2013年4月26日金曜日

エバ・ジェルバブエナの聖女たち


中庭の真ん中にある噴水を中心に十字に伸びた舞台。
南はしにはフラメンコギターとドラムセット、
北のはしには チェンバロが。

スルバランが描いた聖女たちに
想を得たスペインを代表するファッションデザイナーたちの衣装が
フラメンコとバロック音楽に舞う。

主役は衣装
エバの振り付けはその彩り。
舞踊の舞台というよりも
ファッションショーのようだ。
フラメンコを期待して 行ったらがっかりするだろう。
音楽の中心はセビージャバロック楽団
衣装も音楽も美しい。
これは舞台よりも映像でみたかったかも
などと思い始めた後半。

天使に包帯をまかれたサンタ・アグエダ、
ヘマ・モラード、のカスタネットが
アントニオ・コロネルのパーカッションと響きあう。
サンタ・アポロニア、ウルスラ・ロペスはボレーラで
サンタ・イサベル・デ・トゥリンヒア、
タマラ・ロペスのトゥシューズで
バロックの調べをマルカールしていく。
聖女たちの受難と法悦がうかびあがるようだ。

4人の聖女たちのファルーカ。
そして最後に登場したサンタ・カシルダ、
エバ。
ゆっくりゆっくりしたその動きが
空気を動かす。
指先が、目線が語る。
かたちの美しさ。
その彼女にふりかかる
ホセ・バレンシア渾身のサエタ。
定番ソレアをしのぐとも思われるほど
深い深い表現、フラメンコを感じさせる。
  

このセビージャ市のビデオでは
音楽と映像がシンクロしていないし
ロペス姉妹の舞踊の粋もないのが残念だが
片鱗は感じていただけよう。



なお展覧会は5月3日から7月20日まで。
入場券はこちら
ロンドンのナショナルギャラリーをはじめ
マドリードのプラドやビルバオ、マラガ、オビエドなど
各地から集められたスルバランの聖女たちの絵画と
それにインスパイアされた現代のデザイナーたちによるファッション、
すなわちこの舞台の衣装の数々が展示される。

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