2012年9月29日土曜日

小島章司フラメンコ舞踊団「ラ・セレスティーナ」

小島章司フラメンコ舞踊団
「ラ・セレスティーナ」

スペインと日本のフラメンコの融合。
見事なチームワークで
最後はスタンディングオーベーションにつつまれた。

写真はビエナルのオフィシャルでAntonio Acedo撮影。















2012年9月26日水曜日

エステベス&パーニョ「コンサグラシオン」

ビエナルにメインのアーティストとして2回目の登場
これはかなり珍しいこと

現在のビエナルは基本的にアーティスト側がだした企画から
フェスティバル側が選んでいくというかたちが基本のため
これは2本の企画をだしそれがそのまま通ったという希有なケースになる。

ウエルバ生まれのラファエル・エステベスと
コルドバ出身の・パーニョス
この二人がストラヴィンスキー「春の祭典」に取り組んだのが
この「コンサグラシオン」
(春の祭典のスペイン語タイトル、コンサグラシオン・デ・プリマベーラより)

「春の祭典」というとニジンスキーの振付けのバレエ・リュスだが
バレエ・リュスといえばフラメンコを取り入れた「三角帽子」を上演し
これが今あるバレエ・フラメンコ
つまりフラメンコ舞踊団やフラメンコ作品につながっているわけで
これに取り組もうとした二人が研究していく上で
生まれたのがこの作品。
 Antonio Acedo

第1部はフラメンコ
トリージャを中心にアンダルシアの畑で働く人々を描く
小麦を刈る動きや労働に疲れて眠る姿。
休みに楽しむフィエスタ・フラメンカ。
馬やラバをつかって畑を耕したり
小麦をひいたり
そのかたちをたくみに表現していく。
フラメンコだけでなく民族舞踊の歌や踊りもとりいれている。
ゲストのアントニオ・カナーレスとラファエルが踊るタンゴが秀逸

Antonio Acedo
またコンテンポラリーのアントニオ・ルスとラファエル、ナニのからみもいい。



休憩をはさんで
第2部は「春の祭典」
第1部でみせた動きが複雑なストランヴィンスキーの曲の中で躍る。
拳を振り上げて立ち上がった農民たちが
黒の軍団の重厚の前に倒れて行く。
 とあらすじで語ってしまうとあっけないのだが
曲以上に複雑な振付けと群舞の圧倒的な力は
Antonio Acedo
ベージュや茶系をベースとした衣装や
その淡いトーンをいかすひかえめながら進行を助ける美しい照明などに
サポートされ観る者を圧倒する。

国立バレエやアンダルシア舞踊団なども凌駕する、
この実力派集団の作品が
各地の舞踊フェスティバルで公演されることを祈ってやまない


2012年9月25日火曜日

アウロラ・バルガス「アシ・ソイ・ジョ」



アウロラ・バルガスのリサイタル
「アシ・ソイ・ジョ」
これが私

バイオリンの調べで幕があくと
黒地にしろ水玉の衣装でマルティネーテ
Antonio Acedo
 ヘレスのギタリスト、アントニオ・イゲーロの伴奏でシギリージャ

ブレリア、タンゴを歌い踊るフェステーラとして知られる彼女だが
本格派への意気込みか。

バイオリンとギターでのナナで衣装替え。
赤い衣装で今度はマラゲーニャ

これもフェスティバルなどの舞台ではほとんど歌わないレパートリーだ。

ディエゴ・アマジャ伴奏のアレグリアスでようやく本領発揮しはじめた。

イゲーロのブレリアのソロでまた衣装替え。
Antonio Acedo
ピアノにフルート、バイオリン2人
コーラス2人にギター3人,パルマ2人
舞台一杯に広がるバックと
エメラルドグリーンのフレコの衣装で
ブレリアそしてタンゴ

果てしなく続くフィエスタ
熱にうかされたように
歌って踊る

みうちのフィエスタにでているような
そんな感じ。

踊るその足取りのかっこよさ
これは彼女にしかだせないアルテ
前日のカルメン・リナーレスはカンタオーラ
アウロラ・バルガスはアルティスタ
そんな感じだ

Antonio Acedo

カルメン・リナーレス「オアシス・アビエルト」



カルメン・リナーレスはマエストランサ劇場で
ミゲル・エルナンデスを歌った

「オアシス・アビエルト」
Antonio Accedo

ミゲル・エルナンデスは
1910年生まれ
スペイン内戦で共和国軍側で戦い
投獄されそこで結核のため31歳で亡くなった、
スペインを代表する詩人の一人。

彼の詩は
エンリケ・モレンテやマノロ・サンルーカルもとりあげているが
カルメンも彼の生誕100周年にあたる
2010年にこの作品を発表した。

ギター伴奏のフラメンコだけでなく
ピアノでしっとりと歌い上げた
フラメンコのリズムではないカンシオンもあり
トマシートも歌い踊ってアクセントをつける。
ただのリサイタルではなく
これはたしかに“作品”だ。









2012年9月23日日曜日

ペパ・モンテス「ミラーダ・アシア・デントロ」

ビエナル常連
ペパ・モンテス、リカルド・ミーニョ夫妻の公演

息子でピアニストのペドロ・リカルド・ミーニョが
ラビ・シャンカールの娘と共演したブレリアの録音で
二人のバイラオールが踊るオープニング

真っ赤なバタ・デ・コーラで登場し
ポーズを決めるとそれだけで拍手がわきおこる。
伝統的なフラメンコの姿は美しい。

黒い衣装でのタイトル曲
「ミラーダ・アシア・デントロ」
ソレア・ポル・ブレリアやファンダンゴなど
いくつかの曲種のポプリ。
オープニングに踊った二人の踊り手、マヌエル・ベジードとアベル・アラナ
パルメーロをつとめるオルコら、4人の男性舞踊手したがえて
ブレリアのやりとりがあったり、と、
ちょっとマヌエラ・カラスコ風。

ギターソロによる
マラゲーニャとブレリアをはさんで
Antonio Acedo
茶色の衣装でギター伴奏のみによるガロティン。
なかなか舞台で、とくに劇場で
踊られることがない曲だが
闘牛士のような見事な刺繍のベストで踊った。
ちょっとタラント風?

Antonio Acedo
 最後は白のバタ・デ・コーラで
マントンをつかったカンティーニャス。


ビエナルのオフィシャル写真ではガロティンのものだけで
バタ・デ・コーラの写真がないのが残念だ。

クラシックな、昔ながらのフラメンコ。
そのかたちの美しさはさすがだが
それだけで1時間半は…。

合わせのブレリアを踊った踊り手たちより
パルメーロをつとめた踊り手たちの踊るブレリアの方が
より迫力があったり。

本当はペパ一人の舞台ではなく
ローリ・フローレスやミラグロス、アナ・マリア・ブエノなど
同じくらいの世代の踊り手たちと共演するなどした方が
面白くなるのかもしれない。

2012年9月22日土曜日

フェルナンド・ロメーロ「ソルティレヒオ・デ・サングレ」



かつてクリスティーナ・オヨス舞踊団で活躍し、
またスペイン国立バレエ団でホセ・アントニオ前監督のアシスタントをつとめた
フェルナンド・ロメーロの新作は
Antonio Acedo
4世紀のグアダルキビール川の谷を舞台にしたギリシア悲劇調作品。
(とプログラムだけみてかいたが
実はシェークスピア「マクベス」を下敷きにしているらしい)


森の魔女の呪いで
戦士が王のもとに帰ると
王妃は皆を眠らせ
王を殺しそのぬれぎぬを友人にきせ
友人をも殺すが
王妃は亡霊に苦しめられ
戦士は王の息子に殺される
というおどろおどろしい物語

主役の戦士を踊るフェルナンドの原案,振付けで
演出はホセ・アントニオ
魔女にエレナ・アルガド、
友人にミゲル・アンヘル・コルバチョ
息子にヘスース・カルモナ、と
元国立バレエ団員が並び
王妃がアナ・マリア・ブエノ

Antonio Acedo

音楽はスペイン現代音楽のホセ・ニエト。
振付けもフラメンコではなくスペイン舞踊というか
サパテアードはつかうが
現代舞踊的動きもとりいれたもの。

踊り手は皆うまいし
音楽もいい。
作品としてもよくまとまっている。
物語もちゃんと伝わって来る。

話が暗すぎて
どうにも気がめいる。

王妃役のアナ・マリア・ブエノは
長らくタブラオで活躍したベテランだが
役を踊る表現力も素晴らしい。

Antonio Acedo

ロサリオ・トレド「アレルヤ・エロティカ」

フェデリコ・ガルシア・ロルカの
「アモール・デ・ドン・ペルリンプリン・コン・ベリサ・エン・ス・ハルディン」
ペルリンプリンとベリサの庭での恋
をフラメンコ化した
「アレルヤ・エロティカ」

ベリサをロサリオ・トレド
ドン・ペルリンプリンをホセ・バレンシア
そしてシンボルとしての人物にダニ・メンデス

Antonio Acedo
セビージャの演劇研究所TNTの制作で
フアナ・カサードの演出。
大掛かりなこった装置だが
踊り 歌 ギター
3人だけの舞台

若い娘ベリサのロサリオは熱演
そのかなり年上の亭主ペルリンプリンのホセも
歌に芝居に熱演

かなり稽古を重ねたことだろう。
若く奔放なベリサを
アレグリアスなどフラメンコ曲にのせて踊っていく

年配のペルリンプリンには
若すぎるが歌い踊り芝居をし
そしてその歌がきちんとしている。


作品としてはかなり完成度が高いし
上質なフラメンコでもある。


Antonio Acedo

でもなんかすっきりしない。
前知識がなくても
物語が理解できるかというと疑問。
フラメンコの部分がよければ
物語なんてどうでもいいと思う観客もいるだろうが
物語のある作品の場合やはりそれでは問題だろう。


この作品が誰に向けてつくられているのか
どういうマーケットがあるのか
もよくわからない。

そんなもやもやがあったから
私は素直に楽しめなかったのかもしれない

2012年9月21日金曜日

セグンド・ファルコン&パコ・ハラーナ「エントレ・エル・ラビオ・イ・エル・ベソ」

中堅カンタオール、セグンド・ファルコンと
奥方エバ・ジェルバブエナへの伴奏でもおなじみパコ・ハラーナの
「エントレ・エル・ラビオ・イ・エル・ベソ」
Antonio Acedo



ストリングス・オーケストラ、オルケスタ・ベティカ・デ・セビージャとの共演で
「ソラメンテ・ウナ・ベス」などのポピュラーソングで知られる、
アグスティン・ララの曲と
詩人オラシオ・ガルシアの詩を歌うという試み。

オーケストラは舞台装置のように舞台に陣取り、
その前にセグンドとパコ、
そしてパーカッション、コーラスが並ぶ。

オーケストラとギターが同時に演奏するとき
ギターがまったく生きてこなかったり、というのは
オーケストレーションのせい?
昔なつかしのポピュラーソングを扱ったせいもあってか
昔の映画音楽のように響く。
「ソラメンテ・ウナ・ベス」(只一度だけ)はブレリアにのせているのだが
歌の強さがブレリアに勝っていたようだ。

オラシオの詩は詩としてはともかく
フラメンコにのせたときはあまり生きてこない。
セグンドはしっかり言葉がきこえるように歌っていたのだが
フラメンコのリズムとはミスマッチのような

Antonio Acedo

後半ペテネーラ〜カーニャ。ポロでは
ウルスラ・ロペスがジェルバブエナの振付けを踊ったが
これもエバだと生きて来る、ピナ風フラメンコが
背が高く手足の長い彼女だとこれもミスマッチ感。

最後に踊ったマラガ出身のモイセス・ナバッロのタンゴも
先日のラ・ルピ同様の身体の扱いも感じたりで
やはり作品とはミスマッチ感。

でなんだかだるーい気分になったのでした。
でも劇場はスタンディングオーベーション。

でなんだかぼんやりした感じで

2012年9月19日水曜日

プロジェクトGR 舞踊団「REW」

  マヌエル・リニャンとダニエル・ドーニャの
プロジェクトGR舞踊団
「REW」

もともとスペイン国立バレエ団監督公募に応募のために
グラナダ出身の二人の舞踊家が
企画したもの。
監督には選出されなかったものの
プロジェクトを進め
国立バレエ団出身者など優秀なダンサーたちを集め
実現したのがこの作品だ。

REW 巻き戻し
というタイトル通り
スペイン舞踊の歴史を巻き戻していく

Antonio Acedo
フラメンコ
エスクエラ・ボレーラ
Antonio Acedo
クラシコ・エスパニョール
ダンサ・エスティリサーダ
フォルクローレ
  
古典的な舞踊も
シックな現代的な衣装でみせる
舞台の上で着替えるのは最近の流行?
ロシオ・モリーナ、ロハス&ロドリゲスなどもやってましたね

練習を重ねに重ねただろう精緻な舞踊はお見事

ただ衣装があまり変わらないこともあり
一般にはわかりにくいような気も。
シックよりも派手な方がより楽しめたかも?

Antonio Acedo

2012年9月18日火曜日

マルコ・バルガス&クロエ・ブルーレ「コレクション・プリバーダ」

ロペ・デ・ベガ劇場から万博跡地のカルトゥーハへ。
マルコ・バルガスとクロエ・ブルーレ
デュオで活動するようになって7年という二人の
これまでの作品から集めた振付けを踊るという作品。

セビージャ生まれカラコリージョに手ほどきを受け
マリオ・マジャ舞踊団や劇団クアドラで活躍したマルコ。
映画「フラメンコ」でイスラエル・ガルバンとともに
マリオの腕をとっているのが彼である。
一方クロエはカナダの出身。
ハビエル・ラトーレなどの作品で抜擢され
このマルコとのデュオでフラメンコ界に名前を定着した実力派。


音楽は全て録音。
ディエゴ・アマドールのピアノや
ラウル・カンティサーノのギターのほか
ポップな曲もあったり。
彼らの動き自体もあくまで主体はフラメンコであるものの
現代舞踊的な要素というか
フラメンコというよりダンスのイメージかもしれない。

これまでの作品を集めたものだから、かもだが
彼らのスタイルが際立ったように思えた。
一人が逃げ一人が追いかける
洗練されていてユーモアもあって
面白い。
テクニックがある二人だからできるものだ。



結局彼らのデビュー作のテーマでもある
近くにいても愛し合っていてもすれ違う
という感じが全体に漂っているのも面白い。



ホアキン・グリロ「フラメンコの海」

今年のヘレスのフェスティバルの閉幕を飾った
ホアキン・グリロ「フラメンコの海」

タイトルこそ同じだが
衣装、出演者、舞台美術。
内容は大きく変わっていた。

舞台は船となり
出演者たちは船乗りというか海賊というか難破した人というか
といったいでたち。

Antonio Acedo

アレグリアス
ファルーカ
ソレア・アポラー
ブレリア

踊る曲は変わらないものの
ヘレスでいたコンテンポラリーの踊り手も
トルコの美しい笛の奏者も姿を消したので
イメージからしてまったく違うものとなった。
ヘレスではモラオに捧げられたあのモラオのギターで一人で踊ったブレリアもない。

グリロの姿かたち、そして動きの美しさは特筆もの。
時折わざと姿勢を崩すことはあっても
いつでもきちんとしたコロカシオンなのにはほれぼれする。
もちろん彼の十八番の音楽のようなサパテアードもすばらしいが
手の動きひとつをとっても
決まるべきところにすっと手が決まる。
足をすっと後ろにひいてのばしたファルーカの形のみごとさ。
今一番、美しいかたちをみせることができる踊り手だろう。

アントニオ・ガデスやホセ・アントニオがかつてそうだったように。

グリロのすごさは
サパテアードやコンパスだけではないのである。

Antonio Acedo


2012年9月17日月曜日

オテル・トリアーナ「ヘレス」

オテル・トリアーナで公演最終日はヘレス。

ディエゴ・デ・モラオ、ペペ・デ・モラオ、
マヌエル・バレンシアと
若手ギタリスト3人のギターソロ、
モライートへのオマージュではじまった。

Antonio Acedo
 ホセ・メンデス、エル・トルタ、ルイス・エル・サンボが
トナーを歌い継ぐ。
Antonio Acedo
最後に歌ったルイスが
「サンティアゴ街に歓びはない。モラオが亡くなったから」
と歌い上げる。
涙。
もう1年もたつのに彼の不在に慣れずにいる。

Antonio Acedo
マリア・デル・マル・モレーノはアントニオ・デ・マレーナの歌でシギリージャ。

 マカニータはソレア・ポル・ブレリア。
Antonio Acedo

Antonio Acedo
最後はティア・クーラとティア・ジョジャも加わり
ブレリアでフィン・デ・フィエスタ
やっぱりヘレスはこれですね
Antonio Acedo

2012年9月16日日曜日

オテル・トリアーナ「マラガ」


オテル・トリアーナでは地域ごとの公演。
先週末は地元トリアーナと
トリアーナ出身者も多く住むトレスミル地区の公演だったが
今週はマラガとヘレス。

チャト・ベレスのカンテに続き
踊り手ラ・ルピが登場。
今やミゲル・ポベーダの公演に出演するなどもしているが
身体の使い方がバイレというより新体操チック。
首の位置などもうーん、であります。
首の位置は実はとても難しくて
きちんとしている人はけっこう少ないのですけれど。
Antonio Acedo


続いては
カンカニージャ・デ・マルベージャ
アントニオ・モジャの伴奏で熱唱。

Antonio Acedo
そしてカレーテ登場!
Antonio Acedo
自由闊達に舞台の上を泳ぎ回る。
Antonio Acedo
見ている人が笑顔になる。
Antonio Acedo

椅子に座り

Antonio Acedo

スカーフを頭にかぶり、と
やりたい放題。
でもそれがまたフラメンコ。

Antonio Acedo

最後はカニェータ・デ・マラガ!
のりのりのタンゴにブレリア。

Antonio Acedo

2012年9月15日土曜日

サラ・バラス「ラ・ペパ」

Antonio Acedo

スペイン一の人気バイラオーラ、
サラ・バラス。
出産休暇を経ての復帰第一作
「ラ・ペパ」は
1812年カディスで制定されたスペイン初の憲法を記念する作品。
タイトルはその憲法の愛称。
憲法に愛称があるっていうのもすごいけど
理由は制定された3月19日が聖ヨゼフ、サン・ホセの日で
ホセの女性名であるホセファの愛称ペパがついたのだそうな。

カディスではこの憲法制定2百年を盛大にお祝い中であり
この作品もそれにちなんだもの。

1808年から1814年の
フランス相手の独立戦争を
黒い衣装の群舞でみせ
ようやく訪れた自由と平和を
黒いマントを脱ぎ捨てた赤い衣装のサラが踊る。

港町カディスの情景を
女性たちのグアヒーラ
男性たちのサパテアード
ファンダンゴ
そして青い衣装のサラのシギリージャ
色鮮やかなホリゾントに激しいサパテアードが映える。

Antonio Acedo

サラの舞台は
いつもながらに
照明がきれいで華やかで楽しい。
が振付けとしてはバラエティに欠け
また全員が同じ振りなことが多いのが残念。

それでもサラの圧倒的なスター性は
マエストランサの満員の観客を手中にしてしまうのだ。
あの笑顔とサパテアードで。

出産を経て少しふくよかになったようで
回転にかつてのきれがないようにも感じたが
あの自らが「オートバイ」と評した
連続サパテアード移動や
たっぷりとしたスカートをもっての回転など
サラならではのバイレをたっぷりみせてくれた。

最後の現代のカディスでラ・ペパのモニュメントがアレグリアスを踊りだし
ブレリアへと続くフィナーレまで
たっぷり2時間。
長かった。






2012年9月14日金曜日

エステベス&パーニョス「ロマンセ」

La Bienal Antonio Acedo

セビージャに帰りセントラル劇場へ。
ラファエル・エステベスとナニ・パーニョス
+カンテのサンドラ・カラスコで
「ロマンセ」

舞台にはこの三人だけ
歌われるのは無伴奏のロマンセのみ
というシンプルな舞台。
ドイツ人舞踊家サシャ・ヴァルツのもとで活躍した
バスク人舞踊家フアン・クルスの手による演出も
ミニマリズムかつ洗練。
よけいな色は何もない。
椅子と板とバケツそしてその中に入った水と滑車。

それらが
何の象徴なのか
なにかを現しているのか、
なーんにもわからない。

La Bienal Antonio Acedo 


それでも
単調なロマンセにリズムを刻んだり
ふとしたところでみせる動きとリズムの関わり方とか
この二人ならではだな、と思うようなところがあり
それには満足。


個人的にはあまり好きではないが
踊り手が話したりなどもすることから
芝居的な印象も強い。
歌い手のサンドラも歌だけでなく
踊りに関わるなど熱演。
ただエストレージャ・モレンテのような
美しい声は足音にかきけされることもあったのは残念。