2011年4月30日土曜日

ダニ・デ・モロンとアルフレド・ラゴス

4月28日木曜日
セビージャのテアトロ・セントラルでの
「フラメンコ・ビエネ・デル・スール」は
火曜日に引き続きギターが主役。
ダニ・デ・モロンとアルフレド・ラゴス。
伴奏を中心に活躍の中堅ギタリスト二人の登場だ。

舞台には椅子が二脚。
ただそれだけ。

最初に登場しダニの4曲。
続くアルフレドの4曲。
デュオで1曲
いずれもギター一本のみ。
バイレやカンテはもちろん、パーカッションもパルマすらない。
素のギターのみである。
こんなリサイタルは数年前のビエナルでのヘラルド・ヌーニェス以来。


ダニ・デ・モロンは故郷モロンの先輩、
ディエゴ・デ・モロンのスタイルを彷彿とさせる、
一種悪魔的な、黒い魂をそのままさしだしたようなシギリージャがすごかった。
火曜にきいたチクエロの破綻のない、きちんと構成された“曲”と対照的。
ディエゴのコピーをしているのではない。
同じファルセータを弾いているわけではない。
だが、その哲学というか、曲想というか、が
ディエゴを思い起こさせるのだ。
土地の力?

最後のブレリアでも
チクエロが聴き手を意識して曲をつくっているように思えるのに比べ
自分の思いのままにぶつけてくるような印象。
だがそれがまたムイ・フラメンコなのだ。
一種、自分勝手なようにみえて
フラメンコの芯の部分にがっつり着ている感じ。
重み。深み。自由さ。
すごみのあるフラメンコ魂だ。

アルフレド・ラゴスはロンデーニャからカーニャへとすすむ
ロンデカーニャ、さとうきびのラムという意味にもなるしゃれたタイトルの曲から。
イスラエル・ガルバンとの公演で聴きなじんだメロディが
あらわれてはきえていく。
フラメンコのかたちを崩すことなく
抜群の安定感で飛ばして行く
ソレア。ファンダンゴ。ブレリア。
ヘレス生まれでヘレスの香りももちろんあるのだが
あちらこちらにビセンてやパコの文法があらわれる。

まったくスタイルの違う二人のデュオも面白く
最後はゲストのパストーラが華をそえた。


チクエロもだけど
ふだん伴奏で踊りや歌の影にかくれがちの彼ら、ギタリストたちの実力を
みせつけるこのような公演。
これからも続けてほしい。

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