2018年3月9日金曜日

ヘレスのフェスティバル サラ・カレロ「ペティサ・ロカ」

© Festival de Jerez/Javier Fergo
 スペイン国立バレエ出身のサラ・カレロが歌い手ヘマ・カバジェロと二人で作り上げた作品「ペティサ・ロカ」
電子音楽とヘマの美しい声が作る不思議な雰囲気で始まる。
アルゼンチンに移民した祖父への思いや、移民へのオマージュだそうだ。
ヘマが語るように歌う。口跡がいいし、はっきり発音しているのだから聞き取れそうなのだが、なぜか聞き取りにくいのは、フラメンコではない詩を無理やりフラメンコに乗せているからかなあ。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
勝手にスペイン舞踊の舞台だと思っていたらこれはかなりフラメンコな作品で
ギターソロのロンデーニャからファンダンゴ、タンゴ、ソレア、
ペリコンと呼ばれる大きなお扇子でのアレグリアス。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
一番素晴らしかったのは、パコ・デ・ルシアのサパテアードをカスタネットで、ダンサ・エスティリサダで踊るもの。クラシコ・エスパニョルですね。
みよ、この見事な姿勢。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 頭に花をつけてのグアヒラ/ルンバ/タンギージョ
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 ガロティン
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 アルゼンチンタンゴを意識した風の衣装で登場。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 最後はつづらからはねを放って幕。
© Festival de Jerez/Javier Fergo

一言で言うと、小劇場風フラメンコの作品。
ユーモアというか、面白くしようとしているところがあるのだが、根が真面目なのか、あんまり面白くならない。
フラメンコよりも、もっとスペイン舞踊よりの作品の方が向いているのでは?

あと衣装。フラメンコにとって、舞台にとって衣装の力は大きい。
練習着風のもので次々と踊られても、なんだかなあ、的な。
コンセプトを壊さない、もう少し、その曲の雰囲気を盛り上げる衣装があったのではないだろうか。
で、ロサリオ・トレドのADNを思い出す。
あれも踊りは一人。でもずっと楽しく、心に響く。

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