2018年3月10日土曜日

ヘレスのフェスティバル イサベル・バジョン「ジュジュ」

2016年のビエナルで初演されたイサベル・バジョン「ジュジュ」。
イスラエル・ガルバンが演出、振り付けを手がけ話題になった作品だ。
ビエナルの時は、イサベルのマティルデ・コラル譲りのセビージャ風舞踊を観るつもりでやってきた観客からのブーイングなども起こったが、今回はもう、そんなこともない。

記者会見の時、話したイサベルは、歌い手以外、何も変わってない、と言っていたけど、実は色々変わっていた。初演後、各地で公演しているから忘れてたのかな。

ジュジュとは怖いこと、で、一言で言えば、怖がることや、迷信深い自分たち自身を笑うような内容であります。

聖歌が奏でられ、イエス・キリスト風の白い衣をまとったギタリストのヘスス(スペイン語でイエス、ジーザスのことなのであります。偶然とはいえ)・トーレスが、客席から登場。客を祝福?しながら、舞台に上がると、逆さづりの天使が降りてくる。
今回、初めてこの作品に参加した、歌い手アレハンドロ・ビジャエスクサがペレグリニトス(小さな巡礼者)を歌い始める。白いクリスマスツリーが踊る。
ビジャンシコス。
真っ暗になって、靴音が響き、明かりがつくとほうきを持った魔女登場。
高下駄でのサパテアード。
歌われるナナも高下駄にちなんでか、ねんねんころりと、日本語でも。爆。
これ、初演では3人でやっていたのが、イサベル一人になりました。
下駄でのブレリア。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 今度はブードゥーの儀式のようなリズムで、座って踊る。
イスラエルの「ラ・フィエスタ」を思い出す。
この作品と「ラ・フィエスタ」って表裏一体かも。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 この後、これからすること、迷信を破っていくことについてへヘススが解説し、それをキーボード/クラビコード奏者のアレハンドロ・ロハス・マルコスが英語で通訳。その通訳がまたいい加減で笑う。

最初はサンバのリズムで左足から舞台を踏む。そのままサンバのリズムで踊り狂う。腰の動きが、イサベル得意のあのタンゴの色っぽさ。

レゲトン「ガソリナ」で、はしごの下をくぐる。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
 60〜70年代風ルンバのリズムで、塩を手渡し、
© Festival de Jerez/Javier Fergo

次は塩をこぼす。
膝のサポーターの顔の目を隠すとか、初演ではなかったよ。
© Festival de Jerez/Javier Fergo


舞台には禁物と言われている黄色。黄色の帽子を使ってのファルーカ。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 多分?鏡の上でのブレリア。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 アリシア・マルケスとニエベス・カサブランカ。イサベルのマティルデ・コラル教室時代からの、いわば幼な馴染みの大小コンビが、登場。バックコーラスよろしく、バックサパテアードしたり、コーラスというか、声出したり。

ペテネラは不幸を呼ぶという解説の後、ペテネラ。
頭に巻いたマントンが、案外かっこいい。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 案の定、電気が消え、音も聞こえなくなったり。爆。
さまよっていると猫が横切る。
マントン巻いてのサパテアード。メロドラマ風の音楽はなんでだったのだろう。

車輪のついた椅子で踊り始めるアリシアのソレア。
もういかにもマティルデという、ニエベスのアレグリアス。ブラソが美しい。
歌がチャノ・ロバート風に歌っているのもツボ。


© Festival de Jerez/Javier Fergo
 プラズマボールを囲んでの3人の集会。
「ケ・パサリア、シ・パサラ」のこっくりさんといい、フラメンコ界に静かなオカルトブーム到来か、なことはない。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
スクリーム仮面かぶった歌い手が、ギターの弦を順に切っていく。
一本切っても、一本だけになっても引き続けるが、最後はエレキギターに変わる。
スペイン版「野生の王国」的番組のナレーションを真似した、ヘススの解説でイサベル登場。

最後はヤギさんロック。
エレキギターで、ロッカー、イサベルが弾ける。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
楽しい1時間半でございました。

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