2011年6月27日月曜日

映画「モレンテ」

先日少しお話しした

そのとき

そこにエンリケがいる

と思う、そんな映画。

と書いたけど
本当に
私はそう思ったんだ。

エンリケがいなくなってしまって
もう半年。
マドリードでのお通夜にも行ったのに
まだ実感がわかない。

映画はそんな気持ちを後押し。
いつもの微笑み。
うん、彼はいつも笑っていた。
グラナダ訛のおしゃべり。
ちょっとした話に多くを学んだ。
フラメンコへの真摯さ。
深く深くフラメンコを愛し
理解し
再創造していったエンリケ自身が
そこにいる。
こどもたちをみるまなざしのやさしさ。

映画は
2010年7月2日、
ピカソの床屋として知られた
エウヘニオ・アリアスの故郷
ブイトラゴ・デ・ロソジャでのコンサートや
そのための稽古、
町歩き、そしてアリアスのコレクションであるピカソ美術館を訪問し
アリアスの息子と語る姿を、
生まれ故郷グラナダの
アルバイシンを歩き
アラブ風呂で
エストレージャ、ソレア、ホセ・エンリケという
こどもたちと語り歌うところを、
9月24日
バルセロナのリセウ劇場での公演やそのリハーサル、
カフェで電話取材にこたえる彼を、
11月
入院を前に
ソフィア王妃美術館でゲルニカを前に
歌いたたずむエンリケを、
入院の三日前
ジャズピアニストの伴奏で
亡くなったアントニオ・ベガの曲「堕ちた天使」を歌うモレンテを
とらえている。

それは月日通りに現れるのではなく
いろいろな瞬間がとりどりに現れるのだが
そこにはたしかに
エンリケ・モレンテ、
その人がいる。




昨日、ラジオで、
かつてラジオでユーモア番組をやっていて
最近フラメンコ小説を書いた
フアン・ルイス・カーノが
「エンリケの本当のすごさをフラメンコたち自身も
まだわかっていない」
と言っていたのに
大きくうなづく。
歴史がきっと証明してくれるだろう。


それにしても
どうして
こんなに早く
突然に
いってしまったのだろう。。。

0 件のコメント:

コメントを投稿