2012年10月31日水曜日

スペイン国立バレエ団マドリード公演その1

スペイン国立バレエ団マドリード公演は
「スペイン舞踊の古典」
と題したプログラム。

スペイン舞踊とは
文字通りスペインの舞踊のことだけど、
公立舞踊学校でスペイン舞踊を専攻すると

エスクエラ・ボレーラ、
フラメンコ、
民族舞踊、
クラシコ・エスパニョール(ダンサ・エスティリサーダ)

という

大きく4つの分野のものを学ぶことになる。
(学校ではこのほかにクラシックバレエなどの授業もあるがそれはまた別の話)

エスクエラ・ボレーラは
バイレ・デ・パリージョ、カスタネットの踊りともいわれる、
カスタネット、跳躍と回転が特徴的な、
ロマンチックバレエとも縁の深い古典的な踊り。

フラメンコはスペイン南部アンダルシアで生まれ
今や世界中で楽しまれる世界文化遺産。

そしてアラゴンのホタをはじめ、バスクやガリシアなど
スペイン各地に伝わる民族舞踊。

そして
クラシコ・エスパニョールとよばれる、
もとはフラメンコやボレーラなどのテクニックをつかいクラシック曲を踊ったもので
今はクラシック曲に限らないこともありダンサ・エスティリサーダともよばれるもの。

今回はその4つをきちんとみせるプログラムだ。

最初は「パソ・ア・クアトロ」
フランンス語でいえばパ・ド・キャトル。
4人で踊るエスクエラ・ボレーラの作品。
スペイン舞踊史の偉人グラン・アントニオの振付けで
カスタネットを鳴らし、ロマチックバレエのような衣装で踊る。
昔の絵からぬけでたような美しさだ。

続いては
「ファルーカ」
日本では「フラメンコ組曲」のうちの一曲として長年親しまれた、
フラメンコのスタンダードナンバー。
昔ながらの腰高のパンタロンにベスト、フリルのついたシャツという姿も伝統的なら
振付けも伝統的。
3人の男性舞踊手の中心で踊るのは
第一舞踊手として国立にかえってきたマリアーノ・ベルナル。
その姿の美しさは特筆ものだ。

3曲めはビクトリア・エウへニア、ベティ先生振付けの
「ビバ・ナバーラ」
踊るのはゲストのベテラン、カルメン・クビージョ。
カスタネットの音が美しい。

第一部の最後はアラゴンの民族舞踊ホタ。
ホタの歌手も生で歌い雰囲気を盛り上げる。
ホタを舞台芸術に高めた名手、故ペドロ・アソリンの娘による
父に捧げた振付けはみごたえがある群舞。
跳躍、細かい足の動きも面白い。
元気が出てくる感じだ。
あまり日本で上演されない演目だが
スペインを知る上では欠かせないものだろう。

そして20分の休憩をはさんでいよいよ「メデア」だ。
つづく

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