2013年2月24日日曜日

ヘレス・フェスティバル2013ロシオ・モリーナ

今現在、最もすごいバイラオーラ、
それがロシオ・モリーナだ。
完璧なテクニック。
抜群の身体能力。
ミュージシャンのようなリズム感。
どれをとっても超一流で
今一番巧い踊り手に違いない。
そんな彼女の新作「アフェクトス」
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 Foto; Javier Fergo

出演は彼女のほか
歌い手のロサリオ・ラ・トレメンディータと
ウッドベース奏者のパブロ・マルティンの三人だけ。
演出は2009年の彼女の作品「石が飛ぶ時」のカルロス・マルケリエ。

裸の舞台。
下手にソファとギター。
舞台中央奥には洋服掛けと椅子、そしてギター
上手にはウッドベース

うすぼんやりとした照明にうかびあがる
ベースの響きで
椅子の上ギターと戯れるロシオ。
そのポーズのひとつひとつが完璧な形だ。

衣装といえるような衣装はなく
練習着のような胸をかくし後ろがシースルーの黒いTシャツと
黒の短いぴったりしたスパッツのようなもの。
その上にガウンをはおったり、スカートをはいたりで変化をつけるだけ。
 そのシンプルさがまたロシオの力をきわだてる。

ブエルタのバリエーションの多さ、そしてその完璧さ。
サパテアードの正確さ。
右足も左足も変わりなく見事に撃ちつける。
それも曲ごとのアクセントの置き方が絶妙で思わず悶絶。
すばらしいとしかいいようがない。


こもるような響きがやさしい
トレメンディータの歌と
火花のようなロシオの踊りがからみあう。
二人だけの親密な空間での
パルマとサパテアードの応酬のものすごさ。

彼女の姿をもっとはっきりみたいのに
照明はぼんやりのまま。

ぼんやりとした光や衣装、
作品の芯となるものもぼんやりとしていて
作品としては私の好みではない。
それでも
ロシオの圧倒的なバイラオーラ力の前にはひれふすしかない。

いくつものオレがこぼれでた。
彼女を冷たいという人もいるのだが
私にとっては熱いフラメンコなのである。

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