2018年3月4日日曜日

ヘレスのフェスティバル 「ケパサリア・シ・パサラ」

起こるとすれば何が起こる?
というほどの意味のタイトルのこの作品は、カディス出身の4人のアルティスタ、
ギタリスト、リキ・リベラ、歌い手ダビ・パロマール、パーカッション/パルマのロベルト・ハエン、踊り手エル・フンコによる、フラメンコプラスαな作品。
そのαは、カディスのカルナバル的な芝居。
カディスのカルナバルではクアルテトという、冗談小芝居があるのだが、それに近い。が、それでコンクールで入賞する人たちよりもずっと、歌も芝居もうまいのがこの4人。

全員でコンパスを打ち、踊り、歌い、話す。
なんとも楽しい作品だ。
© Festival de Jerez/Javier Fergo

早口で長いモノローグが続くので、通常のフラメンコを期待してきた人は面食らったことだろう。
だが、その内容が、フラメンコに関するあれこれ、なのだが、ウィット、ユーモア、皮肉に溢れていて抱腹絶倒。
客席の半分は声をあげて笑っていた。あとの半分はセリフが続くのにポカンとしている外国人。フラメンコ好きならスペイン語わかるともっと楽しくなるよ、の好例。



© Festival de Jerez/Javier Fergo
と言っても笑い話だけじゃない。
スペイン各地の音楽を聞かせつつ、アラゴンのホタからの
エル・フンコのいかにもカディスらしい、明るく、グラシア満載のアレグリアスは圧巻。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
 ドゥエンデが大事と聞いてあちこち探し、腹ペコで森をさまよっていてキノコを食べたらドゥエンデ/ノームに会えた、などというアホな話。
フラメンコたちが自身をネタにした与太話。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 ドゥエンデを見つけた?ダビは正統派ソレアを熱唱。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 スペイン版こっくりさんで、亡くなった歌い手たちを呼び出し、モノマネで聞かせるシーンでは、フンコのチャノ・ロバートやダビのカマロンが秀逸。

お医者さんの白衣を着て、コンパスを身につける法を伝授。
お肉、肉じゃが、(ソースを)ひたずパン、という言葉で、会場を巻き込んでの、コンパスのお稽古。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
 とにかく楽しい1時間半で涙が出るほど笑った。
© Festival de Jerez/Javier Fergo

最後は楽屋落ちというか、公演をしての心の声、早くうちに帰りたいとか、あんなこと言っちゃったけど、怒られないかな、などを、リキの弾き語りに乗せて。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
再来週はセビージャのセントラル劇場でも公演が行われる。
公演のたびにちょっとずつ違うらしいので、ぜひまた観てみようと思う。

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