2013年9月28日土曜日

モネア死す

9月27日午後4時半
ヘレスのアレナル広場で
モネアが亡くなった。
66歳、突然の死だったのだという。
 
モネア
アントニオ・デ・ロス・サントス・ベルムデス。
日本でもおなじみのギタリスト、ドミンゴ・ルビチの叔父、
ドミンゴの父で歌い手だった故ディエゴ・エル・ルビチの弟で
マヌエル・アグヘータスとは従兄弟にあたる。
ペーニャなどでパルメーロなどをしていたが、
日本からヘレスにフラメンコを観に行った人ならきっと一度は会った事があるだろう。
 
ヘレスのセントロのバルなどにおり
日本人とみると話しかけてきて
フラメンコは好きか、好きなら一緒にペーニャに行こう、などと誘いかけてくる
小柄で細身、褐色のヒターノ。
いや日本人だけに限らない。
外国人ならかたっぱしから、だったかも。
彼のおかげで観光客にはなかなか観られないフラメンコと出会えた人も多いことだろう。
 
その反面、その熱心さが度を過ぎて
宿泊先におしかける、腕をとってひっぱっていこうとする、など
怖い思いをした人もたくさんいた。
彼に悪気はなかったんだろうけどね。
 
ヘレスの名物おやじが一人またいなくなった。

2013年9月27日金曜日

ラテン・グラミーのノミネート

ラテングラミー賞のノミネートが発表されました。
今年で14回目を迎えるこの賞。
伝統部門にタンゴやフォルクローレとともにフラメンコ部門があります。

今年のノミネートは
ビセンテ・アミーゴ「ティエラ」
アルヘンティーナ「ウン・ビアへ・アル・カンテ」
ホセ・メルセ「ミ・ウニカ・ジャベ」
エストレージャ・モレンテ「アウトレトラト」
ミゲル・ポベーダ「レアル」
トマティート「ソイ・フラメンコ」

今年は有名アーティストが勢揃い。
こうやって考えると去年は録音けっこう豊作だったのかもしれません。


2013年9月23日月曜日

いよいよ明日からフラメンコ見本市


いよいよ、明日24日から
第一回ムエストラ・デ・フラメンコ、フラメンコ見本市が始まります。

スタートはハビエル・バロン。
ホセ・バレンシアをゲストに招き、
ハビエル・パティーニョのギター、
ホセ・カラスコのパーカッション、
アレシス・レフェルベのバイオリン、
元ソン・デ・ラ・フロンテーラのラウル・ロドリゲスの、
キューバの弦楽器トレス

それぞれがソロでリサイタルを開ける実力者の結集で
必ずすごい舞台をみせてくれることでしょう。

2013年9月22日日曜日

第1回ムエストラ・デ・フラメンコ

いよいよ来週、24日からはじまる
ムエストラ・デ・フラメンコ

その中心はセントラル劇場での公演だが、
関連イベントもいくつか。


メイン会場のセントラル劇場では
パコ・サンチェスのフラメンコ写真展「ミラーダ・デ・バイラオーラ」が
全期間を通して行われるほか、
前半9月中はフラメンコ・コミック「ヘルンディーノ。フラメンコを通しての旅」
後半10月には「フラメンコでの美術エクスペリエンス」が転じされます。

また、主宰者であるインスティトゥート・アンダルース・フラメンコでは講演会も。
詳細は上のパンフレットに出ていますのでご興味のある肩は拡大してみてくださいね。

2013年9月21日土曜日

ラファエラ・カラスコがアンダルシア舞踊団新監督に決定

バレエ・アンダルース・デ・フラメンコ、
アンダルシア・フラメンコ舞踊団の新監督に
ラファエラ・カラスコが決定した。


ルベン・オルモ監督の2年の任期満了に伴い、6月公募開始。
新作のプロジェクトと監督のキャリアなどを
マティルデ・コラルを委員長に
マリベル・ガジャルド、セグンド・ファルコンらアルティスタ、
マルタ・カラスコ、ロサリア・ゴメスら舞踊記者などによる審査会により
選出されたもの。
その企画は
ラファエラの企画はロルカやファリャらによる、
1922年のグラナダのコンクールに想を得たものだという。

ラファエラはセビージャ生まれ。
6歳で踊り始め8歳でマティルデ・コラル門下。
18歳でマリオ・マジャ舞踊団でデビュー。
後マドリードに居を移し活躍し続けるフラメンコ・ダンサー。
自らの舞踊団で「バモス・アル・ティロテオ」など数々の作品を発表。
スタイリッシュなフラメンコには定評がある。
また振付家としてもスペイン国立バレエに振りつけるなど活躍中だ。



2013年9月20日金曜日

第33回ホアキン・エル・デ・ラ・パウラ・フラメンコ祭

セビージャ郊外の町、アルカラ・デ・グアダイラ。
今はセビージャのベッドタウンでもあるこの町のフラメンコ祭。
この町ゆかりの伝説のカンタオール、ホアキン・エル・デ・ラ・パウラは
ソレア・デ・アルカラの創唱者で
フアン・タレガやマノリート・デ・ラ・マリアの師にあたる。
彼が住んでたという洞窟にほど近いところにある、
新しい劇場での公演。
入場料は10〜15ユーロ。



★第33回ホアキン・エル・デ・ラ・パウラ フラメンコ祭
9/28(土)21時30分
[出]〈c〉ホセ・メルセ、アルヘンティーナ、ペドロ・シンタ、へスース・メンデス、アントニオ・ソリス、〈g〉ディエゴ・デ・モラオ、ニーニョ・エリアス、マヌエル・バレンシア、アントニオ・ガルシア、〈b〉ダビ・ペレス
[場]セビージャ県アルカラ・デ・グアダイラ アウディトリオ・リベラ・デル・グアダイラ
[料]10〜15ユーロ。
[問]www.ciudadalcala.org

2013年9月19日木曜日

ララチ・デ・シャロン

 シャロン・サピエンサは1974年地中海の小国マルタ生まれ。
フラメンコにひかれてセビージャ留学。
マティルデ・コラルやファルーコに学び
ファルーコ一家とは舞台で共演。
後、マネージャー/プロデューサーに転向。
フアン・オガージャやソラジャ・クラビホ、
ベレン・マジャやイサベル・バジョンをてがけ、
若手舞踊家によるフェスティバル、ララチ・フラメンコは
セビージャで10年続き、パリやマラガでも行われた。
今年の2月13日心臓病で亡くなった。
あまりにも突然で彼女を知る多くの人たちの衝撃は大きかった。
彼女にオメナへを。
なにかをしたい。
そんなアルティスタや彼女の友達の思いが結晶したのが
9月18日セントラル劇場で行われた
「ララチ・デ・シャロン」
会場を埋めたのは彼女の友達たち。
一般に入場券は発売されなかった。


亡き人を悼む詩を踊るアリシア・マルケス
オーストリア出身でセビージャのタブラオなどでも活躍するフランセスカ・グリマは
テンペラメントいっぱいにシギリージャ。
エドゥアルド・トラシエラのギターソロにつづいて
ラ・トレメンディータはビダリータとブレリアを。
フアン・オガージャはアレグリアス。
無伴奏になったあとからのコンパス感がすごい。

マティルデ・コラルは早世した生徒を傷みスピーチ。
娘に支えられて歩くマティルデは涙をみせながら
クラスでそうしていたように腕を動かす。
その動きのなんともいえない美しさ。

クーロ・フェルナンデス、ペパ・バルガスの歌で踊るソラジャ・クラビホ。
マントンをまきつけてソレア。
イサベル・バジョンはヘスース・トーレスのギターでファルーカ。
最新作で踊っている曲だ。
しっとりと深い。
ハビエル・ラトーレは昨夜も踊った
レクイエムからマルティネーテ。
同じ曲だが舞台のコンディション、照明もあって
よりいっそう美しく、哀しい。

シャロンの両親そして夫君の涙こらえてのスピーチ。
誰からも愛された彼女の姿がよみがえる。

最後はフランシスコ・ベラスコのカパ使いが美しい
「はかなき人生」

天国からこの公演をプロデュースしたシャロンの笑顔が目に浮かぶ。
ありがとうシャロン。
アスタ・シエンプレ。


2013年9月18日水曜日

2012年ビエナル ヒラルディージョ賞授賞式

セビージャのビエナルで
秀でた人作品におくられるヒラルディージョ賞
2012年度の授賞式が9月17日
セビージャのエスパシオ・サンタ・クラーラで行われました。
なお受賞者は昨年10月すでに発表されています。

前回同様
アンダルシアのテレビ局カナルスールで放映されるということで
司会者が登場。

まずは今回審査員特別賞を受賞した
「デ・ラ・プンタ・ア・ラ・ライス」の出演者である、
マノロ・マリン、ホセ・ガルバン、ラファエラ・カラスコによるアレグリアス。
マノロが口火を切り、シレンシオはラフィ、最後はホセが締める、
という構成。
いやいや素晴らしゅうございました。
マエストロの味わい
ラフィの師マティルデ譲りのバタさばき。


続いて授賞式。
まずは新人賞パトリシア・ゲレーロ

伴奏ギター部門フアン・レケーナ

伴唱部門ホセ・アンヘル・カルモナ 


 ギター部門賞受賞のダニ・デ・モロンのソレアをはさんで

振付賞のラファエル・エステベスとバレリアーノ・パーニョス
彼らは「ロマンセ」「春の祭典」とビエナルで二作品を発表。

その「ロマンセ」の演出をてがけたフアン・クルスが演出賞。

音楽部門は
「ラス・イダス・イ・ラス・ブエルタス」
フラメンコとバロック音楽の出会いが印象的

受賞後再び舞台に上がりシギリージャ。
新人賞のパトリシアが華を添える。


続いてマエストリア
巨匠賞とでもいったところでしょうかの
ハビエル・ラトーレ。
左は審査員をつとめた坂倉真紀子さん

審査員特別賞作品の監督をつとめたラファエラ・カラスコ
右は司会者


作品賞「アレルヤ・エロティカ」演出のフアナがトロフィを受け取る。

           
ハビエル・ラトーレはレクイエムからのマルティネーテを
いつものエレガンスで踊る。

ギター部門はアントニオ・レイとダニ・デ・モロンと若手二人が同時受賞

カンテ部門はホセ・バレンシア。
新人賞、伴唱と受賞し
ついにカンテ部門賞だそう。

舞踊部門は前回作品賞だったマリア・パヘス

ホセ・バレンシアはフアン・レケーナの伴奏で
トナからソレア、タンゴ、シギリージャ、ブレリアのメドレー

魔法の瞬間賞をマヌエラ・カラスコによる開幕公演でのソレアで受賞したのは
エル・ペレ。



渾身のソレアとシギリージャでみごと閉幕を飾る。
3時間近い長丁場。

受賞者の皆様おめでとうございます!


2013年9月17日火曜日

コルドバのコンクールでの公演

スペイン随一の歴史を誇る
コルドバのコンクール。

コンクールだけではなく
フラメンコ公演もたくさん行われます。

その詳細が発表されました。
エストレージャ・モレンテをはじめ
昨年のビエナルで初演され好評だった、
「ラ・コンサグラシオン」「アレルヤ・エロティカ」の2作品に加え、
小島章司フラメンコ・インターナショナル舞踊団による
「ファトゥム」が初演されます。

ヴェルディのオペラ「運命の力」に想をえたもので
ハビエル・ラトーレが20年前に発表した「運命の力」もベースにした新作です
脚本はメルセデス・ルイスの作品などをてがけたパコ・ロペス。
振付けはハビエル・ラトーレ、音楽はチクエロ、と、
「セレスティーナ」のコンビも参加。
コンクールだけではないコンクール。
この秋はぜひコルドバへ。




★第20回コルドバのコンクール
11/10(日)20時30分「アウトレトラト」
[出]〈c〉エストレージャ・モレンテ
11/11(月)~16(土)予選
11/19()20時30分「ラ・コンサグラシオン」
[出]〈b〉エステベス&パーニョス舞踊団
11/22(金)20時30分「アレルヤ・エロティカ」
[出]〈b〉ロサリオ・トレド、〈c〉ホセ・バレンシア、〈g〉ダニ・デ・モロン
11/23(土)~26(火)決勝
11/29(金)20時30分「ファトゥム!」
[出]〈b〉小島章司フラメンコ・インターナショナル舞踊団
11/30(土)20時30分「優勝者ガラ」
[場]コルドバ グラン・テアトロ
[問]http://nacionaldearteflamenco.webnode.es

2013年9月16日月曜日

ロルカでサラ・バラス公演

ロルカというとスペインを代表する詩人
フェデリコ・ガルシア・ロルカをまっさきに思い浮かべてしまうのでは?
でも地名でもあるのです。
ムルシア県のロルカは
2011年東日本大震災の二ヶ月後に
やはり地震がおき、9名の方がなくなりました。


この町でサラ・バラス舞踊団「ラ・ペパ」の公演があります。
これはこの町のお祭りの一環で
9月20日、お祭り初日のアトラクションです。
会場はスペイン広場。
入場券は30〜35ユーロ。

ムルシアはエストゥレマドゥーラとともに
アンダルシアについでフラメンコ熱が高いともいわれています。
いい公演になりますように。

2013年9月15日日曜日

ビセンテ・アミーゴenコルドバ

今週の土曜日、コルドバで
9月21日にビセンテ・アミーゴのリサイタルが行われる。

ビセンテは生まれこそセビージャ県グアダルカナルですが
コルドバにこどもの頃から住んで、ギターをはじめたのもここ。
コルドバの人たちは彼を凝るドアのギタリストと思っています。
なのでいわば故郷への凱旋。
会場はロックコンサートも行われる野外劇場、アセルキア劇場。
入場料は指定席が35ユーロと50ユーロ。
上部の自由席は25ユーロ。
ネットで購入するとこれに手数料がかかります。
なお現在グランテアトロの窓口では自由席を23ユーロで販売中とか。

なお10月にはセビージャでもコンサートがあります。

これはグラスゴーでのライブ

★ビセンテ・アミーゴ「ティエラ」
9/21(土)21時
[出]〈g〉ビセンテ・アミーゴ
[場]コルドバ アセルキア劇場
[料]25〜50ユーロ
[問]前売りwww.ticketmaster.es



2013年9月13日金曜日

ウエルカルのフラメンコ祭


アンダルシアの東の端のアルメリア県、
その首都アルメリア市から北に5キロ。
ウエルカル・デ・アルメリアで明日土曜日
フラメンコ・フェスティバルが行われる。
出演は地元アルメリア出身のトニ・フェルナンデス、
セビージャのフアナ“ラ・トバラ”、
伴奏はペドロ・シエラ。
舞踊はこの町生まれの16歳、
まだ高校生のイネス・デ・イネス。