2017年3月23日木曜日

ヘレスのフェスティバル 伴唱賞

ヘレスのフェスティバルで、、地元のペーニャ協会が選出する、伴唱賞は、マリア・パヘス「オジェメ・コン・ロス・オホス」で伴唱したアナ・ラモンとフアン・デ・マイレーナに決定した。伴唱賞はヘレスのフェスティバルで、ソロではなく、舞踊伴唱で出演した歌い手の中から選ばれる。2名同時受賞は今回初めて。

Javier Fergo para Festival de Jerez
右から二人目がアナ・ラモン


また、同協会は今年新たに創設した若者賞の受賞者に、日本でもおなじみのミゲル・アンヘル・エレディアに決定した。この賞はペーニャでの公演に出演した地元ヘレスの若手アルティスタの中から選ばれ、2月26日にペーニャ、ロス・セルニカロスに出演したミゲル・アンヘルが選出された。


あと残すは評論家、記者が選ぶ批評家賞と新人賞だけでございます。

2017年3月22日水曜日

アナ・モラーレス「ウナ・ミラーダ・レンタ」

美しいフラメンコ、なのだ。
プリミティブで、野性的で激しいだけがフラメンコじゃない。
知性的で優美で繊細、そして品格がある、このうえもなく美しいフラメンコもあるのだ。
昨夜、アンダルシア州のフラメンコ公演シリーズ,フラメンコ・ビエネ・デル・スールの一環としてセントラル劇場で初演された「ウナ・ミラーダ・レンタ」。
昨年まで、アンダルシア舞踊団のソリストとして活躍したアナ・モラーレスの新作である。

セントラル劇場の客席は可動式なのだが、今回は通常、舞台の前に下がったところにある3列が取り去られ、舞台と客席が同じ高さにされていた。
舞台奥のホリゾントも袖幕もない、裸の舞台。18枚のコンパネを囲むように床置きの照明がセットされ、下手と舞台奥に椅子、上手にはコンパネ1枚分の大きさの机のような小さな台(舞台?)。
上手奥から黒い衣装のアナが登場。ゆっくりゆっくり、静かに静かに舞台を歩く。
やがて下手奥から出てきたミュージシャンたちが舞台奥に座る。
パーカッションが刻むリズム。やがてギターがマラゲーニャを奏で始め、ソファに座っていた歌い手が立ち上がる。マラゲーニャ、カルタヘネーラ、そしてタランタと歌い継ぐ。いわゆる自由リズム、リブレの曲だが、もちろん自由勝手にリズムをとるわけではなく、コンパスがしっかり刻まれないからわかりにくいかもだが、もちろんコンパスはある。そのゆったりしたコンパスを、踊りは歌のように、また伴奏をするギターのように綴る。
そしてタラントに。その昔、ラ・ウニオンのコンクールで優勝したアナだが、その時のタラントとは全く違う。きっちりした曲の感じを表現し、ドラマチック。
見ているだけで涙が出てくるほど美しい。

ギターのシギリージャからダビのマルティネーテ。靴音の美しさ。形の美しさ。

ギターがソロでソレアを奏でる。ラファエル・ロドリゲスのいにしえの響きを持ったソレア。
ダビ・コリアがアナに茶色の巻きスカートになったバタ・デ・コーラを着せ、踊り始める。バタの扱いも超一流。バタの先までしっかりコントロールし、コンパス通りに空を舞う。

ファンダンゴ・デ・ルセーナ。
ハンチング帽をかぶったダビが上手の小さな舞台の上に乗って踊るタンギージョ。
歌い手アントニオ・カンポストとの掛け合い。彼もちょっと踊ったり。
ダビのソロのサパテアードもすごかった。
この人も形がとにかく美しい。そしてリズム! 

ミロンガはデュオで踊るのだが、その呼吸の良さ。完璧なパートナーだ。
そしてアナのファルーカ。アバニコを使ってというのも珍しい。
最後はアナのタンゴ・デ・マラガ。アンダルシア舞踊団「イマヘネス」でも踊っていたが、それとも、先日のダビの公演で踊ったタンゴとも違う。細い彼女が肉感的に腰を動かし、色っぽい。踊りは動きだ。もうただひたすら見とれるばかり。

細部に至るまでよく考えられており、とにかく趣味がいい。
また是非見たい、一人でも多くの人に見てもらいたい、そんな舞台だ。

先日のダビ・コリアの公演の時にも思ったのだが、彼らは、フラメンコなのだ。超テクニックも、彼らのフラメンコを表現するためのもの。テクニックの羅列には決してならない。すごいなあ。

なお、会場にはロシオ・モリーナやパトリシア・ゲレーロらも。この世代、すごすぎる。
他にも、アンドレス・マリンやイニエスタ・コルテスらの姿もあった。


2017年3月21日火曜日

タブラオ ロス・ガジョス

18日土曜日、久しぶりにタブラオ、ロス・ガジョスへ。
20時30分からの回を見る。

セビージャ一の老舗タブラオ。
その昔はクリスティーナ・オヨスやメルチェ・エスメラルダ、マヌエラ・カラスコらも出演していたという名門。私の最初のスペイン旅行の時はフアナ・アマジャやピラール“ラ・ファラオナ”らが出演していた。その後も何度となく訪れ、ローリ・フローレス、ラモン・バルール、ベレン・マジャやイニエスタ・コルテス、エル・フンコなどたくさんのアルティスタたちを見てきたところ。舞踊団で活躍する人や劇場でソロ公演を行う人の踊りを間近で、生音で観ることができるのはうれしい。

最初はなんとマラゲーニャ。ギターのイントロに誘われて歌い始める。あら、珍しい、と思ったらそこに踊り手が登場し、カスタネットで合わせ、アバンドラオに。三人の踊り手が踊る、というオープニングなのでありました。
ギターとカンテ、そして踊り、と紹介していくわけですね。面白い。

フアン・カルロス・ベルランガのギターソロ、グラナイーナ。
続いてサライのバタ・デ・コーラでのアレグリアス。
何より驚いたのは後ろに垂らした三つ編み。
セビージャのタブラオ、それもロス・ガジョスとエル・アレナルといえば、伝統的に、きちんとした格好でないと踊れない、というところであったのであります。
いわゆるセビージャ風。髪はきちんとモーニョを結って、花もアクセサリーも落としたら罰金、くらいの気持ちで。衣装も伝統的な、きちんとしたもの、というのが原則。
マドリードのタブラオだとざんばら髪で踊る人もいるけれど、セビージャでは絶対そんなことない、はずでありました。いや、ざんばらではないけれど、でもやっぱり気になる三つ編み。うーむ。

続いてセルヒオ・アランダのタラント。これでもかこれでもかというサパテアード。最初、ジャケットのボタン止めてたのですが、そのせいで衣装に変なシワできるし、美しくなくちょっと残念。

三人目はアンヘレス・ガバルドンで、ガロティン。いやあ、ガロティンなんて久しぶりだ〜と思ったのですが、いやあ、これが良かった。コルドベスをかぶって出てくるのですが、その帽子の角度、花の位置、ともに完璧。顔の角度も美しい。いいなあ。そして帽子を前に後ろに、今まで誰もやったことのないような動きを見せる。帽子とデュオで踊っているような、といえばわかってもらえるだろうか。いやあ面白い。ガロティンといえば、古風な感じだけど、こんな風にもできるんだ、と目からウロコ、でありました。

トリはラファエル・カンパージョ。ソレア。歌の時はほとんど動かない。耐えて耐えて、どん、と爆発する。
この人は昔から姿勢が美しいけれど、その腕が動くと、“気”が動く。という感じ。空気を大きく動かすような。すごいです。
回転にしても足にしても別格。ブレリアの粋さ。ちょっとした仕草が色っぽい。歌舞伎でいう色仇って感じでございますな。本人真面目な人ですが、面白い。
最後は全員でブレリア。

楽しめます。
スペイン人はあまりタブラオ、行かないけれど、気軽に一流のアルテが楽しめる場所。やっぱオススメでございます。


写真撮影禁止なので始まる前の何もない舞台のみ撮影。



帰り道のヒラルダも美しく春の気分。いいもの見ると元気が出るね。

2017年3月20日月曜日

パラーダスのフラメンコ週間

セビージャ県パラーダはセビージャ市から東へ45km。
人口7千人という小さな町パラーダス。
この町でフラメンコ週間が開催中だ。
今年はアンダルシアの放送局のフラメンコ専門家、マヌエル・クラオへのオマージュとされ、初日、19日は若手の公演が行われ、今日月曜からは豪華な顔ぶれが日替わりので登場。



20日はアルカンヘルで伴奏がダニ・デ・モロン、21日はビセンテ・ソト伴奏ノノ・ヘロ、
22日はエスペランサ・フェルナンデス伴奏ミゲル・アンヘル・コルテス、23日はルビート・デ・パラーとラ・ジージャ、24日金曜日はパトリシア・ゲレーロ、25日はアントニオ・レジェスとヘスス・メンデス、伴奏アントニオ・カリオンという具合。
25日以外入場無料でございます。



2017年3月16日木曜日

フラメンコ・ビエネ・デル・スール アントニオ・モレーノ、ディエゴ・ビジェガス

聞いたことがない名前、と思う人が大部分だろう。
彼らは踊り手でも歌い手でもギタリストでもない。でもフラメンコなのだ。
アントニオはパーカッション、ディエゴは金管楽器の専門家。
その二人が一部二部で公演。いずれもビエナルでは単独でリサイタルを開催している。

残念ながら劇場は満員とはいかなかったけれど、楽しめました。

一部はアントニオ。
木の枝を振り回してなるひゅっひゅっという音や、腰に下げた袋からとりだした石をぶつけて出す音で作っていくコンパス。鼻歌のように口ずさむトナ。ティンパニの音階で歌が続く。
フアン・ホセ・アマドールのサエタには銅鑼で伴奏。鐘のように叩いたかと思うと、細かく叩いて小太鼓のように。
シロフォンでタランタやロンデーニャを歌うアントニオ。
机にフアン・ホセと向かい合って机を拳で、また手のひらで、タブラのように叩いて調子を取るソレア。
現代音楽風からドラムスでディエゴ・デル・ガストールのファルセータを歌う。
パルマから、体を叩いてのリズム。指鳴らし。
イスラエルと共演するパーカッション奏者は、バダホスの音楽学校教授でもある。カホンとジェンベと、という、フラメンコのパーカッション奏者とは一線を画す。
ウトレーラで生まれ育ち、フラメンコを愛し、フラメンコ学で博士号も取得。
オレ!の瞬間が何度もあった。
最後はレオノール・レアルとのデュオ。

二部はディエゴ。
カンティーニャ(プログラムにはミラブラスとあるけど)はフルートで、こちらもレオノールと絡む。
タンギージョはアルトサックスで。ファンダンゴはハーモニカで。再びフルートでタンゴ。テナーサックスでソレア。
バックのグループと微妙な間合いがずれているような気がするのは私だけ?
ヘレスのフェスティバルでアンヘル・ムニョスの舞台で演奏していた感じがすごく良かったのだけど、今夜はなんだかちょっと欲求不満。
ディエゴはホルヘ・パルドに憧れているそうだけど、ホルヘよりもずっとフラメンコ。なんだけどリブレな感じも多く、それがホルヘならジャズになるのが、彼の場合、なんなんだろう。

レオオール・レアル。今日の席が舞台に近かったので思ったのだけど、彼女、上半身が前に傾いて踊るのですね。これがいつも彼女い感じる違和感だったのかも。


2017年3月15日水曜日

ヘレスのフェスティバル 観客賞はエドゥアルド・ゲレーロ

ヘレスのフェスティバル各賞、そのうち、ビジャマルタ劇場で観客に採点表をを配り、その採点から受賞者が決まる、地元紙ディアリオ・デ・ヘレスの観客賞にはエドゥアルド・ゲレーロが決定しました。おめでとう!

Javier Fergo para Festival de Jerez

2017年3月12日日曜日

ヘレスのフェスティバル アントニオ・エル・ピパ「アシ・ケ・パサン・20アニョス」

アントニオ・エル・ピパは舞踊弾結成二十周年記念で、過去の作品の名場面集に豪華ゲストで閉幕を飾る。
パストーラ・ガルバンといい、最近流行りですかね。

最初にこれまでの公演の写真が次々と映し出される。地元紙ディアリオ・デ・ヘレスの写真家ミゲル・アンヘル・ゴンサレスの写真は美しく、ローラ・グレコやマティルデ・コラルら共演者たちのことなど、いろいろ思い出させてもくれるのだが、10分近くはさすがに長い。それも説明なしなので、何が何だかわからない人もいたことだろう。

「ビベンシアス」の写真のようなポーズから始まり、最初は最新作「ガジャルディア」のアレグリアス。フラメンコ衣装見本市のショーのような、女の子たちがバタ・デ・コーラでポーズを決めるのと絡むアントニオ。華やかな場面なのだが、なんせ、サパテアードを始めるとコンパスを外す。昨日のエドゥアルド同様、三人の女性歌手というのは、これも流行りなのか?

Javier Fergo para Festival de Jerez

次の「プエルタス・アデントロ」のグアヒーラはマカレーナ・ラミレスなのだが、彼女も足でコンパス外す。残念。形綺麗なんだけど。と思ったけど写真で見るとダメですね。

Javier Fergo para Festival de Jerez



とここで前日同様、鼻水止まらずギブアップ。薬効いていると思ったのですが。
で、メルセデス・ルイスやコンチャ・バルガスが見れず残念至極でございました。

こんなだったらしい。

Javier Fergo para Festival de Jerez


Javier Fergo para Festival de Jerez

ビデオはこちら

ヘレスのフェスティバル マヌエル・バレンシア「エントレ・ミス・マノス」

いやあ、シギリージャとブレリアに完璧、ノックアウトされました。
圧倒的なフラメンコの力。音の凄み。
ヘレスの伝統を受け継いで、新しい地平を見つめ、すくっと立っている。そんな感じ。

Javier Fergo para Festival de Jerez
ちょっと不思議なチューニングのソレア・ポル・ブレリアに始まり、本人曰くのファンダンゴ(というよりワルツ)、カンティーニャ、アラブ風なブレリア+ビセンテ・アミーゴ風サパテアード、ロンデーニャと進む。
ヘラルド・ヌニェスの影響が大きいが、コピーするというよりも、文法を学んで生かしてると云う感じが、そこにビセンテやパコの文法も加わる。でもその底にはヘレスの伝統が脈々として流れている。モラオやパリージャも顔を出す。
モチーフはたくさん持っているのだけど、曲としての構成はよりよくできるかもしれない。


後半のシギリージャがとにかく良かった。太い音でカテドラルを築き上げる。音を詰め込むのではなく、音の出ない間をも音楽にしていく。歌が聞こえてきそうな、でも歌がないことで寂しくなるわけではない、そんなフラメンコ。


Javier Fergo para Festival de Jerez
以前のコンサートでは歌を入れていたのですが、今回はベースとバイオリンだけで、歌を入れずにインストゥルメンタル、音楽だけで勝負。歌はなくてもいいけれど、ベースとバイオリンが入る曲よりも、パーカッションとパルマでいく曲の方が印象が残る。

特に、カルロス・グリロ、ディエゴ・アマジャ、マヌエル・サラドのパルマ隊は絶対無敵な強力さ。このコンパスだけをいつまでも聞いていたいと思ったほど。

Javier Fergo para Festival de Jerez
アンコールでのルンバも楽しく、はい、フェスティバルのフィナーレを飾ることができました。
でも、地元のアルティスタなのに満員でなかったのはちょっと残念。もう帰っちゃった人も多いしね、とは言っても。踊りがないせい?だとしたらかなり残念。

ヘレスのフェスティバル エドゥアルド・ゲレーロ「ゲレーロ」

開演前から舞台の上に黒い衣装の出演者たちが歩き回っている。
椅子には2台のギター。

深いソファに腰掛けたエバ・ジェルバブエナが出迎えた「5ムヘーレス5」を思い出す。
そのエバやアイダ・ゴメスの舞踊団で活躍するエドゥアルド・ゲレーロが、昨年マドリードで初演した作品「ゲレーロ」はスタイリッシュなフラメンコ。

その卓抜した身体能力で、三人のカンタオーラ、二人のギタリストを従えての独り舞台。
だが、最初のシーンのように、歌い手たちを舞台装置の一部というか、オブジェのようにうまく使っている。
Javier Fergo para Festival de Jerez


聖週間の行進曲、アマルグーラにエンリケ・モレンテが歌詞をつけ歌ったものとサエタで踊る。

マラゲーニャやロンデーニャ、ブレリア・ポル・ソレア…
曲は変わっても彼は変わらない。ただその身体能力に感心するばかりだ。
Javier Fergo para Festival de Jerez



とそこで、なぜか私に突然のくしゃみの嵐。鼻水も止まらず、で劇場を退散。
花粉症? 静かな場面が多いから迷惑になるかと出てしまったので私が見たのはここまででございます。

毎日劇場通っていたけどこれまでこんなことなかったのに〜。残念。アレルギーの薬飲んだら止まったので夜中の公演に行ったのであります。

こちらのビデオで見ると、その後、ナナ、タンゴ、シギリージャ、アレグリアスなどあったようですね。

個人的には歌い手たちがもうちょっと腕があると嬉しかったのですが。。。残念





ヘレスのフェスティバル「パサヘ・エン・エル・ティエンポ」 

ダビ・ラゴスがヘレスの若い歌い手たちをサポート、プロデュースした「パサヘ・エン・エル・ティエンボ」。
ヘレスはビジャマルタ劇場近くの店、タバンコ・エル・パサヘがスポンサーとなり、発売になったばかりのアルバムの発表を兼ねたもの。

マヌエル・デ・ラ・ニナ、ラファエル・エル・サンボ、エンリケ・レマチェの三人の歌い手とギタリスト、フェルナンド・デル・モラオに加え、アルバムにゲスト参加している、
若手四人は1990年代生まれ。
そこにエンリケ・ソトとエンリケ・エル・サンボ、マヌエル・パリージャも特別出演。


エンリケ、
Javier Fergo para Festival de Jerez
 ラファエル、
Javier Fergo para Festival de Jerez
 マヌエルと、
Javier Fergo para Festival de Jerez
トナーを歌い継いでいくロンダ・デ・トナに始まる。
それぞれ、声が良い。
エンリケ・レマチェのタラントとシギリージャ、
Javier Fergo para Festival de Jerez

無伴奏でのエンリケ・ソトのソレア・ポル・ブレリアは深い響き。
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マヌエル・デ・ニナのマラゲーニャとブレリア・ポル・ソレア。子供のときから舞台に立っていた彼の悪戯っぽい幼い顔が今の貫禄からも時折顔を出す。
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ヘレスらしい、含みのある響きの、味わい深い声でエンリケ・エル・サンボがティエントをこれまた無伴奏で歌い、
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息子のラファエルはソレアを熱唱。
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カンティーニャは古風にサライ・ガルシアが踊り、
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また三人でファンダンゴを歌い継ぎ、最後はブレリア。
エル・ソリやフアナ・デ・ラ・クリータも踊り、ヘレスらしい一夜となりました。
Javier Fergo para Festival de Jerez

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若いとは言っても声質は皆、ベテランのような、ムイ・フラメンコな響きがあり、ダビの導きで、古いカンテを学び、しっかり自分のものにしつつあるという感じ。
モライートの甥っ子、フェルナンドのギターも、伯父の響きを秘めていい感じ。

また、舞台の演出や進行まで手がけたダビのおかげで、作品としてのまとまりも見せ、サラ・コンパニア同様、ヘレスのアルティスタたちの懐の深さ、厚みを見せられたという感じ。

ビデオはこちら

2017年3月11日土曜日

ヘレスのフェスティバル JAテヘロ、Iカラスコ「レジェンダ・イ・レガロ」

ヘレス出身の二人の踊り手、フアン・アントニオ・テヘロとイレネ・カラスコの「レジェンダ・イ・レガロ」はサラ・コンパニアで19時から。

全員が絵のようにポーズをとっている幕開けから、
二人だけが残る最後まで、短く、でも思いは伝わる作品。
Javier Fergo para Festival de Jerez

特別協力のディエゴ・デ・マルガラがマルカールし、ゲストのマノロ・マリンが踊るソレアが、イレネに引き継がれて踊られる。マノロの深みと味わいは、イレネのシンプルなパソとは全く違うものだが、気持ちは伝わる。イレネのソレアはコンチャ・バルガスやカルメン・レデスマのような、シンプルな古風なパソで、昨日のグアダルペとは全く違う。同じレマーテを何度もするなど、改良の余地はあるものの、これはこれでありかもしれない。難しいパソを詰め込むよりも、できることで気持ちを伝えようとする方が賢いだろう。
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タンゴとなり、マノロが再び登場。フレコのエプロン状のものをイレネに渡し、二人で踊り、マノロが残る。マノロのトリアーナ風タンゴの楽しさ。
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マルティネーテからシギリージャはディエゴ・デ・マルガラからフアン・アントニオ・テヘロへ。フアン・アントニオも振りはシンプル。時々ハビエル・ラトーレ風な動きも出てくるので彼にならったことがあるのかもしれない。
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最後はブレリアで、ディエゴ・デ・マルガラを始め、
Javier Fergo para Festival de Jerez

ティア・クーラとティオ・ぺぺ、ばあさま、じいさまをはじめ、全員が一振りずつ。これはヘレスならではのフィエスタだ。これは楽しい。
Javier Fergo para Festival de Jerez

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そして最後またイレネとフアン・アントニオが残りポーズ。

なかなか充実の1時間でありました。

ビデオはこちら

2017年3月10日金曜日

ヘレスのフェスティバル パストーラ・ガルバン「ミラメ」

最初は今回は見るつもりがなかった。ビエナルで見たし〜と思っていたのだが、記者会見で「ビエナルの時とは変わった」と言われ、急遽劇場へ。

アラブ風のルンバで、フリンジのいっぱいついた衣装で体を揺らしているパストーラが浮かび上がる。と、、その衣装が飛び去って花柄ミニスカートの衣装に。
Javier Fergo para Festival de Jerez
 意表をついたオープニングはそのまま。客席に背中を向けたフアン・レケーナのギターソロが、ロンデーニャからタランタとなりタラントになって、ぺっちゃんこのかかとのない靴でパストーラが踊るというのも同じ。

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 それがかかとのある靴に変えての、ファルーカ、ソレア・ポル・ブレリア。
ファルーカは「ガルバニカ」かな。アコーデオンの伴奏も
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 アコーデオン奏者がフランス語風に紹介し、金色のスーツのヘロモ・セグーラが、「パリは好きだけどウエルバの方がもっと好き」とファンダンゴ・デ・ウエルバを五つ。
パストーラの代表作「フランセサ」から、ラベルのボレロとシャンソンの名曲「水に流して」とフランス国歌が錯綜する曲で赤いバタ・デ・コーラで踊る。

Javier Fergo para Festival de Jerez

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そこから「イデンティダーデス」でのカスタネットのシギリージャ、ローリ・フローレスへのオマージュでの曲だが、彼女のちょっと丸めた背を真似してる。

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 パージカッション(ホセ・カラスコ)とギターのソロがちょっとあって、ホセ・エル・フランセスの「フエラ・デ・ミ」やニーニャ・パストーリの「エル・ポルトゥゲス」など、90年代に流行った、スペインでは非常にポピュラーなルンバ/タンゴをヘロモが歌う。これは彼女の人生のサウンドトラックということなのかな。

そして再び「フランセサ」。
女性歌手がアンヘリータ・モントージャ、ラ・タナから、アリシア・ヒルとアナ・デ・ロス・レジェスに変わったのだが、これは吉と出たようだ。
特にアナがいい。この三人で歌い踊る場面もいい味を出している。
Javier Fergo para Festival de Jerez
この衣装がパツンパツンのパンツからサロペットに変わったのは良かったね。
この場面が彼女の、チスパ、火花のような、熱血鉄火肌フラメンコが感じられるかもしれない。生き生きしてる。
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 最後は、最初に飛んで行ったフリンジの衣装で、作品「パストーラ」の最初のトリアーナのタンゴをブレリアで。
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うんうん。あんまり変わっていないのだけど、少し整理されてわかりやすくなったかな。
でも、パストーラの作品をみつづてこなかった人は混乱するかも。

ビデオはこちら

こちらはディアリオ・デ・ヘレスのビデオ。三人の歌い踊るところやファルーカなども入ってますよ〜

ヘレスのフェスティバル グアダルペ・トーレス「アクエルダテ・クアンド・エントンセス」


「アクエルダテ・クアンド・エントンセス」
あの時を思い出して、といえば、すぐにマノロ・カラコールの熱唱が思い浮かぶのではないだろうか。

マドリード出身で、アンダルシア舞踊団やマヌエル・リニャンらの舞踊団、またタブラオなどで活躍する中堅が、カンテに、それもマヌエル・トーレからアントニオ・チャコン、アントニオ・マイレーナ、カラコール、テレモート、フェルナンダ、パケーラら、歴史に残る名手たちにオマージュした作品。
「アクエルダテ・クアンド・エントンセス」という、歌声で始まったこの公演、ブレリア・ポル・ソレア、シギリージャ、
Javier Fergo para Festival de Jerez
 タンゴは、いわゆるタンゴ・デ・マラガから、トリアーナ、グラナダと旅し
Javier Fergo para Festival de Jerez
 バタ・デ・コーラでのファンダンゴ・ポル・ソレア、だというのだが、むしろ、アレグリアス的なファンダンゴ。
Javier Fergo para Festival de Jerez

などと踊る間に、古い録音とビデオを編集したビデオが入るという構成。
最後は録音のロマンセからブレリア・ロマンサーダで幕。

トーレやチャコンとフェルナンダを全部同じ時代のように言ってしまうのもかなり乱暴な話だ。ギタリストはフアニャレスのカンテソロでのカンティーニャの伴奏がうまくできないし、なんかあっちゃこっちゃしている印象。

グアダルーペの振りはまあ、とにかく忙しい。たくさんのパソを詰め込んで、息切れしているという印象。カンテにスポットを当てているなら、細かな足とかではなく、もっとマルカールで表現してほしいしバタやマントンの扱いにしても乱暴で、がさつ。セビージャの優美なバタやマントンのあしらいに慣れている私にはきつい。これがマドリー風?まさかね。
技術がないわけではないのにもったいない。

2017年3月9日木曜日

ヘレスのフェスティバル アルバ・エレディア「エン・エスタード・プーロ」

8日にビジャマルタ劇場で踊る予定だったロシオ・モリーナが、4日盲腸の手術を行ったため公演中止となり、当初サラ・コンパニアで公演予定だったアルバ・エレディアが急遽、ビジャマルタ劇場で公演と相成った。
小劇場であるコンパニアと1000人以上収容の大劇場であるビジャマルタ。
場所の違いは大きい。
アルティスタ一家に育ち、子供の時から踊っているとはいえ、一昨年、ラ・ウニオンで優勝したばかりの、いわば新人。プレッシャーもあるだろう。

最初はビデオで、これも親戚にあたる、フアン・マジャ“マローテ”のロンデーニャの演奏が流れ、客席から白いバタ・デ・コーラで登場。

Javier Fego para Festival de Jerez
 見事なカンブレを見せる。
Javier Fego para Festival de Jerez

 4人の歌い手たちによるマルティネーテに続いてシギリージャ。

Javier Fego para Festival de Jerez
歌い手たちのアバンドラオに続いて、長い長いソレア。

Javier Fego para Festival de Jerez

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当初、小劇場の予定だったから、と言うのもあるのだろう。でもオープニングはともかく、踊る曲がソレアとシギリージャだけというのはどう考えても変だ。それも二つとも、同じような振りを繰り返し、田舎芝居的なパフォーマンスを繰り返す。また、アクセントは右足ばかりでうち、右足と左足の音が違うのも褒められたことではない。
チスパ、花火のような何かを持っているのだから、例えば、ファミリー以外の先生に習う、舞踊団などで研鑽を積むとかすれば、すごいアーティストになる可能性はあると思う。

コンクールは決められた時間で踊るからよく見えたのかも? あの後みた2回とも、ちょっと残念な結果。タブラオではこれでいいのかも。でも劇場ではもう一歩、が必要だ。