2015年10月17日土曜日

サラ・アンダルーサ/正路あすか、黒須信江、落合ゆかり、馬場雄一

いいものを見せてもらいました。
二部構成の二部の大トリ、正路あすかのファルーカ!

伝統的衣装の通り、黒い腰高のパンタロン、男装で登場した彼女の渾身のファルーカ。
グイトやマノレーテ、もっといえばそのオリジナルではファイーコ家のファルーカも透けるようにみえるような、ファルーカ・ファルーカ。
回転、サパテアード、足を後ろにひいたポーズ、目線の向き、強さ、頭の位置から指先に至るまでのかたち…はじまりから終わりまですべてがファルーカ。
ソブリオ、地味でまじめな、男性舞踊の粋といわれる曲。
ほんと今までにみてきた、たくさんのファルーカの中でも上位にはいるほどの素晴らしいファルーカだった。踊り手が見事にファルーカという曲の中に入り込み、ファルーカをインテルプレタール、演じきった。
回転のぶれもなく、形もきれいだし、ギターとの間もいい。
この日、この踊りをみることができた人たちは幸せだ。
ただ最初と最後の椅子と戯れるような芝居のようなところは劇場ではまたちがうかもだが、小さいスペースではなくてもいいかもしれない。

なお、一部はパコ・イグレシアスのギターソロ、馬場雄一のアレグリアス、 続いて正路のソレア。黒須信江のタラント。二部はルイス・モネオのマラゲーニャ、落合ゆかりのソレア、黒須のソレア・ポル・ブレリアという構成。
それぞれにフラメンコな瞬間をみせていた。

ただプログラムとしてはアレグリアス以外重め、シリアス系の曲というのはどうだろう。グアヒーラやガロティンなどの明るい曲が入ってもよかったのではないかと思う。ルイスの歌をいかすシギリージャやマルティネーテがなかったのも残念。
また、全体的に下をむきがちなのと、姿勢も少し気になった。胸を開いて、腕の動きなどもセンティードをもたせる、という感じになればもっとよくなるだろう、と思う。

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