スペインに帰ってきたときのカルメン・アマジャのビデオ
古い録音が流れる
カルメン・アマジャが踊った
エンブルホ・デル・ファンダンゴ だ。
そういえば彼女はカルメンに似ている?

曲にあわせてカスタネットを操るメルセデス・ルイス。
そのファンダンゴがウエルバのものへと変わると
今度はチンチンをならして踊るかと思うと
マントンをひるがえす。
アバンドラオ/ロンデーニャ風のリズムとなり
ダビのカンテソロ
そこからカーニャへとうつっていく。
赤いバタ・デ・コーラに赤いマントン。
写真; Javier Fergo

足技に定評のある彼女だが
今回はそのブラソの美しさに惹かれた。
女性らしいゆっくりとした動き。
なんという繊細さだろう。


ダビの歌うコロンビアーナ
アバニコをもったメルセデスが登場
グアヒーラかと思いきや
タンゴ!
そしてメルチョーラの歌うルンバではグラシア満開!
これまでにみたことのないメルセデスだ!

その後
男装で登場した彼女はサラサーテのサパテアードを踊り
タンギージョのリズムで語りメンバー紹介。

写真; Javier Fergo

最後は名曲「人生に感謝」をブレリアで
日本語の訳詞も映写された。


2011年3月10日木曜日

ヘレス・フェスティバル13 ベレン・マジャ「トレス」

ベレン・マジャの公演「トレス」
小劇場サラ・ラ・コンパニアで。

トレス、3というタイトルは
バイレのベレン
カンテのヘスース・メンデス
ギターのラファエル・ロドリゲス
という出演者が3人だけというところから。
実際はこれにパルマとバイレのフェリペ・マトが加わり4人だが。

3人だけの舞台というとまっさきに思い浮かぶのは
イスラエル・ガルバン「エダ・デ・オロ」
故フェルナンド・テレモート、アルフレド・ラゴスとの三人舞台の
初演もこのコンパニアでだった。
パルマの関係もあってか
複数の歌い手をつかうのが普通
パーカッションなども含めた多数のミュージシャンを
バックにすることも多いので
この3人だけの舞台は新鮮だった。
絶妙なからみ具合で
カンテもギターもそれぞれに主役をつとめる。
フアン・デ・フアンやカルメン・コルテスも三人舞台をつくったことがある。


ベレンの舞台は
ヘスースの歌うサンブラではじまった。
父方の祖母がパケーラの母と姉妹というこの若手カンタオールは
パケーラゆずりのボリュームのある声で朗々と歌い上げる。
そこに白のバタ・デ・コーラを手にもったワンピース姿のベレンが登場
ラファエルのどこか哀愁にみちたギターの調べを
アルゼンチン・タンゴ風のパソで踊る。
写真; Javier Fergo

フェリペ・マトによるパルマとサパテアードのイントロのあと
アレグリアス。

写真;Javier Fergo

カンテソロなのにラファエルのギターはシレンシオを奏でる。
そこにベレンが入りエスコビージャ
父マリオ譲りのパソを少しみせる。

カンテソロのソレア
机をたたいてのファンダンゴ
ギターソロでタンゴがはじまるとやがてそこにカンテやバイレも加わる。
タンゴは速度を落としティエントへ
そしてタラントへと姿を変える
ギターなしで歌のみのタラントを踊る

写真;Javier Fergo

カルタへネーラのカンテソロ

ブレリア
シギリージャのギターソロに足をいれたかと思うと
カンテでロマンセ
再びシギリージャ
踊りのリズミックなシギリージャだ

白いバタ・デ・コーラに着替えたベレンのソレア。
緑色のマントンさばきにちょっとひやひや
重さがたりない? 大きさの問題?

写真: Javier Fergo

まったくスタイルの違う三人
その絡みの面白さよりも
違和感の方が印象に残ったのは残念。
なんかばらばらな印象なのだ。
ベレンもいつもの輝きがないという感じ。
疲れていたのかな
それとも期待しすぎた私が悪いのかも。
 ベレンの名誉のために付け加えると
当日の新聞評はよく
舞台の印象というのは本当に人それぞれだ。


セビージャ フエベス・フラメンコス プログラム発表

セビージャの銀行カハソル文化財団主催の
フラメンコ公演シリーズ
フエベス・フラメンコス
2011年のプログラムが以下の通り発表された。

フエベス・フラメンコス
317(木)21時「ギター・コンサート」
[出]〈g〉カニサーレス
324(木)21時「カンテ・リサイタル」
[出]〈c〉ヘスース・メンデス
47(木)21時「過去をみつめて」
[出]〈b〉エル・フンコ、ローリ・フローレス
428(木)21時「マイ・スペイン」
[出]〈g〉ホセ・マリア・ガジャルド
512(木)21
[出]〈b〉フェルナンド・ロメーロ
519(木)21時「エレンシア・ホンダ」
[出]〈c〉イネス・バカン、トマス・デ・ペラーテ
526(木)21時「ノスタルヒアス」
[出]〈b〉ミゲル・バルガス
[問]www.cajasol.es


2011年3月9日水曜日

ヘレス・フェスティバル12 マヌエラ・カラスコ

幕が開くと舞台中央の台の上で
椅子に座っているマヌエラ
みじろぎもしない彼女をみただけで観客は拍手をはじめた。
こんなバイラオーラはほかにいない。

フラメンコの女神

その圧倒的な存在感。
何もしなくても絵になる。
黒字に白の水玉の衣装でロマンセ風ブレリア。

すっと手をあげるだけで彼女がいる空間自体がフラメンコに染まる。
コンパスを、フラメンコを絶対的に支配する彼女の力。
有名な、
両手を宙に高くつきあげるポーズも
ほかの人がやったらお笑いものだろう。
マヌエラだけに許されたかたちだ。

続いて短い丈の上着に腰高ズボンという
伝統的衣装の4人のバイラオールたちによるカーニャ
最近はあまりみることがない伝統的な衣装は目の保養。
が踊り手たちの群舞は揃ってるとは言い難い。

机について歌い手たちのカンテソロ、
ファンダンゴ・デ・ウエルバが終わると
再びマヌエラ。
マノロ・サンルーカルが闘牛の世界を描いた名作「タウロマヒア」の
「プエルタ・デ・プリンシペ」のコーラスからはじまるアレグリアス。
闘牛士の行進用の刺繍の入ったマントをはずすと
闘牛の、ピンクと黄色のはなやかな衣装。
スター性がきわだつ。
前日、記者会見で
「私の舞台では私自身が舞台美術」
と言い切ったマヌエラだが、実際、彼女がいれば何もいらない。
夫ホアキン・アマドールのギターと
彼女の迫力に一歩もひけをとらないエンリケ・エストレメーニョの歌の中を
ほかの誰でもない、マヌエラならではのバイレをみせる。
ちょっとした仕草のムイ・フラメンカなこと!

バイラオールたちによるタンゴに引き続き
マヌエラの義妹スーシのカンテソロはなんとビダリータ。
繊細で叙情的なこの曲を情熱的に
マヌエル・デ・ルスの伴奏で歌い上げた。

そして最後は定番。
ソレア。
ソレアといえばマヌエラ。マヌエラといえばソレア。
下手にすっと立った彼女の美しさ。
立っているだけなのに鳥肌がたつようなすごみのある美しさ。
もう何十回もみているソレアなのに
観るたびに心がふるえる。
赤と黒の、ちょっと西部の酒場の女のような衣装についていた
昔風のコーラをとりさり踊るマヌエラの素晴らしさ。
そしてここでもエンリケが
津波のような、マヌエラのエネルギーをしっかり受け止め
堂々と渡り合う。
オレ・ロス・ドス!

あとできいたらエンリケはここ数日間の風邪をおしての出演
ファンダンゴが思うように歌えなかった、
と言っていたが、それでいてあのエネルギー。
脱帽である。


コルドバ ギター祭 クルシージョ

毎年7月恒例の
コルドバ・ギター祭
今年も7月5日から16日まで開催されます。

そのクルシージョのプログラムが発表されました。
クラシックやシンガーソングライター向けの講習もありますが
フラメンコ関係は以下の通り。

○第31回コルドバ ギター・フェスティバル
●フラメンコギター
7/7(木)~15(金)10時~14時
[教]〈g〉マノロ・サンルーカル、ホセ・アントニオ・ロドリゲス、パコ・セラーノ、マノロ・フランコ
[内容]初級、中級、上級、プロ
[料]全36時間315ユーロ(マノロ・サンルーカルのクラスの聴講は95ユーロ)※定員50人(希望者は自分の演奏を前もって送付のこと)
●バイレ
7/5(火)~8(金)10時~13時
[教]〈b〉インマクラーダ・アギラール
[内容]バタ・デ・コーラのテクニックとスタイル
7/9(土)~12(火)10時~13時
[教]〈b〉ハビエル・ラトーレ
[内容]短時間作品の振り付けの構造
7/13(水)~16(土)10時~13時
[教]〈b〉マティルデ・コラル
[内容]ヘレスのブレリア
7/13(月)~16(木)10時~13時
[教]〈b〉ロシオ・モリーナ
[内容]キャラクターと表現およびタラントの振付の構成
[料]全12時間90ユーロ※定員各クラス15人
レベルの目安は各クラス中級~上級
●カンテ
7/10(月)~16(木)10時~13時
[教]〈c〉カリスト・サンチェス(10〜13)、アルカンヘル(13〜16)
[内容]初級、中級、上級
[料]全24時間280ユーロ(聴講90ユーロ)※定員15人
[場]コルドバ コルドバ市内各所
[問] http://www.guitarracordoba.com

2011年3月8日火曜日

ヘレス・フェスティバル11.5 アデラ・カンパージョ「オリソンテ」

深夜12時からのサラ・コンパニアでの舞台。
市役所関係の問題で、劇場近辺の街灯が消えた
暗い道を急ぎ劇場へ。

アデラ・カンパージョ、ヘレス・フェスティバルでは初の独り舞台だ。


弟フアン・カンパージョと夫ダビ・バルガスがギター
歌にはヘロモ・セグーラ、ロンドロ、ホセ・バレンシア
と充実の伴奏陣をバックに1時間
シンプルなフラメンコを踊りまくった

写真; Javier Fergo

幕開きはガレーラ
レブリハーノが名作「ペルセクシオン(迫害)」
で歌った曲だ。
これをソレア・ポル・ブレリアのアイレで(とみえた)
重みとしゃきしゃきした感じとで踊るアデラに
何度オレ!を叫んだことか。
写真; Javier Fergo

シギリージャは新調の衣装で。
この古曲がもつ重みと風格をみごとに体現。
ところどころに彼女らしいひねりもあり大満足。

マントンをつかったカンティーニャス

写真; Javier Fergo

バストンでのサパテアード
と作品は続き最後はとっておきのソレア

いやいや。
演出家も現代舞踊も何もなくても
いい歌といいギターがあれば
いい踊りは映える。

フラメンカなアデラを堪能した幸福な夜でした。

ヘレス・フェスティバル11 オルガ・ペリセ「ロサ、メタル、セニサ」

昨年のヘレス・フェスティバルでベレン・マジャと共演、
新人賞を受賞したオルガ・ペリセが今年はソロで登場。

フェスティバル開幕翌日にマドリードで亡くなった
エスクエラ・ボレーラの名手アンヘル・ペリセと
直接の関係はないそうだが彼女もまたスペイン舞踊をも得意とする。

作品は3部構成
最初のテーマはロサ、薔薇。
オルガの生まれ故郷コルドバをたたえる
ペペ・マルチェーナの詩につづく
オープニングはアルベニスの「コルドバ」
写真; Javier Fergo

スペイン舞踊、エスクエラ・ボレーラを
ロマンチックバレエ風の独特な衣装とカスタネットで踊るのだが
コンテンポラリーのダンサーとからみ
宙を舞ったり 宙にういたり
そのダンサーも現れては消えて行く
バックのマントンのフレコ風の幕と照明の妙だ。

ペペ・マルチェーナのミロンガ「ラ・ロサ」に引き続き
赤い衣装に白いマントンでのカンティーニャ。
マントン技は同じコルドバの大先輩、ブランカ・デル・レイ風。
片手でまわしたりスカート風にしたり
派手な技をみごとにきめる

写真; Javier Fergo

2部のテーマはメタル
カンテソロのタランタ
そしてマルコ・フローレス振り付けのシギリージャ
膝丈の衣装でモダンな感じ
写真; Javier Fergo

スーツを着た3人のカンタオールとパルメーロ
4人の男に囲まれているのは
マヌエラ・バルガスの時代のようなノスタルジー
昨年のラ・ウニオンのコンクールの優勝者
カディス出身、ヘスース・フェルナンデスのブレリアには
ピパやグリロなどいろんなアルティスタの顔が見え隠れする
今年のフェスティバルではソロ公演も行っただけに
実力十分といったところか

3部は灰
照明も暗く
バタ・デ・コーラも暗い色
ここでもまたコンテンポラリーとのからみがあり
バタごとぐるぐる回ったり。。。

写真; Javier Fergo

終わってみれば昨日のロサリオ・トレドの舞台と共通するものも多い
コンテンポラリーダンス的要素
モダンな衣装
コンセプト
暗めの照明

オルガの舞台には洗練された美しさと調和があった。
演出家ダビ・モンテーロと
照明家グロリア・モンテシーノの功績もあるだろう。
コンテンポラリーダンサーのヘスース・カラメスの使い方も含め
専門家の力をうまくつかってつくった舞台といえる。





2011年3月7日月曜日

ヘレス・フェスティバル10 ロサリオ・トレド「君の瞳に炎」

写真;Javier Fergo

カディス出身のバイラオーラ、ロサリオ・トレドが
初のビジャマルタ劇場で主役をつとめた公演
「アイ・フエゴ・エン・トゥス・オホス」
君の瞳に炎がある

舞台の上の台で
「牧神の午後」の牧神か、「真夏の夜の夢」のパックのようなイメージの
身体にぴったりした衣装で踊るロサリオ。
ラジオの雑音のような音と
時計のような音だけで踊る。
オープニングから?
いったいこれは何?

プログラムによると
ギリシャ哲学の伝統により
火、風(空気)、土、水の4要素が
それを結合させる愛と別れさせる不和で
くっついたり離れたりしながら宇宙をつくっているという考えに端を発し、
これまでの彼女のキャリアを振り返り
それぞれのときに強い影響を与えたギタリスト4人それぞれに
4要素をあてはめ4曲をふりわけたのだという。

ミゲル・イグレシアスによるシギリージャは火
ダニエル・メンデスによるソレアは風
カディスのケコ・バルドメロのアレグリアスは水
アルフレド・ラゴスのタラントは土


というわけで照明も舞台もそのイメージでつくっているのだろう
シギリージャは黒いずきんをかぶったようなパンツスーツ

写真;Javier Fergo

バタ・デ・コーラのアレグリアスは青く薄暗い照明でさびしげ
ゲストの白いジャケットのホアキン・グリロが登場すると
死んだごきぶりのように手足を上にひっくり返ったのはなぜ?
イスラエル・ガルバン「メタモルフォシス」では
朝おきたら虫になっていたという物語があったからだけど。

ソレアでも
アルフレド・ラゴスのすばらしい演奏でのタラントでも
シギリージャやアレグリアス同様に
フラメンコの殻を破ろうとしているのか
衣装も踊りも伝統的なフラメンコの枠をこえ
違和感をおぼえる.

ロサリオはいったい何がいいたいのだろうか。
奇妙な動きは
演出と振り付けをロサリオとともに担当した
マルコ・デ・アナ(イスラエルのアシスタントだったそうだ)の影響だろうか。
拍手はゲストのホアキンにもっていかれる。

写真;Javier Fergo

彼女の魅力をじゅうぶんに発揮できないまま終わってしまった、
そんな気がする。

ヘレス・フェスティバル9.5 「カシダ」

トリアーナ出身の若手カンタオーラ、ロサリオ“ラ・トレメンディータ”と
イランのミュージシャンたちの共演する「カシダ」
写真;Javier Fergo

ロサリオのナナやシギリージャが
イランの古典音楽と交互に歌われる構成

フラメンコとほかの音楽のフュージョンではなく
音楽家たちの交流があるのだ
と言ったのはパコ・デ・ルシアだったか。
同じ言葉をロサリオも舞台で口にした。

イランのモハマッド・モタメディの歌声や歌うときの仕草は
フラメンコにも共通するところがあり
おそらくフラメンコもイラン音楽も知らない人には
同じようにきこえるにちがいない。
フラメンコを、ジプシーが歌うアラブ音楽といったの誰だったろう。
そんな言葉を思い出すほど、共通点がみえてくる。

ファンダンゴでともに歌った声の美しさ
サンブラ風の音楽でのパーカッションのやりとりなど興味深い。



2011年3月6日日曜日

ヘレス・フェスティバル9 ミゲル・ポベーダ

写真;Javier Fergo

昨年、セビージャのマエストランサ闘牛場で
ビエナルの開幕をかざった公演
劇場仕様となって登場
ヘレス・フェスティバルの中日を飾った。
入場券は売り出し当日の午前中に売り切れたという
圧倒的な人気
それを受けて4月に追加公演の予定だがこれもすでに売り切れ
さすが現在スペイン一の人気を誇るカンタオールだけのことはある。


リビアーナ
ナナ
ソレアのバリエーションと歌い継ぐ。
順番は違ってもビエナル公演のときのレパートリーが
次々に登場する。

エスペランサ・ガルシア、カルメン・グリロ、ミゲル・ラビによる
プレゴン
写真;Javier Fergo

ラウラ・ロサレンが昔風に踊るアレグリアスに歌うミゲル

ポロからソレア・アポラー
ペテネラのバリエーション
マラゲーニャからハベーラ
コーラスでのベルディアーレス
レビの歌うタラント

ミゲルが情熱的に歌い上げるパケーラ節ではじまったブレリアは
レブリーハのロマンセ風なものになったり
カンシオン・ポル・ブレリアになったり。

ソレアやペテネラでもそうだが
フラメンコは多数の曲種があるだけではなく
それぞれの曲種の中に多様なスタイルがあり
それがまたそれぞれに魅力的だ。
それを再認識させてくれる。

バンビーノの軽快なルンバ
ピアノ伴奏の「アウロラ」

ビエナルでも好評だった
帽子やステッキなどの小道具で
アントニオ・マイレーナ、ペペ・マルチェーナ、
ミゲル・モリーナ、アントニオ・チャコン、
ポリーナ・デ・バダホスなどを歌い分けるシーンをへて
アルゼンチンタンゴ「クエスタ・バホ」
そしてトリアーナのタンゴを歌い踊るミゲル。
その足取りのよさ 腰の動き
トリアーナのタンゴの特徴をしっかりとらえていて秀逸。

チクエロのギターソロでのブレリアは
怒濤のパルマに支えられ迫力満点
エンリケ・モレンテに捧げ、
彼のレパートリーを歌い継ぐ。
そして
最後はカマロンの「レジェンダ・デル・ティエンポ」

写真;Javier Fergo

2時間の舞台があっという間
フラメンコの歴史と多様性を
こんなに魅力的にみせる舞台がこれまでにあっただろうか

そのほとんどを歌いついでいく
ミゲルのフラメンコへの愛と情熱
ミゲル・ポベーダはアルティスタの中のアルティスタ
そのスター性もフラメンコ性に相反するものではない。

この作品の中のレパートリーをCDに録音するプロジェクトも進行中だという
フラメンコ好きなら必聴にちがいない

2011年3月5日土曜日

ヘレス・フェスティバル8 イサベル・バジョン「その靴の型に」

8日目のビジャマルタ劇場公演はイサベル・バジョンが

写真;Javier Fergo

リンク先のビエナルでの公演とまったく同じ内容で
ふたたびイサベルはムイ・フラメンカに
わたしたちを魅了した。

この小柄で華奢なセビジャーナのどこに
そんなエネルギーが秘められているのだろうと思うほどに
彼女は出ずっぱりで踊り続ける

フロレンシオ・カンポ、
フェルナンド・ロメロ、
ルベン・オルモの振り付けによる前半よりも
彼女自身の振り付けによるムイ・フラメンカな後半が
より魅力的というのもビエナルと一緒。

最後のバタ・デ・コーラでのカンティーニャスでの
マントンさばきの美しさ!
バタの動きのみごとなこと。
ひたすら美しく
あうんの呼吸で
フラメンコを体現するイサベル。

粋で洒落ていて
華やかで
ほんのりとユーモアもあって
ぴりっと辛みもきいている
そんなフラメンコ

イサベルのフラメンコは
セビージャ派といわれる舞踊の
ひとつの歓声された形なのかもしれない。

そしてその裏には
この舞台に声が流れる
恩師マティルデ・コラル
こどものときから彼女に歌ってきたチャノ・ロバート
マリオ・マジャらの伝統が息づく

歌のダビ・ラゴス、ロンドロ、
ギターのヘスス・トーレス、カニート、
パーカッションのホセ・カラスコも
しっかり音楽で彼女をサポート

6人だけの舞台だが
センスの良さで光っている
もう一度観たい!
そんな気持ちにさせる、
観る人を幸せにするフラメンコだった

ヘレス・フェスティバル7.5 ハビエル・ラトーレ/振り付け工房

昨年のフェスティバルからはじまった
ハビエル・ラトーレの振り付け工房
今年も6日間のクラスの総仕上げとして
彼のクルシージョ参加者たちによる
フラメンコ公演が4日、19時からサラ・パウルで行われた。

公演にさきがけ
助教をつとめたマリア・ガルシアや
去年に引き続きの出演のカルロス・カルボネルのファルーカに引き続き、
ラトーレ自身によるロンデーニャ
録音での踊りだが
その形の美しさ
とくにブラソの素晴らしさ

最後はいよいよクルシージョ受講生たちによる
グアヒーラ

去年同様、
巧いひともいれば
そうでない人もいる
きゃしゃな人 太めな人
背の高い人 低い人
出身国もさまざま

その彼女たちが
(あ、男性も一人!)
ほとんどは衣装をつけて
髪に花を飾り
踊るのはグアヒーラ

写真;Javier Fargo

腕の動きがグアヒーラ以外のなにものでもない、
というようなゆったりとして
南国的でかつ美しい

全員が同じ方向を向いて同じ振り付けを踊っているのではない
現れては消え 消えては現れ
フォーメーションも刻々と変わる。
ソロあり トリオあり 
群舞も少人数のものから全員でのものまで
さまざまに変化する
舞台のための振り付けだ

それを
こういった群舞の経験のまったくなかった人も含めて
1週間のクラスで学び
踊りきった生徒たちにおめでとう!


2011年3月4日金曜日

ヘレス・フェスティバル7 ハビエル・ラトーレ「ドゥエンデと時計」

写真;Javier Fergo 


今年のヘレス・フェスティバルはハビエル・ラトーレの年、
といってもいいほど彼が関わっている公演が多い。

先だっての小島章司舞踊団公演の振り付け、
レオノール・レアルへの振り付け、
とすでに2作品。
そしてこの、自身の舞踊団による公演、
あとクルシージョの生徒たちによる公演が前期後期で2回、
またアナベル・ベローソの公演にも出演する。
もちろんクラスも行い、
記者会見にも出て、
先日はビセンテ・エスクデーロについて話すなど
うーん、身体がいくつあっても足りない状態。
いったこの人はいつ休むのだろう。。。

今回の作品「ドゥエンデと時計」
もともとは理工系というフランス人ギタリスト
フィリップ・ドニエの同名の本からはじまった。
ドニエの脚本をもとに
ハビエルが振り付け、
セビージャの演出家ペペ・ケロが演出
衣装デザインはコルドバのデザイナー、フアナ・マルティン
アニメーションをもつかって
フラメンコのリズムを説明していくという作品。

ドゥエンデ役(写真)のカレン・ルゴが
2拍子にはじまり、3拍子、4拍子とフラメンコのリズムをさがしていくという構成。

写真;Javier Fergo 

ハビエル自身もサルバドール・ダリ役で登場するほか、
 小島舞踊団公演でカリストを踊ったクリスティアン・ロサーノがデカルト役、
俳優のリカルド・ルナがレオナルド・ダ・ビンチ役で登場。
アートを理数系で解き明かすという試みのようだ。

当然、説明的な台詞が多くなる。
が舞踊ももちろん!
なかでもクリスティアンのファルーカ!

 写真;Javier Fergo 

この人の回転の美しさは特筆もの。
かたちがきれいなのに
衣装がそれを殺しているのは残念だったが。 

写真;Javier Fergo 

一時舞台からは引退していたハビエルも復活。
昔どおりの美しい動きをみせてくれた。
ソロで踊ったファンダンゴにオレ!

問題は曲の説明。
セビジャーナスは6拍子?
ブレリアを説明するのに
グアヒーラとシギリージャとソレア?
うーん、それはちょっとちがうのでは?
と思うところが多々。
シギリージャとソレアを踊り分けるところでは
どちらもソレア・ポル・ブレリアにしかきこえなかったし。

また対象とする観客がみえてこない。
3分ほどの休止(休憩ではない)をはさんで2時間近くの舞台は
小学生はあきるだろうし
中学生向けなのかな。

と問題はあるものの
これだけおおがかりな作品を
つくりあげたハビエルには脱帽である。