2015年8月30日日曜日

マイテ・マルティンen カディス


カディスでのマイテ・マルティンのライブ。ギターがペドロ・シエラというのは珍しい。
セビージャ在住が長いペドロだがもともとはバルセロナ圏の出身。
子供の頃からの知り合いかも?

◆マイテ・マルティン
9/18(金)、19(土)
[出]〈c〉マイテ・マルティン、〈g〉ペドロ・シエラ
[場]カディス パイパイ
[料]20ユーロ
[問]http://www.cafeteatropaypay.com/

2015年8月29日土曜日

パコ・ロメーロ逝く

舞踊家振付家、また舞踊教授としても長年活躍してきたパコ・ロメーロがマドリードで亡くなった。

1941年マドリード生まれ。モンレアル、ラ・キカ、アントニオ・マリンに師事し、15歳でグラン・アントニオの舞踊団でデビュー。1960年、18歳のときにマリエンマ舞踊団の第一舞踊手となり、後、アントニオの舞踊団に復帰。1978年アントニオ・ガデス監督下のスペイン国立バレエの第一舞踊手として入団。1985年には自身の舞踊団を結成した。


アントニオ・カナーレス、マリベル・ガジャルド、ステラ・アラウソなどフェイスブックなどには追悼の辞がならんだ。


追加ビデオ 9月3日に国立バレエの仲間、フアン・マタがアップしたパコ・ロメーロのビデオであります。
 

2015年8月28日金曜日

さよなら バリ!




バリが亡くなったと、フェイスブックで知った。
もうずいぶん前から老人ホームに入っていたけれど、時にそこからトリアーナまで遊びにきていて、今年も何度か会ったから、信じられない気もして、その話をかいた友達にメッセで詳細をきくのだけど、誰もよくわからない、という。
そうこうするうちに、ABC紙のウエブに記事が掲載された。記者は知り合いなのでメッセするがこれもこたえてくれない。
やっと連絡がついたのは元国立バレエのダンサー、ホセ・オルテガで、彼が詳細を教えてくれた。ロシオ聖母病院で亡くなったそうだ。それもセビジャーナスの歌い手のアントニオ・ディアスとレストランのオーナーのアントニオ・ドナイレという、すごく彼に近い人の話できいたというので、まちがいない。脱力。


バリはトリアーナの名物おじさん的存在だった。
ソレア・デ・トリアーナを歌わせたら止まらない。
ギター伴奏があろうとなかろうと、 延々と歌う。その声のよさ。節回しも正統派。
でも歌い手ではない。
セビジャーナスのグループ、シエンプレ・アシのアルバムの、フィン・デ・フィエスタで、ルンバ「チーカ・サルバへ」を歌ったのはヒットにもなったが、ルンバ歌手でもない。
でもフィエスタがあれば歌って踊って。
ロシオ巡礼にはコックとして同行したりもした。食べ物にはうるさく、それで老人ホームでも問題をおこすとひとづてにきいた。
牛乳ビンの底みたいな眼鏡をかけているが、はっきりはみえていない。だから、こちらが話しかけないとそこにいることもわからない。声をきけばすぐに名前をよんでくれた。
仕事をしているわけではないけど、愛されて、元闘牛士夫人などが面倒をみていたのだという。
彼についてのこぼれ話はつきない。
バルに行ってお湯をたのみ、コンソメキューブをいれてスープにして飲んでた、とか。
ビンゴで100万ペセタあてたのだけど2週間で使ってしまったとか。
本当でも嘘でもどうでもいい。彼にはそんな話がよくにあう。

昔のトリアーナの、長屋の中庭でのフラメンコの香りが彼にはあった。
だからどこにいっても彼に食事やビッテルカスやカセーラ、ファンタをおごってくれる人がいた。
トリアーナの懐の深さと豊かさだね。

なんかでお金が入ったときだったのか、2度ほどピアスをプレゼントしてくれた。
キーホルダーをプレゼントしてくれたこともあった。
だからなんだ、といわれたらその通りなのだけど、もったいないことにもうみんながききあきていた、 トリアーナのソレアが大好きでいつも一生懸命きいていたのがうれしかったのかも、と思ったりする。

もう会えないんだね。トリアーナも泣いている。


このビデオで隣にいるミゲルももうずいぶん前に亡くなった。
アルトサーノのバルは健在だけどね。

2015年8月27日木曜日

トマーレスのフラメンコ祭

セビージャ郊外トマーレスのフラメンコ祭。
歌い手がそれぞれのギタリストやパルメーロをつれてくる、というのは今風ですね。
昔はギタリスト2人くらいが5.6人の歌い手の伴奏を交代でやっていたものであります。


◆第40回トマーレス・フラメンコ祭
8/29(土)22時
[出]〈c〉ホセ・バレンシア+〈g〉フアン・レケーナ、〈c〉マヌエル・クエバス+〈g〉マヌエル・エレーラ、〈c〉マヌエラ・コルデーロ+〈g〉アントニオ・ガメス、〈c〉セグンド・ファルコン+〈g〉マノロ・フランコ、〈c〉インマ・ルナ+〈g〉マリアノ・カンパジョ、フアン・マヌエル・フローレス、〈c〉ロサリオ・アマドール、エミリオ・カベジョ[場]セビージャ県トマーレス アシエンダ・サンタ・アナ
[料]10ユーロ

2015年8月26日水曜日

カディス、カフェ・テアトロ・パイパイ シクロ・フラメンコ 

カディスのカフェテアトロ、パイパイでフラメンコ公演シリーズが開催中。
先週は19日アナベル・リベラ、21日ロマン・ビセンティ、22日ホアキン・デ・ラ・ソラとすすみ今週もミゲル・ロセンドやロサリオ・トレドら地元アルティスタが登場します。

◆第13回シクロ・フラメンコ
8/26(水)22時30分
短編映画「ダンサ・デ・ピンセレス」
[料]無料
8/27(木)23時カンテと物語
[出]〈c〉ミゲル・ロセンド
[料]8ユーロ
8/28(金)23時
[出]〈c〉アナ・ゴメス
[料]8ユーロ
29(土)23時
[出]〈b〉ロサリオ・トレド
[料]10ユーロ
[場]カディス カフェテアトロパイパイ
[料]20ユーロ
[問]http://www.cafeteatropaypay.com/

2015年8月25日火曜日

カディス アレグリアス舞踊コンクール結果

アンダルシア・フラメンコ舞踊団のダンサー、フロレンシア・オリアンがカディスで行われた、第18回アレグリアス舞踊コンクールで優勝した。

フ ロンレンシアは1987年チリのサンティアゴ生まれ。2007年にスペイン、セビージャに移り、ロシオ・モリーナやミラグロス・メンヒバル、カンパージョ 兄妹、ハビエル・バロンなどに師事。09年ごろよりペーニャなどで踊り始めた。2011年に青少年コンクールで2位入賞でクリスティーナ・ヘーレン財 団奨学金を獲得。2013年にはマドリードのタブラオ、ビジャロサやラス・カルボネーラスのコンクールで入賞した実力派。同年末にアンダルシア・フラメン コ舞踊団のオーディションに合格した。

なおこのコンクールの外国人受賞者は松本良、キューバ人ヤサライ・ロドリゲス3人目。
訂正/松本良は第一回ソロの部の2位でした。

2位はウブリケ出身のイバン・オレジャーナ、3位はカディスのマリア・パルドで、井口裕香里は4位となった。

2015年8月24日月曜日

アルバセーテのフラメンコ

アルバセーテで今日から三夜連続のフラメンコ公演が行われる。
二日目と三日目はラ・ウニオンのコンクール、今年の優勝者と去年の優勝者。




◆アルバセーテ パティオ・フラメンコ
8/24(月)22時
[出]〈c〉 ホセ・カルピオ“ミヒータ”、〈g〉アントニオ・イゲーロ
8/25(火)22時
[出]〈c〉マリア・ホセ・ペレス、〈g〉アントニオ・フェルナンデス“エル・トレロ”
8/26(水)22時
[出]〈c〉ダビ・ラゴス、〈g〉アントニオ・イゲーロ
[場]アルバセーテ 闘牛場パティオ・デ・カバージョス
[問]www.albacete.es

2015年8月22日土曜日

カルタヘーナのペーニャのプログラム

カルタヘーナのペーニャの今年度のプログラム。
フラメンコはアンダルシアだけでなく、スペインのあちこちで楽しまれているのであります。

◆第3回シクロ・フラメンコ カルタヘーナ・ホンダ
9/26(土)22時
[出]〈c〉マルケス・サパテーロ、〈g〉エドゥアルド・レボジャール
10/24(土)22時
[出]〈b〉ハビエラ・デ・ラ・フエンテ、〈c〉ロシオ・ラ・ボテリア、〈g〉リアム
11/21(土)22時
[出]〈c〉アナ・ラ・ジジャ、〈g〉アントニオ・ピニャーナ
12/12(土)22時
[出]〈b〉マヌエラ・リオス、〈c〉エドゥ・イダルゴ、〈g〉リアム
1/30(土)22時
[出]〈c〉ダビ・エル・ガジ、〈g〉アントニオ・ピニャーナ
2/27(土)22時30分
[出]〈c〉ホセ・デ・ラ・メナ、〈g〉アントニオ・ピニャーナ
3/19(土)22時
[出]〈b〉マイセ・マルケス、〈c〉ロシオ・ラ・ボテリア、〈g〉ゴリ・マソ
4/23(土)23時
[出]〈b〉ダビ・ペレス、〈c〉エドゥ・イダルゴ、〈b〉リアム
5/21(土)22時
[出]講演パコ・パレデス、〈c〉エル・ランパ
5/28(土)22時
[出]〈c〉マヌエラ・コルデーロ、〈g〉アントニオ・カリオン
[場]ムルシア州カルタヘーナ ペーニャ・フラメンカ・アントニオ・ピニャーナ
[問]www.cartagenajonda.com

2015年8月19日水曜日

第43回ノーチェ・フラメンカenベヘール・デ・ラ・フロンテーラ


カディス県の白い村、ベヘール・デ・ラ・フロンテーラでのフラメンコ祭。
若手中堅ばかりの出演者というのは珍しいがなかなか魅力的な出演者だ。

◆第43回ノーチェ・フラメンカ
8/22(土)23時
[出]〈c〉ダビ・パロマール、メルチョーラ・オルテガ、ダビ・ラゴス、ランカピーノ・イーホ、ニーニョ・デ・フラグア、〈g〉ダニ・デ・モロン、エル・フアニ、ビクトル・ロサ、アントニオ・イゲロ、〈b〉“アル・スール・デル・スール”
[場]カディス県ベヘール・デ・ラ・フロンテーラ ラ・セグール城壁
[問]http://www.vejerdelafrontera.es/

2015年8月18日火曜日

フィエスタ・デ・ブレリア ブレリア・デ・ヘレス エル・オリヘン

ヘレス恒例、ブレリア祭が今年も開催される。
予算縮小もあって出演者に、カプージョやルイス・エル・サンボなど、ヘレスのスター歌手はおらず、ローレ・モントージャとレメディオス・アマジャの二大女性歌手と熟年クアドロふたつという構成。
昨年は無料ということもあり会場に入りきれないほど多くの観客を集めたが、さて今年は?


◆フィエスタ・デ・ブレリア
9/5(土)22時
[出]〈c〉ローレ・モントージャ伴奏〈g〉ホセ・アセド、「アルテ・アニェホ。デ・サンティアゴ・ア・ラ・プラスエラ」〈c〉ティオ・チコ・パオラ、フランシスコ・ルイス・メンデス、リポル、ミヒータ・パドレ、〈b〉ラ・マフマ、マヌエラ・デ・パスティーじゃ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、ペリキン“ニーニョ・ヘロ”、〈c〉レメディオス・アマジャ、伴奏〈g〉フアン・レケーナ、〈palmas〉マエル・ペロン、ホアキナ・アマジャ、〈perc〉アレハンドロ・アマジャ、「エル・コンパス。マヌエラ・カルピオ」〈b〉マヌエラ・カルピオ、〈g〉フアン・ディエゴ、〈c〉エンリケ・エル・エストレメーニョ、マヌエル・タニェ、ミゲル・ラビ、エル・キニ、〈palmas〉マイスラエル・カルピオ、イバン・カルピオ
[場]カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ アルカサル パティオ・デ・サン・フェルナンド
[料]20ユーロ
[問]www.jerez.es

2015年8月17日月曜日

ラ・ウニオン2015/結果発表

いよいよ結果発表。
まずは青少年特別賞から。25歳以下の歌い手におくられるもの。
レジェス・カラスコ。賞金3000ユーロ。


カンテ部門は大きくみっつのグループに分かれ、その中がさらに曲種でわかれている。
グループIII低アンダルシアのカンテ部門のC、ブレリア、カンティーニャス、タンゴス、ティエントス、ペテネラス、ファンダンゴス・ペルソナレス などを含む部門では
タンゴスを歌ったレポンピージャに。賞金3000ユーロ。


グループIIIのB、ソレア、ブレリア・ポル・ソレア、カーニャ、ポロ部門はソレアを歌ったアントニオ・メヒアス。賞金3000ユーロ。


 グループIIIのA、トナ、シギリージャ、リビアーナ、セラーナ部門もレポンピージャに。賞金3000ユーロ。

グループIIはマラガ、グラナダ、コルドバ、ウエルバのカンテ部門で、そのBはグラナイーナ、ファンダンゴ・デ・ウエルバ、ファンダンゴ・デ・ルセーナ、ベルディアーレス、ロンデーニャなどが含まれる。この部門の優勝はグラナイーナを歌ったロシオ・ルナ。賞金3000ユーロ。


グループIIのAはマラゲーニャ。マラガ県出身のイサベル・ゲレーロに。賞金3000ユーロ。


グループIはカンテ・デ・ラス・ミーナスで5部門に別れている。まずはそのE。ムルシアーナとタラント、レバンティカ、ファンダンゴ・ミネーロなどが対象。この賞はタラントを歌ったトニ・フェルナンデスに。賞金3000ユーロ。


そのDはタランタ。モンセ・ペレスが受賞。賞金3000ユーロ。


そのCカルタへネーラはマリア・ホセ・ペレス。賞金3000ユーロ


インストゥルメンタル部門。2位はアルフォンソ・アロカ 。賞金3000ユーロ。

優勝、フィロン賞はガウタマ・デル・カンポ。賞金6000ユーロ。

バイレ2位はアマドール・ロハス。賞金3000ユーロ。そそくさと立ち去ったので写真なし。
 バイレの優勝はアルバ・エレディア。賞金6000ユーロ。

 グループIのB、ミネーラはマリア・ホセ・ペレス。賞金3000ユーロ

 大賞であるランパラ・ミネーラもマリア・ホセ・ペレスに。賞金15000ユーロ。


大賞受賞者はもう一度ミネーラを歌い、授賞式は終了。


お疲れさまでした。

授賞式のあとも会場前の広場には受賞者たちが余韻にひたるように飲んだり食べたり歌ったり。朝方までフィエスタは続いたのでした。



ラ・ウニオン2015/コンクール決勝

残念ながら日本人参加者は決勝に進むことはできなかったけど、それぞれのベストをつくし、スペイン人観客にも好印象を残したことだろう。
最終日決勝。準決勝のときは6割くらいの入りだった客席もほぼ満員。人気のほどがうかがいしれる。

決勝、最初の出場者はピアニスト、アルフォンソ・アロカ。昨日と同じく、タランタとブレリア。

続いてガウタマ・デル・カンポ。やはり同じくタランタとトリアーナのソレア。安定感あり。

カンテ一人目はカルタへネーラとマラゲーニャでノミネートされたイサベル・ゲレーロ。


モンセ・ペレスはタランタでノミネート



そしてアルバ・エレディア!強さ、テンペラメント、ドラマティックさ、グラナダらしさを兼ね備えた20歳。

トニ・フェルナンデスのタラントとレバンティカ、タンゴをはさみ


アルバの2曲目はシギリージャ。シギリージャで赤い衣装というのはちょっと意外だったが、踊り自体にシギリージャの深みは感じられた。グラナダ風というか、カルメン・アマジャ風というか。顔の前で手を交差させたり、背をぐっとそらすカンブレなど、いわゆる今の主流の踊りとはひと味違うちょっと古風な味わいもかえって新鮮。



9歳のレジェス・オロスコはカンティーニャ。子供がでるのは反則のような気もするけど、ま、なごむことはなごみますな。


続いてマリア・ホセ・ペレス。ミネーラ、カルタへネーラ、ファンダンゴ・ミネーロとレバンティカ、マラゲーニャ、シギリージャの5部門ノミネートされた大賞候補だ。


 17歳、ロシオ・ルナはグラナイーナとメディア・グラナイーナのみでのノミネート。


レポンピージャは昨日歌った三曲全部がノミネート。シギリージャ、ソレア、タンゴ。ヒターナらしい声が魅力。ギタリストは彼女がつれてきたのだがいまいちか。


アマドール・ロハスのタラントらしくない、個性的なタラント。


もう一人の大賞候補、アントニオ・メヒアスはミネーラ、カルタへネーラ、シギリージャとソレアの4部門にノミネート。この人の声質には好感がもてる。


アマドールの2曲目もシギリージャ。やはり彼の個性でおしていく感じ。シギリージャという曲でも、タラントでもアマドールの踊りである。プロとしてはそれでいいかもしれないが、コンクール向きとはいえないのではないだろうか。なぜいまさら彼がコンクールに参加したのか、理解できない。


これで決勝の演技は全て終了。すでに2時半。
発表を待つ。

ラ・ウニオン2015/コンクール準決勝3日目 大森暢子、田村陽子

3日目はインストゥルメンタル部門の二人から。
最初はピアノのアルフォンソ・アロカ。ハエン生まれコルドバ育ちのピアニストで現在はバルセロナ在住。タランタとブレリア。ブレリアにはパーカッションとパルマも加わり盛り上げる。


二人目はグアタマ・デル・カンポ。セビージャ出身のサクソフォン奏者。このコンクールで、一昨年、昨年と2位に泣いた彼。ソロでタランタを聴かせ、ソレア・デ・トリアーナをカホン、ギター、ベースとともに。ソレアの歌の部分をサックスで歌う趣向は昔ホルヘ・パルドがカルタへネーラをこういう風にふいていたのを思い出させるが、キャリアを積んでいるミュージシャンだけに安心して聴ける。






大森暢子はカンテ部門のトップバッターとして登場。マラゲーニャを歌う。
よく通る声に力がある。


続いて登場したのはセビージャ県ロス・パラシオス出身のレジェス・カラスコ。9歳。マラゲーニャとカンティーニャス。3歳のときからテレビにでていたので度胸十分。カンティーニャの前にちょっと踊ってみせたりするのも愛嬌がある。


踊りはまずレオノール・レアル。1980年ヘレス生まれ。すでにリーダー作品をヘレスのフェスティバルで複数上演している彼女がなぜ今頃コンクールに?タラント。衣装も動きもモダン。


カンテのマリア・ホセ・ペレス。 ミネーラ、カルタへネーラ、ファンダンゴ・ミネーロ、マラゲーニャ。シギリージャ、アレグリアスと6部門ノミネートされた彼女は1985年、アルメリア生まれのプロ歌手。

レオノールの2曲目はアレグリアス。パンタロンに赤いジャケット。よく身体は動くが、伝わってくるものがないのはなぜだろう。



ギターソロはラモン・アマドール。同名ギタリストの息子で、85年セビージャ生まれ。タブラオ、ロス・ガジョスやアンダルシア舞踊団でも活躍した人で、タランタとロンデーニャ。
演奏技術はあるけれどソリストとしてはまだまだ曲の構成など考えなければならないかも。


踊りの二人目葉アマドール・ロハス。日本でのコンクール予選を兼ねて行われたマルワのコンクールのガラ公演で来日した人がいまさらフェスティバル? うーむ。よくわからない。ソレア。彼以外の全出場者がタラントからはじめたのだけど。
この人はフラメンコというよりショーマンですね。


かつて日本でCDを出したこともあるミゲル・デ・ラ・トレア。ミネーラ、カルタへネーラ、タランタ、マラゲーニャ、シギリージャ、ティエント・タンゴ。プロだし、うまいのだけどひねりがない。


アマドールのタラント。これってタラント?って感じ。演奏されている曲はタラントだけど、踊りはタラントのソブリオ、地味でまじめでどこか哀しい感じはまったくない。うーん。カンテ・デ・ラス・ミーナス祭で、ここまで曲のキャラクターを無視するのってどうなんだろう。自分の作品でどう踊ろうと勝手だが、コンクールではやはり求められている者を表現せねばならないのではなかろうか。

 ギターソロのフランシスコ・レオンはタランタとソレア。各地のコンクールで受賞歴があるが、曲が弱い。

 そして田村陽子。タラント。これはさっきのアマドールに感じたフラストレーションが解消されるほどにいいタラントだった。登場まもなくの手の動きにクリスティーナ・オヨスの、あの素晴らしいタラントを思い出す。同じ振り付けではないのだが、胸の前などで細かく動かす手の動きはクリスティーナ的だ。タラントの地味さ、悲劇性をしっかり演じ踊りこんでいる。



田村に続いてカンテのレポンピージャ。シギリージャ、ソレア、タンゴ。タンゴはもちろん、伯母レポンパのタンゴだ。


再び田村でファルーカ。アマソナとよばれる、女性の乗馬用スカートを模したスカートにブラウス。定番のファルーカを倣ったものではなく、オリジナリティにあふれるファルーカだ。



 これで全員の演技が終わり、結果発表がホームページ上で行われたのは朝5時をまわったころだった。

結果は決勝、ファイナルに進んだ日本人はいなかったが、皆健闘だったと思う。