2018年3月8日木曜日

ヘレスのフェスティバル ラファエラ・カラスコ「ナシダ・ソンブラ」

昨年7月、コルドバのギターフェスティバルで初演されたラファエラ・カラスコ「ナシダ・ソンブラ」
その時のことを「なんとも美しく、心にしみる作品だった」
とこのブログで書いているけれど、
何度見てもいいものはいい。

たとえようもないほどに美しく、深く心にしみる作品、なのだ。

物語があり、語りがあり、歌詞もその物語に沿ったものとなっているのでスペイン語が分からないと理解が困難なところもあるかもしれない。でもそれにとらわれなければ、動きの美しさだけでも楽しめるはずだ。

物語については初演を見たときに私はこう書いている。

16世紀スペインが生んだ神秘家聖テレサ・デ・アビラが、幻を見たという話から、17世紀のスペインとメキシコで活躍した3人の女性を予見し、彼女たちに語りかける、というオリジナルのストーリー。
妻、母、もしくは修道女くらいしか人生の選択がなかった時代、女優や作家として生き抜いた女たちへのオマージュは、今を生きるすべての女性たちへのオマージュでもある。

このポイントだけ抑えておけば、言葉が分からなくてもより伝わるかな?


聖テレサを踊るのは真紅の衣装のラファエラ。
その後ろの薄闇に浮かび上がる三人の女性。
シギリージャ。悲嘆。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
ラファエラのタラント。憂愁。
物語のある作品の中のフラメンコ曲は物語優先で、その曲の性格から離れて使われ、踊られることもあるが、彼女が踊るのはタラントそのものでありながら、物語を反映しているのだ。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
作家マリア・デ・サジャを踊るのはフロレンシア・オリアン。
ジャズっぽい音楽でのソロも美しい。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
マリア・カルデロンを踊るのはパウラ・コミトレ。
アンダルシア舞踊センター、舞踊団出身の若手の星。

© Festival de Jerez/Javier Fergo

© Festival de Jerez/Javier Fergo

© Festival de Jerez/Javier Fergo

© Festival de Jerez/Javier Fergo
ソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルスはカルメン・アングロ。
宮廷から僧院に入った彼女にちなんでボレーラの要素も入る。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 時代を超えてつながる女性たち。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
ラフィのソレアの深さ。
時代を超えてのメッセージがびしびし伝わってくる。
© Festival de Jerez/Javier Fergo

このビデオからでも作品の美しさが伝わってくることだろう。


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